2011年11月25日金曜日

コンティジョン Contagion

新種ウイルスの感染爆発。WHO、政府、医師、一般市民、フリージャーナリスト等が様々な行動を起こす。目に見えない恐怖が引き起こしたパニックは、一昨年前の豚インフルエンザや福島原発と重なる。


最後まで他人の心配をする医師、情報を家族に漏らしてしまう博士、自らの体でワクチンの治験を行う研究者、生物兵器を疑う政府関係者、暴動に走る一般市民、一見真っ当な意見をかざし恐怖を煽るフリージャーナリスト。これらが自然破壊を発端にウィルスの驚異は、世界中の異なる公衆衛生、道徳、正義感などが複雑に絡まりながら広がっていく。


マット・デイモン、ケイト・ウィンスレット、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、グィネス・パルトロウ、マリオン・コルテヤールというそうそうたるメンバー、観る前から否が応にも期待が高まる。全員が主役且つちょい役という、ロバート・アルトマン的な手法で見事にまとめたスティーブン・ソダーバーグ監督。グィネス・パルトロウ、まさに「一皮むけた(むかれた)」演技、ウイルスの怖さ倍増。ケイト・ウィンスレット、好きだわ~。ジュード・ロウ、怪しげな奴を演じさせたらピカイチ。何しろ役者が全員いきいきとして、自分のテリトリーを100%表現している。


世の中の仕組みや制度にはそう簡単に白黒付けられない、だからこそ人間としての尊厳、品位が大切なのだ、とつくづく感じた次第。しかしなのだ、この映画を見たあとは吊革つかむのも何となく・・・・。あ、でも人間は雑菌の中で生きているのだからね。正しく理解して、正しく怖がろう。

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