2013年4月24日水曜日

我が家の高校生 その1

高校生ともなると親からあれこれ聞かれて返事をするのはメンドクサイだろうと、あまり質問しないようにしている。とはいえ夕食時に黙ってもくもくと食べるのもかえってわざとらしいので、学校の感想を聞いてみた。

月曜日、
「初めての音楽の授業、どうだった?」
目を輝かせながら、「先生がキレイだった!」

火曜日、
「英語の授業、どうだった?」
満面の笑みを浮かべながら、「先生が美人だった!」

喜々として話してくれるのは嬉しいのだけれど、何となく私が期待している答えと方向が違う~。まずは、今日も明るい食卓。

2013年4月12日金曜日

東京の電車とバス

ワカの学校は最寄駅が複数あり、しかも、副都心線と東横線が相互乗り入れになったことで、通学経路の選択肢が増えてしまった。選択肢が多くて良いではないかと思うかもしれないが、言い換えれば1本で到達できない場所にあるということで、加えて、時間と運賃を比べると正比例どころかしっかりと反比例しているから悩ましい。
最短ルートは相互乗り入れのため乗り換えはたった一回なのに、4社の路線にまたがるので初乗り運賃払いまくり~。最もお安いルートはちょっと遠回りの2回乗り換え、最短ルートより20分程余計に時間がかかる。全ての経路の中で乗り換えも乗車中も楽ちんそうなのが、電車&バス。

登校時は始発停留所から乗車するので時間も読めるし、なにより座って行ける。バス停を降りると学校まで1分、何度か乗ってみたけれど快適、快適。そこでこのルートを第一候補にした。しかし、バスの通学定期が結構なお値段てことが判明。電車だと1ヶ月約2100円のところがなんと7200円、およそ3倍!それを聞いたワカ、「時間かかっても構わないから、一番安いルートで行くよ」。毎日の通勤でげっそりしている私は快適ならしょうがないかと思っていたが、成長したワカの言葉に感心、さすが私の子だ(ええっ??)、よしっ、若者よ早起きして頑張れ。

例えばドイツの都市はゾーンが決まっていて、定期券を購入するとそのゾーン内はバスも地下鉄も路面電車も乗れる。東京の公共交通は便利、安全、清潔、だけど、会社が沢山ありすぎて料金体系が面倒だ。せっかく相互乗り入れで乗車や乗り換え時間が節約できても、運賃が高くなってしまったら通学定期だけでなく、通勤費を支払っている企業にとってもいいことは無い。せめても都営とメトロの運賃一元化を図り、初乗り運賃の負担をなくすべき。九段下の「バカの壁」が撤去されたように、ここは一つ是非、猪瀬さんに公約を実現して欲しいと思っている。

2013年4月10日水曜日

映画ひとこと 3月

2月頭から続いていた咳が治まり始めた3月、桜の便りとともに鼻水とくしゃみに襲われる。せっかく治った咳がまたぶり返してしまった(;_;)。この時期は大晦日@アメ横のような賑わいの耳鼻咽喉科に駆け込む。

お医者さん曰く、鼻カメラでモニターに映った映像を見ながら「典型的なアレルギー症状です。」 とっても忙しいお医者さんは「なんの薬がいいですか?」と患者に聞いてくる。お医者さんと問答する暇もなく、これまた忙しそうな看護婦さんに吸入器の前にとっとと追っ払われてしまった。
お薬は”アレグラ”、眠たくならず、喉も乾かず、ゆっくりと効き目が現れ、鼻水も咳も緩やかに治まる。
3月もあまり体調が優れず血が飛び散るような映画を見る気がしない。というわけで、残念ながら「ジャンゴ」はパスしてしまった。

SAVAGES

オリバーストーン監督。残酷そうなのでオットが予約を入れたとき、上記の理由で気乗りがしなかった。はたして、血も飛び散るし痛そうなシーンが満載だけど、見てよかったのだ、これが! まず、映像がとても美しい。ストーリーがうまく組み立てられていて、過激なシーンもそれほど気にならない。3人の若者は綺麗だし演技も上手だが、なんといってもベニチオ・デル・トロ、サルマ・ハエック、ジョン・トラボルタが強烈すぎて、主役であるはずの若者たちが霞んでしまう。ベテラン3人は完全に役を楽しんでいるようだ。こういうエンディング、トワイライトの最終章でもそうだったけど、流行りなのかな?

クラウド・アトラス

19世紀から文明が崩壊してしまった未来社会までの6つの時代のストーリーが並行して進んでいく。13人の役者が時には特殊メイクを施して、多い人でひとり6役程をこなす。バラバラに進んで行くストーリーがとてもうまくモザイクのように組み合わさり、時代を超えたモラル、というより大きな宗教的な思考に辿りつく。「袖触合うも他生の縁」という考え方が西洋にもあるのか、と思っていたら原作者のディヴィット・ミッチェルは少なからず日本と縁がある。172分、長く感じない。

マスター

ホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン、は本当にコイ、しかし本当に凄い役者だ。顔だけでなく頭の先からつま先まで全てを自由自在に使って演じている。「生きる」とか「信じる」とかが「何である」というよりも「簡単には説明できない」、ということが淡々と描かれている。人間の根底でのつながりは理屈がつけられない、そんな人間関係に嫉妬する妻を演じたエイミー・アダムスもとてもよかった。音楽、映像ともに、何か普遍的なものを感じさせる素晴らしい一篇。

キング・オブ・マンハッタン

原題は「Arbitrage」、邦題は苦肉の策なのだろう。上流階級の人間がスラム街に住む若者に運命を託さざるを得ない、という展開が皮肉。妻は夫の稼ぎをせっせとチャリティーにつぎ込む、金持ちが嫌いな刑事はスラム街の若者を悪気も無く利用する。主人公のような人間ははっきり言って嫌いなタイプだけれど、刑事も意地悪だし、役者対決でティム・ロス(刑事)vsリチャード・ギア(金持ち主人公)だとだんだん主人公に肩入れしたくなってくる。

アンナ・カレーニナ

貴族の虚栄社会を舞台に見立てた素晴らしい演出。アンナは舞台を離れ野外にも出る。なすすべもなく朽ち果てていくだけではないところが今までの解釈と少々違う。しかし、心は自由になったのに、最後まで舞台から降りることができなかったアンナ、一方舞台から降りて夫に付いていくキティ。この対照的な姿は、トルストイの思想を大変わかりやすく映し出し、大変賢い演出だ。
また映画ならではの繊細な表情、手の動きまでを捉えたカメラワークで役者の個性が際立つ。キーラ・ナイトレイが輝くような美しさ。我が家の男衆絶賛。ジュード・ロウは完全に年配の役、自分の持つ色気を抑えるのも役者の仕事、最後の草原に身を置く姿が美しく、普通抱くアンナの夫のイメージと少々違う。あらすじがわかっているだけに、そのあわれな「アンナ・カレーニナ」を見るのは気が進まなかったが、こんな素晴らしい「戯曲」が見られるとは思っても見なかった。もう一度見たい。

2013年4月5日金曜日

東横線渋谷駅 その後

東横線が副都心線に乗り入れて初めての月曜日、さぞかし渋谷駅はコンランしているのではないかと、少々早めに家を出た。適当な車両に乗り、渋谷駅で降りる。人の波がぎこちない、というかとまどう羊の群れのようだ。一番近くの階段であれよあれよと言う間に駅員さんに誘導され、エスカレーターに乗らされる。エスカレーターを上がると、おそらくメトロの駅員さんだと思うが、人間の鎖を作って立っている。駅員さんいつにもましてテンション高い。何かが乗り移ったようで、ちょっとコワかった。一斉に張り合うように声を上げて叫ぶので、何を言っているのかわからないし、そこに放送の声もかぶさり、さながら青物市場(行ったことないけど)のようだ。羊さんたちは追い立てられるように階段をのぼらされ半蔵門のホームに。あさっての方向に行ってしまうこともなかったけれど、大回りさせられたような気分。しかし、おやおや?降車駅にはいつもより早く到着している。思いっきり文句を言うつもりだったのに拍子抜け。

さて、帰宅。渋谷駅東横線ホームは4車線から2車線になり、今度こそはさぞや混雑しているだろうと思いきや、それほどでもない。始発駅ではなくなったので座って帰ることもできなくなるな、と思ったらなんと各駅電車はガラガラで到着、みんなどこに行っちゃったのだろう。電車の運行そのものには関係ないが、帰宅しても何となくしっくりこない日がしばらく続いた。「一体どこから電車に乗ってきたんだっけ?」というモヤモヤした感覚だ。地上の渋谷駅でのいつもの乗り換えではないので、何か空間がずれたような・・・。たいした出来事ではないのに、習慣化された行動が意識に与える影響っておもしろい。

そして約半月が経ち相互乗り入れは、プラマイゼロといったところか。まずプラス、乗り換え時間が短縮されたこと。それから、渋谷駅で出口が増え、通勤客が各車両に分散、かつ、特急が10両編成になり輸送量が増え、混雑がすこ~し(ホンのすこしよ!)緩和されたこと。ただしこれは東横線から半蔵門線に乗り換えの場合のみ、JR、銀座線、井の頭線、バスに乗り換えの方たちは絶対違うと思う。
マイナスは駅の狭さ。せっかく深~く掘ったのに、どうしてもう少し広くしなかったのか。ホームも狭いし乗り換えの階段も狭い。地震や火事が起きたら、なんて、想像するのもコワイくらいだ。まあ、銀座線の渋谷駅も狭いことは狭いけれどね。

帰宅途中に「渋谷で買い物」って気分は皆無。お財布にはプラスだけど、いざと言う時にとても便利だった「東横のれん街」はもう便利ではなくなっちゃった。しかもマークシティへ引っ越してますます遠のいてしまった。地下5階は思いのほか地上から遠い。

2013年4月1日月曜日

映画ひとこと 2月

1月の終わり、発熱、関節の痛み、食欲不振で沈没。やっと起き上がれるようになってからクリニックに行くと、「インフルエンザかも」と言われる。発熱後48時間とっくに過ぎているので、検査せず咳止めの薬だけ処方してもらう。新型の時と同じでそれからが大変、咳が全然止まらない。涙目になりながらクリニックに行くと「喘息になったことありますか?」。「小児喘息はありますけれど、そんなの関係ないですよね。」「いや、あるんですよ。咳が止まりにくい」。ということで、2月前半は咳に悩まされクラ~イ冬を送ってしまう。
そんなこんなで、2月後半追い込みでガガガっと観た映画。

アルバート氏の人生

アルバート氏の人生

階層社会の中で弱い立場の人々、その中でもっと弱い立場が女性。女優としてアルバートを演じることは役者冥利につきるであろう。グレン・クローズの技量に目が行ってしまい、物語に普遍性を感じることができなかったのは、私の想像力が欠けていたからか・・・?

テッド

珍しくTVCMまで流し、かなり前から宣伝していた。日本サイドの配給会社は試写をせずに、”しゃべる熊さん”はかわいいもの好きの日本人にウケると思っていたのじゃないだろうか。日本語に訳せないスラングの連発はまだしも、ドラッグになるとちょっと~!いくつかは笑えたけれど、日本人には厳しいネタ、ジョークのオンパレード。

マリーゴールドホテル出会いましょう

マリーゴールドホテル出会いましょう
期待していなかったのに、とっても面白くてかなり得した気分。イギリス人俳優は本当に素晴らしい。年配といいますか貫禄があるといいますか、あのジュディ・ディンチが見せる繊細な美しい表情、女の私でも彼女に恋する男性の気持ちがわかるくらい。近い将来、日本のリタイア組も母国を離れ、このようになるのだろう、いや、もうなっているのかな。異文化間というより世代間の違いを見つめ直さないといけないと思った次第。



ムーライズ・キングダム

ムーンライズキングダム
動く絵画のような大変美しい映画。デッドアングルがひとつも無く、どのコマをとっても絵になる。全てが計算され尽くしていて、それでいて重たくない。パーセルの曲をモチーフにした「青少年のための管弦楽入門」、まさにこの曲のように人間関係がかぶさっていく。最後にはオリジナルの曲、これもとてもいい。アクションスターのイメージが強いけれど、ぼやっとした人物をさせると右に出る人はいないブルース・ウィルス。エドワードノートンは地でいっているのか?
もう一回観たい。

ライフオブパイ


トラと漂流というとどんな話になるのだろうとおもっていたら、なんとすばらしい・・・。アン・リー監督は私のもっとも好きな監督の一人だ。映像がこの上なく美しいのはもちろんのこと、ここまで映し出すことができる監督のイマジネーション、洞察力、思慮深さ、謙虚さに脱帽だ。自然と生命が織り成す雄大な歴史を感じる。イソップ物語であったり、民話であったり、さまざまなメタファーをもって人間は哲学を語ってきた。現実を見据え、俯瞰的な視点をもつことのすばらしさ。

ゼロ・ダーク・サーティ

ゼロ・ダーク・サーティ
こういうのを骨太というのだろう。キャスリン・ビグロー監督の境界線を心得た映像は、くどすぎず説得感がある。拷問や自爆テロより恐ろしいのは、クライマックスでのビン・ラーディンの捜索シーン。暗い室内を特殊部隊の隊員の目で動き回るカメラ、まるでゲームの世界だ。最後に主人公が流した涙の意味、これをいかに観客が読み取るか。なんのために多くの人たちの血が流れるのか、虚しいばかりである。かなりオススメの一作。

世界に一つのプレイブック

世界に一つのプレイブック

一つずつずれたボタンをかけ直すのは、難しくないけれど少々面倒。心や人間関係を立て直す日常生活、最初は全てがチグハグなのに、パタパタと丸く収まっていく様子は見ていて楽しい。アカデミー賞作品賞にノミネートされるほどかな?とは思いつつも、ほろ苦いユーモアに苦笑い。選曲がいい。「ハンガーゲーム」の彼女はまだ若いのに堂々としたもの。




バチェロレッテ

バチェロレッテ

ドタバタ・・・