「フリーダ」の監督ジュリー・テイモアの作品。
ベトナム戦争、学生運動の60年代アメリカをビートルズナンバーで綴っている。さすがブロードウェイの舞台監督、選曲・振り付けが一味違う。主人公はJude、恋人はLucy、もう頭の中でビートルズが流れ始めたでしょ?Jude は閉鎖的で裕福とはいえない社会環境で、シングルマザーに育てられたイギリス人。アメリカ人の父親を探しに渡米する。そこで知り合った友人(”ソウルメイト”と言わせていただく)を通して、裕福と自由が生み出した矛盾の60年代に生活し、絵を描き始める。
彼の故郷にはない多種多様の民族・文化・思想、そしてある意味単純なアメリカ社会に、イギリス人は入り込めずにいる。一歩はなれて社会を見て、そして人に歩み寄る。決して傍観者ではない主人公。ビートルズの屋上コンサートを思わせる最後のシーンは、こみ上げるものが押えられなかった。血の通った個人のつながりは、深ければ深くなるほど傷つくけれど、その先に必ず何かが待っている。そしてその全ての気持ちを音楽にした”ビートルズ”は、時代を国境を越えて普遍的存在なのだ、とこの映画で今更ながらまた念を押された。
ジョー・コッカー、ボノ、セルマ・ハヤックなどがちらりと出ていて、細部までスパイスが効いている。
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