2011年12月27日火曜日

ピザボーイ 史上最凶のご注文 30 Minutes or Less

ゾンビランド」の監督ルーベン・フライシャーと主演ジェシー・アイゼンバーグのコメディ。渋谷は夜9時過ぎのみ、新宿は朝10時40分のみと上映回数が少ない。朝だしスクリーンも渋谷より大きいから、ま、いっか、と新宿歌舞伎町まで行くことにした。コマ劇場は解体中、オデオン座の入った建物も閉鎖、映画館の集まっていたあの一角はミラノ座の入った建物を残すのみでなんとなく寂しい。映画の中心は伊勢丹のあるあたりに移ってしまったようだ。映画を見に行くというような町並みとはちょいと違うものね、歌舞伎町は。とはいえシネマスクエア東急の好きなところもある。椅子だ。都内の映画館の中でも一番好きな椅子かもしれない。でも、椅子だけでは集客は無理らしく、お客さんは私達含めて全部で5人位、ほとんど貸切り状態・・・。

映画は冒頭からシモネタ満載で、中学生を連れて行くなんてなんという不良母であろうか、と正直あせった。でも入れてくれたから大丈夫なのだろう。後でしらべてみたらあれでPG-12?!で、肝心の内容はどうかと聞かれると、ん~、面白いところもあった。爆弾を携帯で爆発させる意外は、おバカが引きおこす騒ぎなので全てがアナログでタンジュン、中にはシモネタではない映画通を狙うギャグもある。設定だって、ニート2人が戦地帰りのマッチョな金持ち父さんを殺して遺産を奪おうと、メキシコ人を雇うあたり「もしかしたら社会風刺かも!」と一瞬思ったりもする。小さなギャグの集まりなので、次のギャクで前のギャグを忘れてしまう。もう一回見たら笑えるのかなぁ?いや2度見るほどでもないなぁ。「ゾンビランド」で期待を膨らませた人は、ちょっとしぼませて行くとそれなりに楽しめるか。

さて、ジェシー・アイゼンバーグは昼間「ソーシャルネットワーク」でマーク・ザッカーバーグを演じ、夜はマークのままこの映画の撮影をしたのであろうか?いや、きっと、彼は何をやるにもジェシー・アイゼンバーグのまんまなのだろう。これはぜんぜん悪い意味ではなくって、たとえばウディ・アレンとかそのままで十分な人もいることだし。彼が役に近づくのではなく役が彼を選ぶという。
ジェシーのお友だち役のインド人は面白かった。
日本語の副題も(タイトルもかな?)なぜか笑える、別の意味で。

2011年12月24日土曜日

NORAD Tracks Santa

NORAD (北米航空宇宙防衛司令部)との前身 CONAD(中央防衛航空軍基地)は、50 年以上にわたりサンタの飛行を追跡している。
1955 年にコロラド スプリングスに拠点を置くシアーズ ローバック社が、子供向けに「サンタへの直通電話」を開設したとき、誤ってCONAD の司令長官のホットラインの電話番号を広告に掲載してしまう。子供たちからの電話を受けた当時の司令官ハリー シャウプ大佐は、なんとサンタが北極から南に向かった形跡がないか部下にレーダーで確認させ、電話を掛けてきた子供たちにサンタの現在地の最新情報を順次伝えていった。
2000年頃初めてPCで見た時はかなり簡単なグラフィックだったけれど、あの軍人特有のイントネーションで、あたかも未確認物体を追跡するような実況中継には感動した。子供よりも大人の方が伝えるのも聞くのも真剣かもしれない。
Merry Christmas !

2011年12月23日金曜日

50/50

この映画、お勧め!


酒もタバコもやらない、死亡率が高いので車の運転もしない、車が来なくても赤信号は渡らない。そんなアダム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、なんと皮肉にも27歳という若さで脊髄のガンを告知される。生きるか死ぬかは50/50。


製作のセス・ローゲン、主人公の友人カイル役も演じていて、例のごとく(ノックド・アップ)シモネタで口を開ければ笑わせてくれる。主人公のジョセフ・ゴードン=レヴィットは「500日のサマー」でちょっと情けない男子を小気味良いテンポで見せてくれたけれど、今回もどん底の哀れなアダムを彼のキャラクターで180度スピンさせて、コメディーのさわやかな主役に仕上げている。息子に煙たがられる母親役を、あのアンジェリカ・ヒューストン! このユーモアと自信にみちあふれた存在感 、なのに女王様にならない、すごいわよ。若いセラピスト研修生キャサリン役のアナ・ケンドリックは「マイレージ・マイライフ」でもそうだったけど、初々しい優等生を演じさせたら最高。逃げていく彼女レイチェル役はロン・ハワードの娘ブライス・ダラス・ハワード、この人も何でも出来る人。

ここまで重たいテーマを一度も暗い気分にさせることなく、悪趣味だったりお涙頂戴だったりもなく、全編”心底”笑わせてくれる。そこに転がっているものをユーモアでとらえるセンスとは、どうしたらやしなえるのかしら。生まれ持ったものもあるよね。赤ちゃんなのにすでに面白いツワモノもいるし、動物だってヘンなコいるしね。

”Nothing either good or bad, but thinking makes it so.” 起きたことの解釈は、その人となりそのものなのね。

2011年12月22日木曜日

発送電分離

20日現在、原発全54基(出力合計4896万キロワット)のうち運転中は7基(同680万4000キロワット)で、これは出力ベース14%に相当。


そんな中、21日、大阪市の橋下徹市長は東京都の石原慎太郎知事、猪瀬直樹副知事と、来年6月の関西電力と東京電力の株主総会で、発電部門と送電部門を切り離す「発送電分離」をそろって提案することで合意したとのこと。 大阪市は関電の筆頭株主、東京都は東電への出資比率が3位、それぞれ大株主だ。


これまで、各電力会社は真夏の「ピーク時」のために、原子力発電をベースにしたエネルギー計画を立ててきた。原子力発電の建設はお金がかかるが、政府の後押しを受け、送電配地域独占という大資本をフルに利用し、どんどん過剰投資を続けてきたのだ。

電力会社はおそらく広義での効率化ということを考えたことはなかったに違いない。「総括原価方式」があれば、なんのインセンティブも湧かないのだから。発送電を分離し、発電を市場に乗せ電力を自由化する。保険も民間でかける。安全であるならば原子力のを引き受けてくれる保険会社だってあるかもしれない(ないだろうけれど)。さて、大阪市と東京都の動きは歓迎できるのであろうか。


環境エネルギー政策研究所・飯田さんは前日20日の「東京都、東電総会で送電網改革の株主提案へ=猪瀬副知事の記事に対して、「西の橋本大阪市長と連携しての電力市場改革の提案なるか。ただし思いつきで天然ガス発電を提案するあたり、猪瀬さんには政策ブレインが居なさそうだ・・」と述べている。
その飯田さんのコメントに対して「天然ガスはダメか」という質問が入る。
それに対して飯田さんは「天然ガスはもちろん活用すべきですが「東京都」が自ら天然ガス「発電所を作る」という発想が、政策論的には素人という意味。都行政の仕事は事業ではなく、市場構築のための制度やルール作りです」と返事をしている。御意。


私たちは政治家のどこまでがパーフォーマンスであるか見極めなくてはいけない。しかし、それをうまく利用する賢さというのも必要だ、と思う。わたしの脳みそじゃ、無理だけど・・・。

2011年12月21日水曜日

クリスマスの飾り  アンディ・ウォーホール@ローゼンタール その1

アンディ・ウォーホールとローゼンタールのコラボ。 クリスマス用の陶器やガラス製品が沢山出ている。奇抜なデザインも見ているのは楽しいけれど、家で楽しむためにあまり派手ではないものを集めてきた。
小皿。ドイツからのお土産


ろうそく立て。文鎮みたい
ティーライトキャンドルホルダー。羽根付き

2011年12月20日火曜日

クリスマスの飾り  ビレロイ&ボッホのオーナメント

17,8年前にビレロイ&ボッホで買った陶器のオーナメント。クリスマスオーナメントとは限らないのだけれど、我が家ではクリスマスの間キッチンのライトにぶら下がっている。
ブラ~ン

右:豚。カバか?。
中央:ぶち猫。金色の羽。
左:象。金の牙と耳。

2011年12月19日月曜日

黄金の日々

今月の日経「私の履歴書」は松本幸四郎(6代目市川染五郎)。
私の高校生の時のアイドルは、6代目市川染五郎さんだった。かなり真剣。そのきっかけになったのが、先ごろ亡くなられた市川森一さんが書かれたNHK大河ドラマ、「黄金の日々」。キュロットスカートの助佐(呂宋助左衛門)が染五郎さん。

根津甚八(五右衛門)や川谷拓三(善住坊)のキャストは新鮮だったし、唐十郎、李麗仙、という状況劇場の俳優はかっこ良かった。劇団四季でトニーやジーザスを歌っていた鹿賀丈史が、TVに登場して驚いたっけ。夏目雅子や竹下景子は初々しくて美しく、栗原小巻(美緒)は凜としていた。鶴田浩二、緒形拳、児玉清、宇野重吉、神山繁、丹波哲郎、高橋幸治・・・、素敵な俳優をあげたらきりがない。

あんまり真剣に見たので日曜日1回で大体セリフを覚えてしまい、土曜日の再放送では、登場人物と一緒にしゃべった。そして、一年が過ぎ、ああ、もう終わってしまったのだ、二度と見られないのだ、とサミシイ思いをしてたら、なんと歌舞伎座で舞台になるという。あの助左衛門@染五郎がナマで見られるのだ!高校生には切符は高かったし、一人で行くのも何となくさみしいので、踏ん切りがつかないがやっぱり行きたい。そこで、乗り気でない友達を説き伏せ一緒に見に行ってもらった。美緒は坂東玉三郎さん、他も片岡孝夫さんとか名だたる俳優が出演なさっていたけれど、やっぱりTVとはちょっと勝手が違い、思ったほどコーフンしなかったことは覚えている。でも見にいかなかったら一生後悔したことだろう。

さて、今日の「私の履歴書」はまさにその「黄金の日々」について。その中で、「黄金の日々」を高校生の時に見て、人生の指針にしたいと行ってくれた人に十数年後に出会った。劇作家の三谷幸喜さんで、テレビドラマ「多様のレストラン」や時代劇で一緒にお仕事をした。とあった。

実は三谷幸喜さん、もちろん名前は知っているけれど、あまり作品をちゃんと見たことはない。しかし、同じようにあの番組にのめり込んでいた高校生がいたのかと思うと、素直にとっても嬉しい。
幸せな一年だったな、昭和53年。

2011年12月18日日曜日

ミッション・イン・ポッシブル/ゴースト・プロトコル  Mission: Impossible - Ghost Protocol

トム・クルーズの脂分 -体型では無くって、うまく言えなけど演技とか雰囲気とか- が落ちていい塩梅になっている。映画に細切れ感が出ないのは、ボディダブルを使っていないからだろうか。それにしてもよく頑張っている。助かると分かっていても手に汗握る。


ブラッド・バード監督は、ピクサーで「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」を作っており、「かっこよさ」とか、「テンパっているときのユーモア」を捉えるセンスが大好きだ。アナリストのブラント役のジェレミー・レナーがその辺の美味しい部分を十二分に発揮しているし、ちょい役だけれどインド人富豪もかなりウケた。昇格エージェントのベンジー役サイモン・ペグは普通のボケ役で、イギリス人のなんとも言えない面白さを引き出すにはもうひと工夫が必要か。殺し屋サビーヌ・モロー役のレア・セイドゥはいい。ケイト・モスっぽいポーカーフェイスとキャットウォークでバン・バン・バンと仕事をこなす。エージェントのジェーン・カーター(ポーラ・パットン)はナイスバディで、身体能力も抜群。この女同士のガチンコは見ごたえ有り。長官役トム・ウィルキンソンは「フィクサー」の時のような(もっと出番は短いけれど)悲哀を感じさせる話しぶり、映画に渋みを与えるいいシーン。


BMWとiphoneが第2の主役か、と言うくらい激しい使用頻度。特にiphone、これがなかったらな~んにもできないのではないか?と思うほど。スパイは普通のキャリアーは使ってないのだろうな、絶対に。

2011年12月16日金曜日

クリスマス イルミネーション 丸の内

大手町での仕事の帰り、せっかくだから日比谷まで歩こうかと丸の内中通りに行くと、イルミネーションの並木が出迎えてくれた。

私が丸の内に勤めていたウン十年前は、いくつかのビルを除いて全て9階建、1階の店舗はほとんど銀行。通りにはモノトーンの背広姿のサラリーマンにOL(死語だよね)がまじり、子供の姿などは見かけることは無かった。週末に出勤するとまるでゴーストタウンのように静まり返っている、そんなところだった。

今は、道路だけ残して建物も中身も往きかう人も様変わり。でも、ビルの合間から垣間見える鬱蒼とした皇居の森やお堀はそのまま、姿形は変わってもなんだかとても懐かしい。
丸ビル前
光の並木は日比谷までず~っと

2011年12月15日木曜日

クリスマスの飾り   洗面所の飾り

ろうそくのデコレーションを作ったとき余った枝を、小さな花瓶にさして洗面所に置いてみた。
赤いお星様は去年落として裏っかわが割れている
かわいそうで捨てられなかった

で、コーヒーテーブルの上には今まで生けていたチューリップに、それっぽい小枝を添えてみた。
チューリップはほとんど終わり
赤いガーベラかラナンキュラスと合わせてみよう

2011年12月14日水曜日

クリスマスの飾り  ろうそくともみの木の枝

銀色のお盆にもみの木の枝を敷き詰めて、ロウソクとクリスマス用のオーナメントを置く。オアシスとか使っていないけれど、もみの木は3週間ほどグリーンのまま。クリスマスにはろうそくに火を灯す。

2011年12月13日火曜日

持久走

ワカ 「最近持久走が強くなってきた」
私 「テニスのおかげかしらね」
ワカ 「毎朝ギリギリに家を出て時間に間に合うように、学校まで走っているからかもしれない。」

笑わせようとか、遅刻してないと威張っているとか、全然そんなんじゃなくって、単純に持久走が速くなったことに自ら感心しているようだ。

「一石二鳥だね!」とほめかけて、やっぱやめた。

2011年12月12日月曜日

クリスマスの飾り グラスボール

クリスマスが来るたびに少しずつ買い足したりいただいたりしたものを、部屋のあちこちに飾っている。花瓶は大好きなコスタボダのカランバ。

2011年12月9日金曜日

2011年12月7日水曜日

クリスマスツリー

今年も我が家にクリスマスツリーがお目見え。飾りはオットが全部仕切るので、私はもみの木注文と植木鉢にもみの木を植え込むお手伝い。ぷーんともみの木の香りが漂って五感を刺激、ラジオからもクリスマスソング、家の中の空気がクリスマス色に変わっていく。

電気を消して写真を撮ったら
プラネタリウムみたい
赤玉と黒玉

2011年12月5日月曜日

タンタンの冒険:ユニコーン号の秘密 The Adventures of Tintin: The Secret of the Unicorn

オットは大のタンタンファン、ポスターをちゃんとフレームに入れて子ども部屋に飾り、本もDVDも揃えている。だからワカも小さい頃からタンタンを見て育った。2002年、初めての本格的なタンタン展が渋谷のBUNKAMURAで開催されたときは、小さなワカを連れてワクワクしながら見に行った。


そのタンタンをスティーヴン・スピルバーグ監督が映画化すると聞き、私はアメリカ風になってしまうのではないか、とちょっくら心配していた。が、取り越し苦労、原作のモチーフを生かした新しいタンタン映画、実に面白かった。


しかし、モーションピクチャーもここまで来たか。「ポーラー・エクスプレス」や「クリスマス・キャロル」を見たときもエライ技術だなと思ったけれど、今回は飛躍的にスゴイ。これが実写だとCGのやりすぎで、アニメーションだと夢の世界。その中間で実写の現実味をのこしながら、インディージョーンズ以上の冒険の迫力を十分楽しめるのだ。恐れ入った。


ディズニーの「白雪姫」、女優が白雪姫の衣装を身にまとい、絵コンテどおりに動いてもらって撮影。その動きを動画にトレースしたという、アナログなモーションピクチャー。なんだかあの世界を思い出してしまったワ。細部まで愛情とこだわりをもって創ると、テクノロジーに息が吹き込まれる、そんな映画。


キャストはタンタンがジェイミー・ベル、あの「リトルダンサー」も25才!。面白くてとぼけていて最高なハドック船長はアンディー・サーキス、「猿の惑星:創世記」で「主役」のシーザー役。今度は生の顔見せてね。で、悪者のサッカリンはダニエル・グレイグ様、怖い顔でも声がステキ。


全く新しいタンタンの世界、おすすめ。スノーウィーも待ってるよ!
元祖タンタンとスノーウィー
映画のタンタンとスノーウィー

今月のパン教室

教室で焼いた出来立てのパン、その試食の時に先生が美味しいお料理一品を添えてくださるのだけれど、これがまた絶品。その楽しいひとときで記憶が薄らぎ(すごい言い訳)、おまけに家で復習しないから、私のパン修行は一歩進んで二歩下がる。いやそれじゃあ果てしなく後退だから、三歩進んで二歩下がるくらいか・・。

以前、パンをこねる作業を楽しいと書いたけれど、実はこの部分をコネ器がやってくれると、グググッと家庭学習に近づきそうなのだ。が、また言い訳すると、なにせ我が家の台所はせま~い。しかし、タイヤを引きずっているかのごとき重い腰を上げ、それでもいろいろ探してみている。現在クイジナートのコネ機能付きフードプロセッサーを検討中。自分にクリスマスプレゼント、とか(来年の?)・・・。

さて、12月はクリスマスも近いので、シュトーレン風パンを2種類と、リース型ケーキを教えていただいた。それにしても焼きたてのパンは、とても、とても美味しい。いつも香ばしいパンの香りが漂う家、近い将来の目標だわ。
マンデルシュトーレン
カリッと焼いたマンデル(アーモンド)が香ばしい


クリスマスケーキ
コアントローのシロップが生地に滲みてる

2011年12月2日金曜日

瞑想する猫

なんだか疲れたな、と思ったらビタミンがわりに見る動画。
雄大な自然の中で瞑想するしろ。
以前みかんと猫の動画をアップしたけど、かご猫さんちの猫ちゃんは皆穏やかだなぁ。


耳にちょっと違和感あり。



しろ、顔がでかい。

2011年12月1日木曜日

キューピットの矢

母は倒れたとき、きりっとした消防士、じゃきっとした救急救命士、腕の立つ外科医、優しい看護師と本当にたくさんの人が、どこからともなく次から次へとわらわらと集まって、自分を助けてくれたことに感激。その様子を「キューピットの矢が心臓に命中したよう」と言った。見事に命中した矢は痛かったんだけど、人の親切やら愛情がふわっと自分を包んでくれた、・・・らしい。

昨日は病院内で自転車こぎ30分&ストレッチのリハビリも始まり、料理指導のクラスも受講したそうだ。当初4週間と言われていた入院も半分くらいで済むらしい。この2週間、上げ膳据え膳で一切TVも見ず、心身ともに休養をとり、話をしているとヴァージョンアップしてる。

正しい食習慣と適度な運動と休養、これができればいいのだけれど、年齢によってその内容も変わるだろうしなかなか難しい。私もこれを機会にもう一回食事をしっかり見直してみなくちゃ。キューピットの矢に当りたくないもん。

2011年11月30日水曜日

CHEMEXコーヒーメーカー

MoMA(ニューヨーク近代美術館 )のパーマネントコレクションとしても知られたCHEMEXコーヒーメーカー。遡ること4,5年前、70年代人気のあったメアリー・タイラー・ムーア・ショウのDVDを見ていたオット、小道具の中にCHEMEXを見つけた。カッコイイから欲しいと言うので誕生日に贈った。しかし、はっきり言って、いれたコーヒーが全然美味しく無い。以来、ドライフラワーが1本さされた状態で台所のオブジェと化してしまった。


先日、近くのカフェでCHEMEXのワークショップのお知らせを見つけ、参加することに。初心者、そこで物理的に大切なモノに気づく。コーヒーメーカーとペーパー意外に、お湯を注ぐための注ぎ口の細いポットがいるのだ。・・・ヤカンからドバっと注いでいたんじゃ、ダメだったのだなぁ。


お湯を注ぐときに挽いたコーヒー豆に穴を開けてはいけなくて、これが意外に難しい。上手にお湯を注ぐと豆の上にこんもりと泡が立つ。その泡が消えないうちにお湯を注ぎ足していく。そのときペーパーに直接お湯が当たらないように気をつける。豆を通さずお湯が下に落ちるのでコクが出ない。こんな難しいことをさっさとこなす電気コーヒーメーカーというのは、結構賢いのだと感心した。写真に写っているポットは野田琺瑯社製「月兎印」のホーローポット。青いのは新色だって聞いた。


4人の参加者がいれたコーヒーを少しずつ味見。驚いたのは全く同じ条件で作ったにもかかわらず、全員味が違ったこと。二回目にいれたコーヒーは、コーヒーカップでいただく。なんとカフェの特製ケーキが登場。嬉しかったなぁ。ためになって、楽しくって、美味しい休日の朝。若くてカワイイ女子とも知り合いになれたし。あとは、練習あるのみ。


半世紀ほど前ドイツ人科学者Schlumbohmが、毎日ビーカーでコーヒーを作って飲んでいたところ、「なんだ、いけるじゃないか」ということになって、アメリカに渡り商品化したそうだ。イームズ夫妻も愛用していたという。

2011年11月28日月曜日

第一待降節  1st Advent


今年の我が家の
アドヴェントクランツ
昨日はクリスマス4週間前の日曜日、第一アドヴェント。今年はクリスマスが日曜日なのでアドヴェントが長い。毎年第一アドヴェントの前日の土曜日に、五反田にあるドイツ語福音教会で、クリスマスバザーが開かれる。ドイツの郷土料理の屋台が並び、クリスマスのお菓子のお店が出て、和洋折衷のこじんまりとした教会とその中庭は人でいっぱいになる。

昨年は教会が改築工事で会場が横浜のドイツ学園。一昨年と比べると、中庭が整備されたからかもしれないけれど、何となく人出が少ないような気がする。3月の地震のあと、日本に戻ってこないドイツ人が結構いると聞く。それでも小さい子供連れの家族が来ているところを見ると、東京に戻ってきている人もいるのは確か。教会では東北への募金も行われていた。

それにしても、今年はアラブ諸国、ヨーロッパ、タイ等等、世界中が大変な年だった。せめても年の瀬は穏やかに過ごせますように・・・。

教会の中はカフェ、
手作りのケーキが美味しい

グリューワイン(ホットワイン)
教会の名前が入ったカップで

2011年11月25日金曜日

コンティジョン Contagion

新種ウイルスの感染爆発。WHO、政府、医師、一般市民、フリージャーナリスト等が様々な行動を起こす。目に見えない恐怖が引き起こしたパニックは、一昨年前の豚インフルエンザや福島原発と重なる。


最後まで他人の心配をする医師、情報を家族に漏らしてしまう博士、自らの体でワクチンの治験を行う研究者、生物兵器を疑う政府関係者、暴動に走る一般市民、一見真っ当な意見をかざし恐怖を煽るフリージャーナリスト。これらが自然破壊を発端にウィルスの驚異は、世界中の異なる公衆衛生、道徳、正義感などが複雑に絡まりながら広がっていく。


マット・デイモン、ケイト・ウィンスレット、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、グィネス・パルトロウ、マリオン・コルテヤールというそうそうたるメンバー、観る前から否が応にも期待が高まる。全員が主役且つちょい役という、ロバート・アルトマン的な手法で見事にまとめたスティーブン・ソダーバーグ監督。グィネス・パルトロウ、まさに「一皮むけた(むかれた)」演技、ウイルスの怖さ倍増。ケイト・ウィンスレット、好きだわ~。ジュード・ロウ、怪しげな奴を演じさせたらピカイチ。何しろ役者が全員いきいきとして、自分のテリトリーを100%表現している。


世の中の仕組みや制度にはそう簡単に白黒付けられない、だからこそ人間としての尊厳、品位が大切なのだ、とつくづく感じた次第。しかしなのだ、この映画を見たあとは吊革つかむのも何となく・・・・。あ、でも人間は雑菌の中で生きているのだからね。正しく理解して、正しく怖がろう。

2011年11月24日木曜日

マネーボール  Moneyball

ブラピ、素敵よ
ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、アスレチックスのゼネラルマネージャー。球団の予算はヤンキーズと桁違い、頼みの綱の選手は高い年俸で引き抜かれてしまった。来季の戦力に頭を痛めるビリーは、野球が好きでデータ分析が大好きなオタク、ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)と出会う。スター選手に頼るのではなく、データをもとに個々の選手を適材適所におく戦術に切り替える。これが“マネーボール理論”と呼ばれれその心は“低予算でいかに強いチームを作り上げるか”。しかし、古株のスカウト、アート・ハウ監督(フィリップ・シーモア・ホフマン)らの反発、短気で少々無礼な彼の性格から来る問題もあるのだろう、なかなかうまくいかない。


有名選手に払う高額な金額はOKでも、無名選手や故障選手はどんなに安くてもNO。評価はお金では無いなんてこと誰でも分かっているけれど、そこに縛られるのが人間。選手以外のところで動く莫大なお金。シリーズ後、レッドソックスのオーナーがビリーに言う「新しいことをしようとすると、既得権をもった人は保身のために必ず反発する。君がやったことは必要なことだった。」ちゃんと見ている人は見ているのだ。これぞブレイクスルー物語。


もちろん生身の人間をデータに置き換えることに対しての弊害はあるだろうし、年俸は安いよりも高いほうが選手のモチベーションになるだろう。実際ビリーは人情に厚いわけでもなく、思ったようにいかない選手をあっさりクビにしてしまう。野球チームが強くなる王道などはないのだ。それが証拠に永久に勝ち続けるチームなど存在しない。誰にもうたれない球を投げるピッチャーがいれば話は別だけれど・・・。しかしスター選手がいなくとも、全員の長所を生かし他の人間で欠けているところを補うことで勝てる、そんな集団スポーツの醍醐味を見ることができるとうれしい。


ビリーは自分の信じた道をただひた走る。スポ根時代に育った私には、彼が特別のことをしているようにも見えない。ただ体制に反して戦っていることに共感。そして、この映画がサクセスストーリーではなく、未だ続いている挑戦への第一歩という位置づけであることに好感。


私の好きなフィリップ・シーモア・ホフマンのカップクの良さといったら・・・、ちょいと心配。スゴ~ク久しぶりにロビン・ライト(”ペン”がもう無い)登場、綺麗。「ブラザース・アンド・シスターズ」のサラの娘ペイジ役のKerris Dorseyが、ブラピの娘役で登場。ギターの弾き語りがとってもキュート!将来が楽しみだわ。

2011年11月22日火曜日

手のひらを太陽に

先週の木曜日勤め先に父からの電話、母が倒れて救急車を呼んだとのこと。搬送先のクリニックにあわてて駆けつける。救急車はクリニックに待機、今考えると救急救命士には再度搬送されるであろうことが分かるくらいの状態だった。クリニックでCTスキャンをし、そのCDロムを持たされ、待機していた救急車に乗せられて病院へ。救急外来で「心筋梗塞」のため緊急手術をするので、入院手続きを取るようにと告げられる。びっくり。


手術は足の動脈からカテーテルと通すというもので、約30分。その後CCU(Coronary Care Unit :冠疾患集中治療室)に入院。あれよあれよと言う間の出来事だった。発病から約7時間、やっと、担当医からの話を聞くことになる。心筋梗塞に関してはネットで調べればいくらでも出てくるので言及は避けるけれども、三分の一の人が病院にたどり着くまでに亡くなってしまうという大変コワイ病気であること、発症後24時間には心臓破裂、心不全、肺水腫等など生死にかかわる問題が起こること、母は壊死の部分が大きいため重症であることなどを告げられ、家族一同顔面蒼白。


しかし、発症時ひとりではなかったこと、救急車が来るまで消防士さんが手当てしてくれ、長く待たされることなく救急車が到着、電話で何箇所か病院に断られたらしいが、たらいまわしにされることなくクリニックに搬送、そのクリニックに循環器専門病院の提携先が4箇所もあり、発症後3時間で手術に持ち込めたことなど幸運が重なり、一命を取り留めた。


一時は覚悟を決めた私達をよそに、母は翌日からは食事を取ることが出来るようになり、4日後の今日には歩けるようになった。私と妹は担当医の先生に「心臓に毛が生えてなかったか」と聞いてしまった。70を過ぎた今でもトレーニング指導士として仕事をしていたという体力も功を奏したのかもしれない。


そんなこんなでここ数日私の頭の中にずっと流れている歌、
ボークらはみんな生~きている・・・


消防士、救急救命士、クリニックの先生、担当医の先生、看護士の皆さん、なんと多くの人にお世話になったことか。考えてみたら、製薬会社、医療機器会社、びっくりするくらい多くの人がかかわっているのだ。本当に感謝の気持でいっぱいである。


さて、母はあんなに痛い思いをして、両足両手と針を差し込まれ身動きが出来なかったのに、「いい経験をしたわ」と晴れ晴れとした表情。担当医の先生が若くてハンサムなので携帯で写真を撮り、「孫とムコの次に大切な人よ!」(父はどこに・・・)。


そして私がこの5日間学んだこと、悪玉コレステロール(LDL)には気をつけること。母は倒れる2週間前に検診を受けており、コレステロールの値以外は何の問題もなかった。LDLコレステロール  は140未満が正常値、母が検診を受けたクリニックでは160をこえると薬を処方する。その時点で母の値は158(ビミョー!)、薬は副作用もあるのでとりあえず見送りましょうということになっていたらしい。


TVや雑誌でなんとなく解ってはいても、健康な人ほど予兆を見逃す。梗塞を起こした心臓や脳は壊死してしまうので再生されることはない。そうなる前に、是非予防をして欲しいとこのブログを読んでいる方にお伝えしたいと思った。

2011年11月15日火曜日

2011年11月14日月曜日

インモータルズ  IMMORTALS

神話の時代のギリシャ、全能神ゼウス(ルーク・エヴァンス)は老人に姿を変えて、地上の人間たちを見守ってきた。そこに冷血な神の存在をも否定するワルもん、ハイペリオン(ミッキー・ローク)が現れ、ギリシャを征服しようと残虐な行為を繰り返す。ゼウスは人間の世界の揉め事には手を出さず、奴隷の若者テセウス(ヘンリー・カヴィル:ハンサムです)に人間の将来を託そうとする。しかしハイペリオンの仁義なき戦いは、やがて封印されていた神の世界の戦いまでもを呼び覚ましてしまう。


R15なのはなんでかと思ったら、なるほど「スクリーム」ギリシャ神話版・・・。ドバッ、グサッ、っとマンガの効果音が聞こえてきそうな場面満載。人物描写もテセウスが主人公だと思うけど、もしかしたらハイペリオンが主人公か?と思えたり、いや、ゼウスが中心人物かもしれない、と活躍ぶりと登場時間の配分がイマイチ。スティーブン・ドーフなどは何をするか期待したまま、最後はどうなったっけか。だって、あまりの人の多さに動体視力が追いつかないんだもん。フリーダ・ピントは重要な役回りそうだけど、それほど予知能力は当たらないし、ヴァージンしか能力が発揮できないのに・・・、あれれ?と思いつつ、最後の最後にやっとその大切な役割が分かった。とにかく全体的にバランバラン。


しかし、映像の面白さ、俳優の美しさ、衣装の優雅さだけで2時間引っ張る、というのはそれはそれでスゴイ映画だ。今、大変なことになっているギリシャに、神様がドッシーン(神様は意外と重い、下の動画参照)と現れてくれたらいいのにね。


2011年11月11日金曜日

由紀さおり


夜明けのスキャット」の由紀さおりアルバム 米、カナダで次々1位と世界的ヒットの快挙

だそう。
そういえば、整形外科の先生が手術をしたら一番美人になる有名人は由紀さおりさん!、と言っていたのをむか~し聞いたことある?当時は例えば浅岡ルリ子さんのような、ぱっちりしたタイプの人が子供ながらに美しいと思っていた。ドリフでおもしいろいお姉さん、っていう印象はあったけれど。でも今当時の由紀さおりさんをみると、美シイ・・・。

「生きがい」っていう歌、好きだったなぁ。
それにしても凄いことだ。元気が出る。おめでとうございます!

2011年11月10日木曜日

ASHIMO

絶対、人がはいってる・・。抜き足差足で袴を着せたら似合いそう。
握手したくっても避けられちゃうのかな。

2011年11月7日月曜日

フェア・ゲーム  Fair Game

CIAエージェントのヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)は調査の結果、イラクには核開発の事実も余力も無いと、CIA幹部に報告を上げていた。さらに多角的に判断する為、ウランの売買、流通からも大量破壊兵器製造の可能性を調べるため、CIAは元ニジェール大使のヴァレリーの夫ジョー(ショーン・ペン)に調査を依頼する。現地に赴き大量ウランの売買の事実がないことを確認し、彼もまたイラクで核開発の事実がないという報告書を提出する。


にもかかわらず、大量破壊兵器の存在を理由に政府はイラクに宣戦布告、それに激怒したジョーはNYタイムズに自分の作成した報告書を寄稿する。それを良く思わないアメリカ政府(副大統領筋は)、ジョーが大量破壊兵器の存在を否定する報告書を書いたのはCIAの妻がまとめた報告書の裏付けのために個人的に頼まれたためであり、また、このような状況でイラクを弁護するのは反愛国者であるとマスコミに報道させる。そしてヴァレリーは、本来ならば決して明かされることのないCIAエージェントとしての身元をジャーナリストにリークされ、世間に暴露されてしまう。(詳しくはこちらが参考になる 村上博美@JMM

マスコミの報道は、大量破壊兵器が有ると信じる人=愛国者、大量破壊兵器は無いと主張する人=反愛国者、という構図を作り上げ、イラク戦争の大義となった大量破壊兵器の有無から、問題のすり代わりが起きてしまう。政府(副大統領)の夫妻への反応は、以前認知的不協和について書いたけれど、まさしくそれ。

激しい報復を受けた夫妻はもちろんお気の毒だけれど、なんの罪もないイラク市民が爆撃の中、身をひそめる姿はもっと悲惨だ。かの地では今もまだ多くの問題を抱え、人々の命が失われていることを考えると胸が痛い。今では日本でほとんどイラクに関しての報道を見ることはないが、日本の時の総理が事実確認の前に、まっ先にイラク攻撃に賛同したことを忘れてはいけない。時間も距離もはるかかなたの出来事だけど事実は消えないし、その事実は今も見えないところで糸を引っ張り合っているだろう。

ヴァレリー・プレイムご本人
この映画の正確性についてはいろいろ論議があるところだけれど、「グリーンゾーン」も含めほんの数年前の出来事を映画化したことには舌を巻く。ショーン・ペンはこういう役どころ、きっと大好きに違いない。ナオミ・ワッツも本当のスパイはこんなふうなのだな、と思わせる才色兼備さをさらりと体現。
そして、本物のヴァレリー・プレイムさんは美しい人だ。やっぱりいるのだ、美しすぎるスパイ。

2011年11月5日土曜日

ミッション:8ミニッツ Source Code

シカゴで乗客が全員死亡する列車爆破事故が起こり、事件を解明すべく政府の極秘ミッションが始動。爆破犠牲者が死亡する8分前の意識に入り込み、犯人を見つけ出すという。その任務に、アフガニスタンで従軍するスティーヴンス(ジェイク・ギレンホール)が選ばれる。限られた時間の中ではそう簡単には犯人は見つけられない。そのため何度も8分間の任務を繰り返す事になる。しかし、スティーヴンスは指令側の奥歯にものの挟まったような物言い、自分の時間や記憶のつじつまが合わないことに疑問を抱き始める。


監督ダンカン・ジョーンズの一作目「月に囚われた男」と同様、主人公は隔離された中で仕事をしているが、自分の置かれている状況に疑問を持ち始め、残された時間が少ない事が分かる。しかし、最後まであきらめず、限られた時間の中でぎりぎりまで力を尽くす。生きたい、という人間の本能が描かれている。


スティーヴンスはこの8分の短い時間の中で、任務と恋の二兎を追う。スパイものと違い色気を出している暇はないが、目の前の美しい人が任務遂行の重要なモチベーションになっている事はたしか。しかし、たった8分とはいえ積み重ねていくと、時間の使い方はどんどん効率的になっていく。特に自分がどんな状況に置かれているかが分かってからは、優先順位がクリアーになる。これはみていて気持ちがいい。


自分がいる場所は真っ暗で狭いし、電車に戻れば撃たれ、殴られ、轢かれ、爆発でとばされの、過酷な世界を行ったり来たり。しかし「過去が変えられる」という主人公の気づきが、映画全体に希望という明るいトーンを与えてくれる。そしてラストは、私みたいなハッピーエンドが好きな観客にもそれなりに満足できる、上質な娯楽性をも兼ね備えた映画と言える。ツジツマが合っているような、いないような、私の頭ではよくわからないところもある。ホーキング博士の宇宙論、劇中ちらりとスティーヴンスが言及する量子物理学、これらが分かっていれば、もっと堪能できたかも。


出演者のイチオシは、軍服姿のグットウィン大尉(ヴァラ・ファーミガ)。勇気のある美人は、カッコイイしセクシー。


今ひとつなのは、邦題。原題の”ソースコード”の意味は、
人間がプログラミング言語を用いて記述したコンピュタープログラム。そのままではコンピュー上で実行することはできないため、コンバイラなどのソフトウェアを用いてオブジェクトコードなどのコンピュータの理解できる形式に変換され、実行される。」
・・・よくわからないけれど、映画見ると何となくわかる。題名が変わると映画の解釈も変わってしまうと思うのだが。

2011年11月4日金曜日

カワウソの奮闘

ゴミが、は、入らない・・・。一生懸命なんだか、もしかしたら遊んでいるのか。
手を貸そうとしても自分でやろうとしている姿が、なんともカワイイ。

皆様、良い週末を・・・。

2011年11月1日火曜日

ウインターズボーン Winter's Bone

こーんなさみしいところがあるのかと思わせる、アメリカ中西部の森の中の貧しい田舎町。父は疾走、母は精神を病み、3度の食事にも窮している一家。17歳の少女リーは、幼い弟妹を養うため、一家の大黒柱として懸命に生活を切り盛りしている。そんなとき保安官がやってきて、父は家や森などの不動産を保釈金の担保にしており、本人が出頭しない限りすぐにでも家を出ていかなくてはならないことを告げる。生きているにせよ死んでいるにせよ父親を見つけないことには、路頭に迷ってしまう。しかし、親族はじめ村人たちには父親の存在はタブーであるようだ。容赦なくリーを追い払う人々、傷つきながらも幼い弟妹のために危ない世界に足を踏み入れるリー。しかし彼女の一途な勇気はそんな暗闇の人々をも動かし始める。


17才とは怖いもの知らずでまっすぐで、処世術を身につけるにはまだ早い。悪事には手を染められないが、軍隊であればと志願する。貧困の犠牲になるのは若者である。しかしその軍隊にさえ、年齢と家庭環境ゆえに入隊を断られてしまう。彼女にとってはどちらも戦場。


狩猟で捉えたリスの捌き方を幼い弟に教えるリー。リスのお腹に手を入れるのを嫌がる弟に、世の中はもっと厳しいことがたくさんあると叱咤する。その言葉が予言のように暗い水辺で彼女の身に降りかかる。じぶんが弟に諭した以上に世の大人たちは厳しく容赦ない。せっかく助けてもらっても、その乾いて蕭然とした情けには身の毛もよだつ。


保釈金問題が解決してもリー一家の生活が良くなるわけではない。しかし、修羅場をくぐったあとのあの穏やかな安らぎは、未来に希望さえ感じさせる。そして、逆境に立ち向かうリー屈強な精神と聡明さが救いだ。


サンダンス映画祭でグランプリを獲得。甘い所のない摂氏以下の映画。主役のジェニファー・ローレンス、注目。

2011年10月31日月曜日

Happy Halloween!

かぼちゃは10月の中ごろ出回り始める。でも、包丁を入れるとアットいうまにカビが生えてしまうので、マジックで顔を描くだけにして飾っておく。ハロウィンの前の日に、オットがザックザックと中味をくり抜いて、目と口をサックサックと彫る。
マジックで顔を描いて
中味をくりぬいて目と口を彫る
ろうそくを灯してできあがり

2011年10月29日土曜日

ひとよ@世田谷シアタートラム

KAKUTA主催、桑原裕子作・演出。
片田舎のタクシー会社。経営者である父親の家庭内暴力から3人の子供を守るため、こはるは夫を車でひき殺してしまう。刑期を終えてしばらく旅をして15年くらいで家に帰ってくる、と言い残して出頭した。
あれから15年それぞれ30を超えた子供たち、長男は奥さんと別居中、次男は昔ヤンキーいまはプー太郎、長女は毎日飲み歩いている。そんなわけでタクシー会社は、親戚、友人、昔漁師であったという運転手堂本で回っている。そこへ約束通り帰ってくる、こはる。こはるの知り合いという得体の知れない”日本人”ヨシムラも、タクシー会社にいついてしまう。ぎこちないこはると子ども達。堂本の不可解な行動。

あらすじを読むとクライ。しかも登場人物は全員真面目。しかし実に”明るい”コメディーなのだ。これはひとえに脚本のミクロの部分の勝利。堂本の過去、子供たちの感情、こはるの叫び、ヨシムラの断髪がすべて絡み合うラスト、脚本のマクロの部分の勝利。またメリハリの効いた演技、キャスティングも成功。

否応なしに起きてしまったことをどうやって消化していくか。なかったことにできない「ひとよ」をもてあます人々。同じ時間を共有しながら、同じように受け取る人間はひとりもいない。しゃべっている言葉も不可解、国籍さえ不明のヨシムラ、彼は登場人物全員が抱える、どうしていいか分からない感情のメタファーか。このヨシナガ役の成清正紀さんがいい。大げさでなく、しかも印象深く、実に面白い。小春役の岡まゆみさんを始め全ての俳優が、飛び出さず、しかし個性豊かに重いテーマを愛情深く演じている。

こういう芝居を見ると母国語が日本語で本当によかったな、と思う。

2011年10月28日金曜日

カウボーイ & エイリアン  Cowboys & Aliens

原作はグラフィック・ノベル(コミック?)で、題名そのままカウボーイがエイリアンと戦う話。

あらすじは「べつに~」なんだけど、俳優、景色を実に美しく捉えた映像。乗馬とガンさばきは映画俳優にとって必須条件だろうが、それを上手にこなす俳優は、その人のオーラが馬や標的まで広がりをもち、さらに魅力倍増。良い振付を上手に踊るダンサーのようなものだ。腹が座り背筋が伸び、キビキビ動く人間を見るのは大変爽快。また舞台である荒地の茶色い景色も、いろいろなアングルから変化に富んだ表情で捉えられ、どこを切り取っても絵になる。

主役の記憶喪失カウボーイのジェイクをダニエル・グレイグ、コワモテの大佐をハリソン・フォード、優しいドクをサム・ロクウェル、と芸達者が集合。それら中心の役者が円熟の存在感を見せてくれるだけでなく、脇役やちょい役の人たちも隅々まで神経が行き届いている。ヒロインは、ドクターハウスのサーティーンことオリヴィア・ワイルド。あの人間離れした眼差しがエラ役に合っている。ジェイクとエラの見つめ合いは、ちょっと惚れっぽいジェームスボンドとボンドガールチックではあったが。

エイリアンは飛行、採掘、医療研究などなど、高等なテクノロジーを持つ。そして彼らの武器は、スターウーズで言うところの「フォース」を使って操る精神的に高度なもの。それなのに行動がかなり野蛮、且つ、原始的、彼らの文明とギャップありすぎ・・・。ま、侵略者とは言語道断の存在であろうから、徹底的にワルモノに描くほうがスッキリするのかしらん。

2011年10月26日水曜日

北 杜夫さん

初めて作家って素敵だなぁと思ったのは、北杜夫さんを読み始めてから。中学1年生のときお年玉叩いて買った”さびしい乞食”の単行本。


アメリカに乞食の修行に出かけた乞食業の若様は、”ジョン・ペン・レコード・コロリ・オモライ”と名乗り、「ライトレフトのジェントルマン、プリーズ ギブミイ サム マネー、アイム プア アンド ブラインド、 プリーズ ギブミイ サムマネー」と街頭に立った。


これ、「右や左の旦那様・・・」のフレーズだけど、この七五調が13才の女の子(あ、昔の私ね)にウケた。単行本は実家のどこかに積まれていると思う(もしかしたら既にbook1stに行ってしまったか)。あの茶色の表紙は脳裏にくっきりと焼き付いている。それから北氏の作品を読み始めた。


高校生のときは、井の頭線沿線にお住まいらしいと何かで読んで、事実も確認せず、それまで国鉄経由で通っていた通学路を京王線経由に変更し、もしかしたら電車でばったりお会いするかも、といざという時のために会話をシュミレーションした。躁うつ病のせいで、株で大損なさったとかで女性雑誌にもいろいろと登場され、それもちゃんと立ち読みした。北氏の影響でトーマス・マンも読み、文学少女もどきの私には難解でよく分からなかったけど、今思うと後の私のドイツ行きに影響を与えていたのかもしれない。


時は過ぎ、ワカも私のあの時の年に成長。本などめったに開かないのに「どくとるマンボウ航海記」は自ら買って楽しく読んでた。うれしいなぁ。


ありがとうございます、そして残された本に、これからもよろしく。
安らかに、お眠りください。

ランゴ   RANGO

ペットのカメレオン、色ではなく中身を変えながら一人芝居でキャラクター作りに熱心。カメレオン俳優ジョニー・デップ、家ではこうやってそこら中にあるもの使って、密かに役作りしてるのかしら・・・。で、カメレオン君、自らの演技にひとり悦に入っている最中、載せられていた車から水槽ごと砂漠に振り落とされる。

ネーチャーにはなじみのない箱入りカメレオン、西部劇そのままのうらぶれた街にどうにかたどり着く。そこの酒場で「ランゴ」(「ジャンゴ」でない)と名乗り、いい加減なことを言いまくり、すっかり信用した酔っぱらいたちからヒーローに祭り上げられる。そこへ猛禽類の王者、鷹の襲来。ランゴは偶然にも鷹をやっつけてしまったばかりに、街の長老亀から保安官を仰せつかることになる。ミッションは水の確保。街には銀行ならぬ「水行」があり、貯水タンクが尽きかけていた。週に一回の給水日にも蛇口からは一滴の水も出ない。乗りかかった船というよりもそこは変幻自在のカメレオン、ちやほやされて悪い気はせず、保安官になりきり、荒くれ共を引き連れて街に水を取り戻そうと荒野に出る。

マカロニウエスタンが好きな人にはいくつかツボがある。そしてランゴが啓示を受けるガンマン、キラキラ光る人型のトロフィーを持ち歩く・・・、誰がどう見てもあの人はあの大物。劇中の冗談やら水をめぐる政治問題などは大人向けの題材。かと言ってディープなジョークわからないおこちゃまは楽しめないかと言うと、枝葉末節を落としても十分OK。ただ、結構緻密な描写で動物たちが描かれているので、爬虫類やネズミとかが苦手な人はキモチ悪いかも。

モーションキャプチャーで動きを捉えており、擬人化というより人間そのものに見えてくる。ストリーテラーが4羽のカントリーふくろう。歌もよし、間も良し、耳からも楽しめる。ジョニー・デップ、絶好調。

2011年10月25日火曜日

稼働中の原発10/54、その後を思い描いてみる

ほんとーに電力不足かどうかは置いといて、省エネには賛成と節電計画に協力は惜しまなかったつもり。でもね、毎月の電気料金明細票を見ると、事故の後燃料費調整とかで毎月毎月ちびちび電気料金が上がっている。「東電に関する経営・財務調査委員会」の報告書では、過去10年間に電気料金6000億円取り過ぎの可能性を指摘されたのに。


そうして10月もそろそろ終わりに近づき、現在稼働中の原発はなんと10基。
北海道電力 泊3号 未定
東京電力 刈羽5号 2012年3月、6号 2012年4月     
関西電力 美浜2号 12月、高浜2号 11月、3号 2012年3月、大飯2号 11月
中国電力 島根2号 2012年1月
四国電力 伊方2号 2012年1月
九州電力 玄海1号 12月、4号 12月



このままで行くと電力不足になるのかと言うと、環境エネルギー政策研究所(ISEP)によると「原発を再稼動しなくても今冬と来夏の電力は足りる」(最新レポート)。


ちょっと(大分か?)気が早いけれど、運転停止後の原子力施設のことも考えよう。ドイツ西部にワンダーランド・カルカーという遊園地がある。 カルカー高速増殖炉は完成後に一度も運転することなく廃止となり、1995年にオランダの投資家が買収。その後テーマパークとして生まれ代わり、現在では年間約60万人が訪れているという。この、ユーモア!
遠くに見えるのは風力発電機かな?
増殖炉はメリーゴーランド   

2011年10月20日木曜日

ケーテ・コルヴィッツ Käthe Schmidt Kollwitz @ベルリン



昔よく行ったピザ屋さんの近くに大好きな場所がある。ケーテ・コルヴィッツ・ミュージアム。

ケーテ・コルヴィッツ(1967~1945)は帝政ドイツ、第一次世界大戦、ワイマール、ナチスドイツ、第二次世界大戦と、特に女性にとっては受難の時代を生きた芸術家である。戦争で多くの作品が失われてしまったが、素描、彫刻、彫塑、版画等が展示されている。公立ではなく、独立した私立の美術館だ。こじんまりとして、物静かな雰囲気が漂っている。

貧しい農村や労働階級で働く人々、女性達、子ども達、時代に翻弄され苦しい思いをした人々が沢山描かれている。無駄を剥ぎ取ったシンプルな彫刻や力強い輪郭で描かれた版画で表現された人々の姿には、胸を締め付けられる。彼女自身も第一次世界大戦で息子を失い、ナチス時代には弾圧を受ける。

第一次大戦の後に描かれた「戦争反対!」のポスターを見た時、それでも第二次大戦に向かっていった歴史を思い、なんとも言えない虚しさを感じた。同じ過ちを犯さないよう、母はいつの時代も平和の旗手でなくてはいけない。いつの時代も、どこの国でも、何がテーマでも。

美術館入口

庭の裏口

建物の裏庭

中庭に立つ彫刻

館内は撮影禁止。有名な作品をカードで見つけたので2点ほどご紹介。


ピエタ

ドイツの子供たちは飢えている!