ドアの向こうのヒトをモノにしようと、夕日を味方に付けて部屋に入った紅子さんであったが、やっぱし、若い地元の先客がいた。彼の名は京。彼はゲンキンにも若い娘をさっさと追い返して、紅子さんを大胆にもベットに押し倒したまではいいけれど、お金の話などでなんだかウヤムヤになり、ふたりでお酒を飲みに出ることになった。
「京さんお見通しのように、わたし、京さんを欲しいと思って、それでアパートまでいったんだけど、(そんなにすぐ言っちゃっちゃあだめよ。)京さんとセックスしても、そんなことで京さんを手に入れたことにはならないって、解ってきたわけで・・・」
アルコールが身体に入ると、頭脳の血の巡りも良くなるのだろうか。(いや、そんなことはないと思う)言葉にしながら、わたしはわたしが感じていたことを、ひとつひとつ確認していく。
「ああ、なるほど。」と京は、私の言葉を咀嚼している。(咀嚼するほどの話でもないと・・)お酒で濁り始めた眼は、」遠い場所を泳いでいる。(ほら、もう目も泳いじゃっているようだし)
(中略)
(京)「・・・、とりあえず、そういう関係になっておいて、この男がはたして、それだけの価値があるかどうかを、ゆっくり考えてみればいい。それで何か、損はありますか?」わずかな身構えもない、素直なまなざし。(ついさっきはお酒で濁っていたはずなんじゃ・・)植物の茎を向いたような、生々しい美しさがある。(いったい何の植物であろうか、フキか、ウドか?)
「私が若い未婚の女性だったら、そんなことは言わないでしょう?」
「そうですね、言いません。(そ、そんなあっさりと・・。)未婚女性には、結婚とか、妊娠とか、人生の面倒なストーリーがくっついてくるから、損得勘定が単純ではなくなる」(あのね~、既婚だったり中年だったりしたらもっと面倒よ~!)
「でも私は、面倒なストーリーがない、(え、えっ!同調するか?)つまりそれって、関係が下半身で楽しめるかどうか、すごくわかりやすい話しなわけね」「そういうことです」
なんとすっきりした考えだろう。(って、いうかなんて言うか、ちょっと~!)ここで妙に感心してはいけない。(そうです、おっしゃる通り)
・・・というわけで、ほろ酔い気分の中継、終わり。ここまで約2週間。上海現地時間ではまだ1時間くらいしかたっていない模様。
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