2011年11月30日水曜日

CHEMEXコーヒーメーカー

MoMA(ニューヨーク近代美術館 )のパーマネントコレクションとしても知られたCHEMEXコーヒーメーカー。遡ること4,5年前、70年代人気のあったメアリー・タイラー・ムーア・ショウのDVDを見ていたオット、小道具の中にCHEMEXを見つけた。カッコイイから欲しいと言うので誕生日に贈った。しかし、はっきり言って、いれたコーヒーが全然美味しく無い。以来、ドライフラワーが1本さされた状態で台所のオブジェと化してしまった。


先日、近くのカフェでCHEMEXのワークショップのお知らせを見つけ、参加することに。初心者、そこで物理的に大切なモノに気づく。コーヒーメーカーとペーパー意外に、お湯を注ぐための注ぎ口の細いポットがいるのだ。・・・ヤカンからドバっと注いでいたんじゃ、ダメだったのだなぁ。


お湯を注ぐときに挽いたコーヒー豆に穴を開けてはいけなくて、これが意外に難しい。上手にお湯を注ぐと豆の上にこんもりと泡が立つ。その泡が消えないうちにお湯を注ぎ足していく。そのときペーパーに直接お湯が当たらないように気をつける。豆を通さずお湯が下に落ちるのでコクが出ない。こんな難しいことをさっさとこなす電気コーヒーメーカーというのは、結構賢いのだと感心した。写真に写っているポットは野田琺瑯社製「月兎印」のホーローポット。青いのは新色だって聞いた。


4人の参加者がいれたコーヒーを少しずつ味見。驚いたのは全く同じ条件で作ったにもかかわらず、全員味が違ったこと。二回目にいれたコーヒーは、コーヒーカップでいただく。なんとカフェの特製ケーキが登場。嬉しかったなぁ。ためになって、楽しくって、美味しい休日の朝。若くてカワイイ女子とも知り合いになれたし。あとは、練習あるのみ。


半世紀ほど前ドイツ人科学者Schlumbohmが、毎日ビーカーでコーヒーを作って飲んでいたところ、「なんだ、いけるじゃないか」ということになって、アメリカに渡り商品化したそうだ。イームズ夫妻も愛用していたという。

2011年11月28日月曜日

第一待降節  1st Advent


今年の我が家の
アドヴェントクランツ
昨日はクリスマス4週間前の日曜日、第一アドヴェント。今年はクリスマスが日曜日なのでアドヴェントが長い。毎年第一アドヴェントの前日の土曜日に、五反田にあるドイツ語福音教会で、クリスマスバザーが開かれる。ドイツの郷土料理の屋台が並び、クリスマスのお菓子のお店が出て、和洋折衷のこじんまりとした教会とその中庭は人でいっぱいになる。

昨年は教会が改築工事で会場が横浜のドイツ学園。一昨年と比べると、中庭が整備されたからかもしれないけれど、何となく人出が少ないような気がする。3月の地震のあと、日本に戻ってこないドイツ人が結構いると聞く。それでも小さい子供連れの家族が来ているところを見ると、東京に戻ってきている人もいるのは確か。教会では東北への募金も行われていた。

それにしても、今年はアラブ諸国、ヨーロッパ、タイ等等、世界中が大変な年だった。せめても年の瀬は穏やかに過ごせますように・・・。

教会の中はカフェ、
手作りのケーキが美味しい

グリューワイン(ホットワイン)
教会の名前が入ったカップで

2011年11月25日金曜日

コンティジョン Contagion

新種ウイルスの感染爆発。WHO、政府、医師、一般市民、フリージャーナリスト等が様々な行動を起こす。目に見えない恐怖が引き起こしたパニックは、一昨年前の豚インフルエンザや福島原発と重なる。


最後まで他人の心配をする医師、情報を家族に漏らしてしまう博士、自らの体でワクチンの治験を行う研究者、生物兵器を疑う政府関係者、暴動に走る一般市民、一見真っ当な意見をかざし恐怖を煽るフリージャーナリスト。これらが自然破壊を発端にウィルスの驚異は、世界中の異なる公衆衛生、道徳、正義感などが複雑に絡まりながら広がっていく。


マット・デイモン、ケイト・ウィンスレット、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、グィネス・パルトロウ、マリオン・コルテヤールというそうそうたるメンバー、観る前から否が応にも期待が高まる。全員が主役且つちょい役という、ロバート・アルトマン的な手法で見事にまとめたスティーブン・ソダーバーグ監督。グィネス・パルトロウ、まさに「一皮むけた(むかれた)」演技、ウイルスの怖さ倍増。ケイト・ウィンスレット、好きだわ~。ジュード・ロウ、怪しげな奴を演じさせたらピカイチ。何しろ役者が全員いきいきとして、自分のテリトリーを100%表現している。


世の中の仕組みや制度にはそう簡単に白黒付けられない、だからこそ人間としての尊厳、品位が大切なのだ、とつくづく感じた次第。しかしなのだ、この映画を見たあとは吊革つかむのも何となく・・・・。あ、でも人間は雑菌の中で生きているのだからね。正しく理解して、正しく怖がろう。

2011年11月24日木曜日

マネーボール  Moneyball

ブラピ、素敵よ
ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、アスレチックスのゼネラルマネージャー。球団の予算はヤンキーズと桁違い、頼みの綱の選手は高い年俸で引き抜かれてしまった。来季の戦力に頭を痛めるビリーは、野球が好きでデータ分析が大好きなオタク、ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)と出会う。スター選手に頼るのではなく、データをもとに個々の選手を適材適所におく戦術に切り替える。これが“マネーボール理論”と呼ばれれその心は“低予算でいかに強いチームを作り上げるか”。しかし、古株のスカウト、アート・ハウ監督(フィリップ・シーモア・ホフマン)らの反発、短気で少々無礼な彼の性格から来る問題もあるのだろう、なかなかうまくいかない。


有名選手に払う高額な金額はOKでも、無名選手や故障選手はどんなに安くてもNO。評価はお金では無いなんてこと誰でも分かっているけれど、そこに縛られるのが人間。選手以外のところで動く莫大なお金。シリーズ後、レッドソックスのオーナーがビリーに言う「新しいことをしようとすると、既得権をもった人は保身のために必ず反発する。君がやったことは必要なことだった。」ちゃんと見ている人は見ているのだ。これぞブレイクスルー物語。


もちろん生身の人間をデータに置き換えることに対しての弊害はあるだろうし、年俸は安いよりも高いほうが選手のモチベーションになるだろう。実際ビリーは人情に厚いわけでもなく、思ったようにいかない選手をあっさりクビにしてしまう。野球チームが強くなる王道などはないのだ。それが証拠に永久に勝ち続けるチームなど存在しない。誰にもうたれない球を投げるピッチャーがいれば話は別だけれど・・・。しかしスター選手がいなくとも、全員の長所を生かし他の人間で欠けているところを補うことで勝てる、そんな集団スポーツの醍醐味を見ることができるとうれしい。


ビリーは自分の信じた道をただひた走る。スポ根時代に育った私には、彼が特別のことをしているようにも見えない。ただ体制に反して戦っていることに共感。そして、この映画がサクセスストーリーではなく、未だ続いている挑戦への第一歩という位置づけであることに好感。


私の好きなフィリップ・シーモア・ホフマンのカップクの良さといったら・・・、ちょいと心配。スゴ~ク久しぶりにロビン・ライト(”ペン”がもう無い)登場、綺麗。「ブラザース・アンド・シスターズ」のサラの娘ペイジ役のKerris Dorseyが、ブラピの娘役で登場。ギターの弾き語りがとってもキュート!将来が楽しみだわ。

2011年11月22日火曜日

手のひらを太陽に

先週の木曜日勤め先に父からの電話、母が倒れて救急車を呼んだとのこと。搬送先のクリニックにあわてて駆けつける。救急車はクリニックに待機、今考えると救急救命士には再度搬送されるであろうことが分かるくらいの状態だった。クリニックでCTスキャンをし、そのCDロムを持たされ、待機していた救急車に乗せられて病院へ。救急外来で「心筋梗塞」のため緊急手術をするので、入院手続きを取るようにと告げられる。びっくり。


手術は足の動脈からカテーテルと通すというもので、約30分。その後CCU(Coronary Care Unit :冠疾患集中治療室)に入院。あれよあれよと言う間の出来事だった。発病から約7時間、やっと、担当医からの話を聞くことになる。心筋梗塞に関してはネットで調べればいくらでも出てくるので言及は避けるけれども、三分の一の人が病院にたどり着くまでに亡くなってしまうという大変コワイ病気であること、発症後24時間には心臓破裂、心不全、肺水腫等など生死にかかわる問題が起こること、母は壊死の部分が大きいため重症であることなどを告げられ、家族一同顔面蒼白。


しかし、発症時ひとりではなかったこと、救急車が来るまで消防士さんが手当てしてくれ、長く待たされることなく救急車が到着、電話で何箇所か病院に断られたらしいが、たらいまわしにされることなくクリニックに搬送、そのクリニックに循環器専門病院の提携先が4箇所もあり、発症後3時間で手術に持ち込めたことなど幸運が重なり、一命を取り留めた。


一時は覚悟を決めた私達をよそに、母は翌日からは食事を取ることが出来るようになり、4日後の今日には歩けるようになった。私と妹は担当医の先生に「心臓に毛が生えてなかったか」と聞いてしまった。70を過ぎた今でもトレーニング指導士として仕事をしていたという体力も功を奏したのかもしれない。


そんなこんなでここ数日私の頭の中にずっと流れている歌、
ボークらはみんな生~きている・・・


消防士、救急救命士、クリニックの先生、担当医の先生、看護士の皆さん、なんと多くの人にお世話になったことか。考えてみたら、製薬会社、医療機器会社、びっくりするくらい多くの人がかかわっているのだ。本当に感謝の気持でいっぱいである。


さて、母はあんなに痛い思いをして、両足両手と針を差し込まれ身動きが出来なかったのに、「いい経験をしたわ」と晴れ晴れとした表情。担当医の先生が若くてハンサムなので携帯で写真を撮り、「孫とムコの次に大切な人よ!」(父はどこに・・・)。


そして私がこの5日間学んだこと、悪玉コレステロール(LDL)には気をつけること。母は倒れる2週間前に検診を受けており、コレステロールの値以外は何の問題もなかった。LDLコレステロール  は140未満が正常値、母が検診を受けたクリニックでは160をこえると薬を処方する。その時点で母の値は158(ビミョー!)、薬は副作用もあるのでとりあえず見送りましょうということになっていたらしい。


TVや雑誌でなんとなく解ってはいても、健康な人ほど予兆を見逃す。梗塞を起こした心臓や脳は壊死してしまうので再生されることはない。そうなる前に、是非予防をして欲しいとこのブログを読んでいる方にお伝えしたいと思った。

2011年11月15日火曜日

2011年11月14日月曜日

インモータルズ  IMMORTALS

神話の時代のギリシャ、全能神ゼウス(ルーク・エヴァンス)は老人に姿を変えて、地上の人間たちを見守ってきた。そこに冷血な神の存在をも否定するワルもん、ハイペリオン(ミッキー・ローク)が現れ、ギリシャを征服しようと残虐な行為を繰り返す。ゼウスは人間の世界の揉め事には手を出さず、奴隷の若者テセウス(ヘンリー・カヴィル:ハンサムです)に人間の将来を託そうとする。しかしハイペリオンの仁義なき戦いは、やがて封印されていた神の世界の戦いまでもを呼び覚ましてしまう。


R15なのはなんでかと思ったら、なるほど「スクリーム」ギリシャ神話版・・・。ドバッ、グサッ、っとマンガの効果音が聞こえてきそうな場面満載。人物描写もテセウスが主人公だと思うけど、もしかしたらハイペリオンが主人公か?と思えたり、いや、ゼウスが中心人物かもしれない、と活躍ぶりと登場時間の配分がイマイチ。スティーブン・ドーフなどは何をするか期待したまま、最後はどうなったっけか。だって、あまりの人の多さに動体視力が追いつかないんだもん。フリーダ・ピントは重要な役回りそうだけど、それほど予知能力は当たらないし、ヴァージンしか能力が発揮できないのに・・・、あれれ?と思いつつ、最後の最後にやっとその大切な役割が分かった。とにかく全体的にバランバラン。


しかし、映像の面白さ、俳優の美しさ、衣装の優雅さだけで2時間引っ張る、というのはそれはそれでスゴイ映画だ。今、大変なことになっているギリシャに、神様がドッシーン(神様は意外と重い、下の動画参照)と現れてくれたらいいのにね。


2011年11月11日金曜日

由紀さおり


夜明けのスキャット」の由紀さおりアルバム 米、カナダで次々1位と世界的ヒットの快挙

だそう。
そういえば、整形外科の先生が手術をしたら一番美人になる有名人は由紀さおりさん!、と言っていたのをむか~し聞いたことある?当時は例えば浅岡ルリ子さんのような、ぱっちりしたタイプの人が子供ながらに美しいと思っていた。ドリフでおもしいろいお姉さん、っていう印象はあったけれど。でも今当時の由紀さおりさんをみると、美シイ・・・。

「生きがい」っていう歌、好きだったなぁ。
それにしても凄いことだ。元気が出る。おめでとうございます!

2011年11月10日木曜日

ASHIMO

絶対、人がはいってる・・。抜き足差足で袴を着せたら似合いそう。
握手したくっても避けられちゃうのかな。

2011年11月7日月曜日

フェア・ゲーム  Fair Game

CIAエージェントのヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)は調査の結果、イラクには核開発の事実も余力も無いと、CIA幹部に報告を上げていた。さらに多角的に判断する為、ウランの売買、流通からも大量破壊兵器製造の可能性を調べるため、CIAは元ニジェール大使のヴァレリーの夫ジョー(ショーン・ペン)に調査を依頼する。現地に赴き大量ウランの売買の事実がないことを確認し、彼もまたイラクで核開発の事実がないという報告書を提出する。


にもかかわらず、大量破壊兵器の存在を理由に政府はイラクに宣戦布告、それに激怒したジョーはNYタイムズに自分の作成した報告書を寄稿する。それを良く思わないアメリカ政府(副大統領筋は)、ジョーが大量破壊兵器の存在を否定する報告書を書いたのはCIAの妻がまとめた報告書の裏付けのために個人的に頼まれたためであり、また、このような状況でイラクを弁護するのは反愛国者であるとマスコミに報道させる。そしてヴァレリーは、本来ならば決して明かされることのないCIAエージェントとしての身元をジャーナリストにリークされ、世間に暴露されてしまう。(詳しくはこちらが参考になる 村上博美@JMM

マスコミの報道は、大量破壊兵器が有ると信じる人=愛国者、大量破壊兵器は無いと主張する人=反愛国者、という構図を作り上げ、イラク戦争の大義となった大量破壊兵器の有無から、問題のすり代わりが起きてしまう。政府(副大統領)の夫妻への反応は、以前認知的不協和について書いたけれど、まさしくそれ。

激しい報復を受けた夫妻はもちろんお気の毒だけれど、なんの罪もないイラク市民が爆撃の中、身をひそめる姿はもっと悲惨だ。かの地では今もまだ多くの問題を抱え、人々の命が失われていることを考えると胸が痛い。今では日本でほとんどイラクに関しての報道を見ることはないが、日本の時の総理が事実確認の前に、まっ先にイラク攻撃に賛同したことを忘れてはいけない。時間も距離もはるかかなたの出来事だけど事実は消えないし、その事実は今も見えないところで糸を引っ張り合っているだろう。

ヴァレリー・プレイムご本人
この映画の正確性についてはいろいろ論議があるところだけれど、「グリーンゾーン」も含めほんの数年前の出来事を映画化したことには舌を巻く。ショーン・ペンはこういう役どころ、きっと大好きに違いない。ナオミ・ワッツも本当のスパイはこんなふうなのだな、と思わせる才色兼備さをさらりと体現。
そして、本物のヴァレリー・プレイムさんは美しい人だ。やっぱりいるのだ、美しすぎるスパイ。

2011年11月5日土曜日

ミッション:8ミニッツ Source Code

シカゴで乗客が全員死亡する列車爆破事故が起こり、事件を解明すべく政府の極秘ミッションが始動。爆破犠牲者が死亡する8分前の意識に入り込み、犯人を見つけ出すという。その任務に、アフガニスタンで従軍するスティーヴンス(ジェイク・ギレンホール)が選ばれる。限られた時間の中ではそう簡単には犯人は見つけられない。そのため何度も8分間の任務を繰り返す事になる。しかし、スティーヴンスは指令側の奥歯にものの挟まったような物言い、自分の時間や記憶のつじつまが合わないことに疑問を抱き始める。


監督ダンカン・ジョーンズの一作目「月に囚われた男」と同様、主人公は隔離された中で仕事をしているが、自分の置かれている状況に疑問を持ち始め、残された時間が少ない事が分かる。しかし、最後まであきらめず、限られた時間の中でぎりぎりまで力を尽くす。生きたい、という人間の本能が描かれている。


スティーヴンスはこの8分の短い時間の中で、任務と恋の二兎を追う。スパイものと違い色気を出している暇はないが、目の前の美しい人が任務遂行の重要なモチベーションになっている事はたしか。しかし、たった8分とはいえ積み重ねていくと、時間の使い方はどんどん効率的になっていく。特に自分がどんな状況に置かれているかが分かってからは、優先順位がクリアーになる。これはみていて気持ちがいい。


自分がいる場所は真っ暗で狭いし、電車に戻れば撃たれ、殴られ、轢かれ、爆発でとばされの、過酷な世界を行ったり来たり。しかし「過去が変えられる」という主人公の気づきが、映画全体に希望という明るいトーンを与えてくれる。そしてラストは、私みたいなハッピーエンドが好きな観客にもそれなりに満足できる、上質な娯楽性をも兼ね備えた映画と言える。ツジツマが合っているような、いないような、私の頭ではよくわからないところもある。ホーキング博士の宇宙論、劇中ちらりとスティーヴンスが言及する量子物理学、これらが分かっていれば、もっと堪能できたかも。


出演者のイチオシは、軍服姿のグットウィン大尉(ヴァラ・ファーミガ)。勇気のある美人は、カッコイイしセクシー。


今ひとつなのは、邦題。原題の”ソースコード”の意味は、
人間がプログラミング言語を用いて記述したコンピュタープログラム。そのままではコンピュー上で実行することはできないため、コンバイラなどのソフトウェアを用いてオブジェクトコードなどのコンピュータの理解できる形式に変換され、実行される。」
・・・よくわからないけれど、映画見ると何となくわかる。題名が変わると映画の解釈も変わってしまうと思うのだが。

2011年11月4日金曜日

カワウソの奮闘

ゴミが、は、入らない・・・。一生懸命なんだか、もしかしたら遊んでいるのか。
手を貸そうとしても自分でやろうとしている姿が、なんともカワイイ。

皆様、良い週末を・・・。

2011年11月1日火曜日

ウインターズボーン Winter's Bone

こーんなさみしいところがあるのかと思わせる、アメリカ中西部の森の中の貧しい田舎町。父は疾走、母は精神を病み、3度の食事にも窮している一家。17歳の少女リーは、幼い弟妹を養うため、一家の大黒柱として懸命に生活を切り盛りしている。そんなとき保安官がやってきて、父は家や森などの不動産を保釈金の担保にしており、本人が出頭しない限りすぐにでも家を出ていかなくてはならないことを告げる。生きているにせよ死んでいるにせよ父親を見つけないことには、路頭に迷ってしまう。しかし、親族はじめ村人たちには父親の存在はタブーであるようだ。容赦なくリーを追い払う人々、傷つきながらも幼い弟妹のために危ない世界に足を踏み入れるリー。しかし彼女の一途な勇気はそんな暗闇の人々をも動かし始める。


17才とは怖いもの知らずでまっすぐで、処世術を身につけるにはまだ早い。悪事には手を染められないが、軍隊であればと志願する。貧困の犠牲になるのは若者である。しかしその軍隊にさえ、年齢と家庭環境ゆえに入隊を断られてしまう。彼女にとってはどちらも戦場。


狩猟で捉えたリスの捌き方を幼い弟に教えるリー。リスのお腹に手を入れるのを嫌がる弟に、世の中はもっと厳しいことがたくさんあると叱咤する。その言葉が予言のように暗い水辺で彼女の身に降りかかる。じぶんが弟に諭した以上に世の大人たちは厳しく容赦ない。せっかく助けてもらっても、その乾いて蕭然とした情けには身の毛もよだつ。


保釈金問題が解決してもリー一家の生活が良くなるわけではない。しかし、修羅場をくぐったあとのあの穏やかな安らぎは、未来に希望さえ感じさせる。そして、逆境に立ち向かうリー屈強な精神と聡明さが救いだ。


サンダンス映画祭でグランプリを獲得。甘い所のない摂氏以下の映画。主役のジェニファー・ローレンス、注目。