2010年8月19日木曜日

ゾンビランド

監督、ルーベン・フライシャー

感染した者が”人食いゾンビ”と化す謎の新型ウィルスが全世界に蔓延。アメリカはまさに「ゾンビランド」となってい た。主人公は胃腸が弱いオタクで引きこもり気味の青年(ジェシー・アイゼンバーグ)。それでも32のMYルールを厳守することにより、ゾンビの世界で生き残ってきた。ゾンビ退治に血眼になるタラハシー(ウディ・ハレルソン)、 ウィチタ(エマ・ストーン)とリトルロック(アビゲイル・ブレスリン)という美人詐欺(鷺じゃない)姉妹と出会い、一緒に旅をすることになる。

コメディーと分かっていても、のっけからゾンビが人間をガブ~っとするシーンはキモチワルく、ちょっと失敗したかなと思った。しかし、その内臓ドバ~ッにも、あっという間に慣れる。その誇張されたゾンビの”食事風景”がサム・ペキンパーばりのスローモーションで映されるのが、おおげさでわざとらしくほどなく笑いのツボに。私でこうだから大抵の人は大丈夫と思う。

さて、主人公が厳守している32のルールには、
  • Cardio  有酸素運動(ゾンビが疲れるまで走って逃げる)
  • Beware of Bathrooms  トイレの中は気をつける(リラックスできるところで気を抜かない)
  • Seatbelts シートベルトをする
  • Don't/Do Be A Hero  ヒーローになるな(いいかっこしてゾンビに立ち向かうな)
  • When in Doubt, Know Your Way Out  不審と思ったら出口を確保
  • Check the Backseats  バックシートを点検
  • Enjoy the Little Things  ちいさなことを楽しもう
などなど、フツーの人生でも役に立ちそうなことばかり。このルールがエピソードごとに小気味よく映画にリズムを作ってくれる。

手足が飛び散り頭もつぶれゾンビが撃たれまくりのおどろおどろしい世界なのに、見終わった感想は「家族の愛情と友情いっぱいの青春映画」。あの悪趣味とさわやかさが「絶叫計画」(あれはあれで笑えるけど)のように落ちまくらない、映画好きギャクでたくさん笑わせてくれる。

そして、シツコイのに大笑いできるビル・マーレイ。さすが。

2 件のコメント:

  1. Toshi2010年8月20日 20:38

    Angelaさん、こんばんは~。私も今日駆け込みで行ってきました『ゾンビランド』。明日からはレイトショーになってしまうので、今日が最終日みたいなもの?
    この映画館、(初めてだった)縦長のちょっといびつな座席配列をしていましたが、この縦長配列が今は無き新宿パレス座に似ているような感じがして、感慨深いものがありました。パレス座は、私がジョージ・A・ロメロ(ダリオ・アルジェんト監修版)の『ゾンビ』を繰り返し観た映画館だったんです。またパレス座は、B級映画と成人映画(「にっかつ」ではなくて洋物と呼ばれた洋画)の二本立てを交互に上映していた不思議な名画座で、次週放映が『アネット・ヘブンの~ワールド』というポルノ映画でした(もう一本は忘れた)。まだ高校生だった私に、ヘッドショットの血しぶきとアネット姉さんの恍惚顔(予告編しか当然見られなかったわけですが、主題曲を覚えてます)は、実に刺激的な大人への?通過儀礼になったのでした。
    というわけで、主人公のコロンバスのようにゾンビ映画で青春を謳歌した人が確かにここに一人いたわけです。その意味では、初恋のような映画でした。あの頃『ゾンビランド』を観たら、間違いなくウチィタに恋しただろうな~、今日もキュンとなりました。ごめんなさい、自分のブログに書くべきことをコメントしちゃいました…。

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  2. Toshiさん、こんばんは。大変良質なコメディーでしたね。欲を言えばもう少しでいいから大きな画面で見たかったです。

    私は中学高校生のときは渋谷、三軒茶屋、自由が丘あたりの名画座に通ってました。学生は350円で2本立て、画面に雨が降り、途中でブツリと切れてしまっても文句も言わずに待つ観客、敗れたシートから飛び出したばねでスカートにかぎ裂きつくってもなんのその、でした。「ロッキーホラーショー」「トミー」(他の作品は忘れましたが)などなどオールナイトで見たときは、夢と現の間を行ったり来たり・・。映画館で映画を見るってホントに楽しいです。

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