昔よく行ったピザ屋さんの近くに大好きな場所がある。ケーテ・コルヴィッツ・ミュージアム。
ケーテ・コルヴィッツ(1967~1945)は帝政ドイツ、第一次世界大戦、ワイマール、ナチスドイツ、第二次世界大戦と、特に女性にとっては受難の時代を生きた芸術家である。戦争で多くの作品が失われてしまったが、素描、彫刻、彫塑、版画等が展示されている。公立ではなく、独立した私立の美術館だ。こじんまりとして、物静かな雰囲気が漂っている。
貧しい農村や労働階級で働く人々、女性達、子ども達、時代に翻弄され苦しい思いをした人々が沢山描かれている。無駄を剥ぎ取ったシンプルな彫刻や力強い輪郭で描かれた版画で表現された人々の姿には、胸を締め付けられる。彼女自身も第一次世界大戦で息子を失い、ナチス時代には弾圧を受ける。
第一次大戦の後に描かれた「戦争反対!」のポスターを見た時、それでも第二次大戦に向かっていった歴史を思い、なんとも言えない虚しさを感じた。同じ過ちを犯さないよう、母はいつの時代も平和の旗手でなくてはいけない。いつの時代も、どこの国でも、何がテーマでも。
美術館入口 |
庭の裏口 |
建物の裏庭 |
中庭に立つ彫刻 |
館内は撮影禁止。有名な作品をカードで見つけたので2点ほどご紹介。
ピエタ |
ドイツの子供たちは飢えている! |
知りませんでした。ケーテ・コルヴィッツ。
返信削除これほど心を打つ『ピエタ』は見た事がありません。
ミケランジェロのピエタは本当に美しかったけれど、胸をえぐるような悲しみは伝わってきませんでした。
子どもたちの絵も作者の思いが痛いほど伝わってきます。本物の前でははるかに多くの事が感じられたことでしょう。
日本でも紹介されるといいですね。
画集でもいいから見ていみたいです。
悲しいだけでなく、訴える力は相当なものがあります。私は読んでいないのですが日本で本も出ているようですし、展覧会もあったようです。
返信削除展示物ももちろんですが、美術館そのものもいいです。このあたりには素敵な建物が沢山あり、散歩にはもってこい。