オリジナルは1972年。これは1992年。年齢を重ねたギルバート・オサリバンの歌いっぷりが素敵。
メロディーがやさしくて、大好きな曲だった。失恋の歌なんだろうなぁ、と思っていたのだけれど、今回動画を見つけて歌詞をゆっくり読んでみたら、もっと深かった。特に後半の歌詞は涙モノ、抜粋して訳してみた。
It seems to me that there are more hearts
broken in the world that can’t be mended
Left unattended
What do we do? What do we do?
世界中のあちこちにもっと傷ついた心が置きっぱなしにされていると僕は思う。
どうすればいいのだろう、どうすれば。
Alone again, naturally
Now looking back over the years
And whatever else that appears
I remember I cried when my father died
Never wishing to hide the tears
また当たり前のようにひとりぼっち。ここ数年起きたこと何でも振り返ってみて、父さんが死んだとき泣いたことを思い出す。涙を隠そうなんてぜんぜん思わなかった。
And at sixty-five years old
My mother, God rest her soul,
Couldn’t understand why the only man
She had ever loved had been taken
Leaving her to start with a heart so badly broken
Despite encouragement from me
No words were ever spoken
And when she passed away
I cried and cried all day
そして65歳で母さんは神に召された。母さんはなぜたった一人愛した人が、あの世に行ってしまったのかぜんぜん理解出来ずにいた。置き去りにされた、とっても傷ついた心でまた人生を始める羽目になり、僕の励ましをよそに一切言葉を口にすることはなかった。
そして母さんが死んだとき、僕は泣いた、そして泣いた、一日中。
Alone again, naturally Alone again, naturally
また、当たり前のように一人ぼっち、当たり前のように一人ぼっち。
2011年4月28日木曜日
2011年4月27日水曜日
原発反対運動と政治@ドイツ
現在17基ある原発を段階的に廃止し最後の稼働は2021年迄としていたドイツ。メルケル政権は2010年に発電所の稼動停止を平均12年間延長した。3月末のドイツ南部の州議会選挙では原発が争点に。今回の福島原発の事故をうけ、政府は1980年以前に建設された原発を一次停止。にもかかわらず国民の反原発の突き上げは激しさをます。メルケル首相率いるCDUは大敗、緑の党は大躍進を遂げる。
さかのぼってみると、ドイツはもともと環境問題の意識が高く、チェルノブイリ事故への反応は激しかった。私は1987年から3年ほどドイツに滞在していたので、チェルノブイリの事故がドイツに与えた影響を覚えている。例えばお肉屋さんには放射線検査機が置いてあったり、放射線が集まりやすい木の実や穀類は食べるなと言われたりした。
1998年4月、電力自由化により大手電力会社の地域独占体制が崩れ始める。同年秋、社会民主党と連合を組んだ緑の党の主張を元に、与党は原発廃止計画に合意、2002年法制化。原発に対する地域住民からの突き上げだけでなく、電力会社の本音「建設運用コストの高い原発から手を引きたい」が一致した結果とも。それでも2009年時点ドイツの原子力発電量は総発電量の23%。
4月に入りドイツエネルギー・水道業界団体(BDEW)は、3月の原発の一時停止措置により、電力の純輸入国になったことを明らかにする。主な調達先はフランスとチェコ。ちなみに両国の原発による発電率は約80%と25%。陸続きの隣国の原発までは廃止できないし、エネルギーが足りなくなれば輸入、そしてどこの国も原発の政治的な側面はいろいろ。
「緑の党」はさておき、ドイツ国民の原発廃止への動きには賛同していた私。しかし、今回のドイツメディアの福島原発の報道記事にはかなりの違和感を覚えた。そんな中、ある記事に心が救われた。素晴らしい日本語訳のブログがあったので添付する。涙がでてしまった・・・。
クリックー>ドイツ『週刊経済』誌 編集長 Roland Tichy氏のメッセージ
さかのぼってみると、ドイツはもともと環境問題の意識が高く、チェルノブイリ事故への反応は激しかった。私は1987年から3年ほどドイツに滞在していたので、チェルノブイリの事故がドイツに与えた影響を覚えている。例えばお肉屋さんには放射線検査機が置いてあったり、放射線が集まりやすい木の実や穀類は食べるなと言われたりした。
1998年4月、電力自由化により大手電力会社の地域独占体制が崩れ始める。同年秋、社会民主党と連合を組んだ緑の党の主張を元に、与党は原発廃止計画に合意、2002年法制化。原発に対する地域住民からの突き上げだけでなく、電力会社の本音「建設運用コストの高い原発から手を引きたい」が一致した結果とも。それでも2009年時点ドイツの原子力発電量は総発電量の23%。
4月に入りドイツエネルギー・水道業界団体(BDEW)は、3月の原発の一時停止措置により、電力の純輸入国になったことを明らかにする。主な調達先はフランスとチェコ。ちなみに両国の原発による発電率は約80%と25%。陸続きの隣国の原発までは廃止できないし、エネルギーが足りなくなれば輸入、そしてどこの国も原発の政治的な側面はいろいろ。
「緑の党」はさておき、ドイツ国民の原発廃止への動きには賛同していた私。しかし、今回のドイツメディアの福島原発の報道記事にはかなりの違和感を覚えた。そんな中、ある記事に心が救われた。素晴らしい日本語訳のブログがあったので添付する。涙がでてしまった・・・。
クリックー>ドイツ『週刊経済』誌 編集長 Roland Tichy氏のメッセージ
2011年4月26日火曜日
ORIGAMI/Rosenthal
ローゼンタールの食器が好きで、置き場所に悩みながらもついつい買ってしまう。
10年以上前は高島屋のローゼンタールのコーナーに足しげく通ったけれど、ローゼンタールがウエッジウッドに買収されてからは売り場が小さくなり、今はほとんど見かけなくなってしまった。しかしその間にオンラインショップが発達して、以前より選択肢が広がったのはウレシイ。
今回は”ORIGAMI”というタイトルのついたボールをイギリスから購入。震災前に注文していた。3月の中旬に注文先のお店から丁寧なお見舞いと、まだ購入意思があるかどうか確認のメールが来た。クレジット引き落としでお願いしていたので、その配慮に感謝。
10年以上前は高島屋のローゼンタールのコーナーに足しげく通ったけれど、ローゼンタールがウエッジウッドに買収されてからは売り場が小さくなり、今はほとんど見かけなくなってしまった。しかしその間にオンラインショップが発達して、以前より選択肢が広がったのはウレシイ。
今回は”ORIGAMI”というタイトルのついたボールをイギリスから購入。震災前に注文していた。3月の中旬に注文先のお店から丁寧なお見舞いと、まだ購入意思があるかどうか確認のメールが来た。クレジット引き落としでお願いしていたので、その配慮に感謝。
端っこを折ったようなデザイン |
下から2段目に”ORIGAMI"の文字 |
トマトときゅうりと紫玉ねぎのシンプルサラダ 右上のもローゼンタール、”シティカップ” |
2011年4月24日日曜日
2011年4月23日土曜日
東京原発
原発に対する「反対派」の極端な意見、「推進派」のもっともらしい説明、そのどちらにも洗脳されずに自分の意見を持ちたい。難しいことは分からないけれど、ただひとつ言えることは、子ども達に負の遺産は残したくない、ということ。
2004年に製作された「東京原発」の一場面。これはブラックユーモアで原発を描いたあくまでもフィクション。それにしてもこの専門家のいでたち!赤塚不二夫の漫画に出てきそうなブランド大好き叔父さん。毛皮のコートにバーバリー(?)の背広にグッチのかばん・・。胡散臭さ炸裂。表情ひとつ変えないで電車の車掌さんのアナウンスのような口調で、スゴスギルことを話しまくる。しかし、その説明がとても分かりやすいのだ。さて、何を思う?
2004年に製作された「東京原発」の一場面。これはブラックユーモアで原発を描いたあくまでもフィクション。それにしてもこの専門家のいでたち!赤塚不二夫の漫画に出てきそうなブランド大好き叔父さん。毛皮のコートにバーバリー(?)の背広にグッチのかばん・・。胡散臭さ炸裂。表情ひとつ変えないで電車の車掌さんのアナウンスのような口調で、スゴスギルことを話しまくる。しかし、その説明がとても分かりやすいのだ。さて、何を思う?
2011年4月22日金曜日
夏蜜柑丸漬/光國本店
2011年4月20日水曜日
2011年4月19日火曜日
フランス高級紙ル・モンドは大震災をどう伝えたか
いろいろと考えるポイントが沢山ある記事。またまた長いけど、ちょっと読んでみてほしい。
政府に情報を上げなかった東電の初動に疑問――フランス高級紙ル・モンドは大震災をどう伝えたか、駐在記者に聞く
電力の約8割を原子力発電で賄う「原発大国」のフランス。同国のジャーナリストは東日本大震災や東京電力の福島第一原子力発電所の事故に遭遇し、いったい何を伝えたのか。長年にわたり日本で取材を続ける仏高級紙『ル・モンド』のフィリップ・メスメール記者に聞いた。
――東日本大震災について、どのような記事を書いたのですか。
災害の警報システム、東電の原発、NHKの災害報道に関するものなど、さまざまな記事を執筆しました。広島へ足を運び、被爆者にも会いました。震災や原発事故の報に接し、いったい何を感じたのか。あるいは原発に対して抱く不安などについても話し合いました。
神戸へ出向いて1人の男性にも会いました。彼は1995年の阪神・淡路大震災で被災し、それをきっかけに災害の被災者などを助けるためのNGO(非政府組織)を立ち上げ、今回の震災では宮城へ行っています。
原発の賠償問題、さらには原発事故を受けて、「関東から離れるべきか、とどまるべきか」迷う日本人をテーマにした記事も書きました。
――東京電力の原発の問題については、具体的に何を伝えたのでしょうか。
東電の隠蔽体質を指摘しました。同社はこれまでも情報隠蔽を繰り返してきた。新潟の柏崎刈羽原発のデータ改ざんなどにも触れました。東京電力は世界レベルでも優良企業だとされてきましたが、その一方で、特に原子力に関する情報を隠す傾向があるのも事実です。
――同社が現在、発信している原発関連の情報も疑っていると。
信用はしていません。なぜならば、過去に情報を隠蔽していたからです。
それに、社長も最近、公の場に姿を現しませんよね。コミュニケーションをしようとしない。彼はいったい何をしているのでしょうか。東電の対応には首を傾げざるをえない点が多々あります。何も問題が起きていないときには「良い会社」なのですが、原子力についてはいつも問題を隠そうとする。それが個人的な印象です。
――日本政府の対応についてはどう見ていますか。
政府は始めのうち、東電のことを信用しすぎたのではないでしょうか。東電は危険の影響度やリスクの大きさをうまく推し測ることができなかった。結局、3日間で3つの原子力発電所が爆発してしまった。それは大変なことです。
菅首相が東電本店に乗り込んで怒りましたね。それが結果として情報の透明性をある程度は高めたと思います。東電は事故の発生当初、自分たちだけですべて解決できると考えたのでしょう。その結果、報告が遅れた。
これに対して菅首相が怒ったのは、誤った行動ではなかったと思います。これが対応のよくない政府であれば、「ひとまず待ちましょう」となります。でも、今回は急を要する、非常に危険な状況でした。
「菅首相が怒ったことで東電が萎縮した」などと批判するのは簡単です。菅首相は先頭に立って災害に対処しなければならない。そして、原発の危機に素早く反応し、成果を挙げることが大事なのです。
――現段階では政府の危機管理能力を評価するのは難しいのでしょうか。
そうですね。やれるだけのことはやっていると思いますが、状況があまりにも複雑ですから。菅首相も原子力のエキスパートではありませんし…。
ただ、首相が東電に対して怒ったのは、自分への報告が遅すぎたからです。東電はすぐに情報を上げなかった。現在は国家の危機。そうしたときに政府は、最初に情報を知っていなくてはならない立場です。国民よりも前に…。
それなのに、テレビを見たら煙が上がっていた。それで原発の爆発がわかり、東電は「爆発しました」と連絡を入れた。これでは首相が怒るのも無理はないでしょう。
首相はすべての国民の健康状態に責任を負っている。政策の責任者なのです。当事者の東電がきちんと仕事をしなかったのが問題なのです。
■日本には再建に必要な頭脳、才能、想像力がある
――NHKの災害報道に関する記事の内容は。
津波のような災害における情報提供という面で重要な役割を果たしていることに触れました。津波がいつ到達する可能性があるのか、それは視聴者にとって重要なことです。災害時には絶えず、そうした情報を流すことが大事なのです。教育番組などを削って津波情報に関するメッセージを流す。それが公共放送の重要な使命です。
非常時には24時間放送を実施。それも、センセーショナルではなく、ニュートラルなトーンで伝えました。それに比べると、民放はややセンセーショナルに取り上げている面があった。NHKはシンプル。悪くないですね。
気象庁の情報をそのまま視聴者に伝え、官庁の情報もダイレクトに発信する。このため、視聴者は必要な情報を素早く得ることができる。ライフライン関連の情報を得るためには多くの人たちがNHKを見ていますね。有用かつ、重要な役割を果たしています。
――海外では被災された方々の冷静かつ秩序ある行動に対する称賛の声が多いですね。
米国ではニューオーリンズなど、大型ハリケーンのカトリーナに見舞われた地域で盗みや略奪が横行した。日本ではそのような行動をほとんど見ない。私は長く日本に住んでいるので驚きませんが、西洋の人々にとっては驚くべきことなのです。
ですから、私はその質問をしばしば受けます。それに対する答えとしては、「学校における教育の充実」を挙げています。グループ学習などを通じて社会倫理などが培われていく。独りひとりが「公」のモノに対する尊敬の念といったものも抱いています。ちょっと説明するのは難しいのですが、そのように感じています。
――今回の震災で、外国人の間にあった日本の「安全神話」が崩壊してしまったのではないでしょうか。
強い余震が繰り返し起きていますが、多くの建物はしっかりしている。建造物が崩壊したのは主として津波による影響が大きかった。だから、建造物に対する信頼が揺らぐことはありません。被害は甚大で、想像できる範囲を超えていた。安全な国であるというイメージが変わってしまったとは思いません。
もっとも、原発の問題は別です。安全基準に対して疑念があるのは事実です。
――日本は立ち直ることができると思いますか。
はい。むろん、時間は少々かかるでしょう。でも、必ず立ち直ることができるはずです。日本には再建のために必要な頭脳、才能、想像力がある。だから、まったく心配していません。
率直に言えば、唯一の心配は原発の問題です。
復興や経済再建への道のりはおそらく長いものになるでしょう。今、世界にも厳しい状況に直面する企業が数多く存在します。でも、それは日本でしか作ることのできない部品が手に入らないからです。日本の中小企業には独自のノウハウがあります。
たとえば、「iPad2」のディスプレイ用ガラスは日本製ですよね。製造に必要とされる高度なノウハウを持つのは、世界でも日本の企業しかない。現在は苦境に立たされていますが、日本には潜在力があります。「日本経済が崩落した」などとは思っていません。ただ、漁業、農業などで栄えてきた地域の一部に関しては、放射能物質による汚染などの被害が心配です。
――震災や原発事故の発生直後に、在日フランス人の一部が東京や関東エリアから素早く退避しましたが。
フランス大使館は放射性物質による汚染の可能性やヨウ素剤使用の注意点などの情報を在日フランス人に対して的確に伝えたと思います。何も言わなければ手遅れになってしまうこともありえます。
「関東から離れなければリスクがある」といった趣旨の表現を用いていましたが、慎重であり、決して退避を強制したり、あるいは扇動したりするようなものではなかった。極めて理性的でした。
これに対する日本のフランス人社会の反応ですが、原発問題の拡大を恐れて素早く退避した人もいれば、まったく怖がらずに残っている人もいます。
ただ、「逃避」した人のなかには、仏企業の責任者クラスがいました。これが日本を見捨てたかのような印象を与え、多くの問題を引き起こした。(日本社会との)信頼関係を壊してしまいました。その関係を再構築するのは簡単でありません。
恐怖感を抱いているのは日本人も同様。だから、いち早く退避した人の行動は、やや軽率だったかもしれません。ただ、なかには家族のことを心配していた人もいます。フランスで生まれて日本に住んでおり、家族がフランスにいる場合、「原発の問題があるから戻ってこい」と電話をもらった人もいます。
――原発に関してフランス人は日本人よりも敏感なのでしょうか?
フランス人も日本人も敏感なのは同じです。日本人はあえて表に出さない面がありますが、実際に話しをしてみたら、非常に心配だと言っていました。フランス人はフランスへ戻ることができるが、日本人は戻る場所がないという単純な問題ではないのでしょうか。
ただ、1986年に起きた旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の「トラウマ」が今も残るフランス人がいるのは確かです。
それから、日本人はフランス人と比べると、政府(の発信する情報)を信頼しているようにも思えます。フランス人だけでなく外国人全体と比較しても日本人にはそうした傾向があるといえるでしょう。
――今回の原発問題がフランスにエネルギー政策の変更を迫る可能性はありますか。
それが今日、実現するとは思いません。政策変更には強い大衆の「圧力」が必要でしょう。でも、今のところ、反原発の動きはさほど強くありません。
ドイツは現在、脱原発の動きを奨励しています。一方、フランスではそうした機運が盛り上がっていません。福島の原発事故が一石を投じた面はあるでしょう。ある程度は議論が活発化するかもしれませんが、やがては終息すると思います。
フランスでは原子力関連業界の力が非常に強い。ロビー活動にも熱心です。それゆえ、議論の広がりにも限界があります。それに、多くのフランス人は、今回の福島原発の事故が自分の国の問題だとは思っていません。それがたとえ風力であっても、太陽光であっても、原子力だとしても関係ないと…。
フランス政府は政策変更を望んでいません。実際、閣僚からもそうした趣旨の発言が聞かれます。
Philippe Mesmer
仏トゥールーズ大で学士号取得(歴史学)。その後、パリのジャーナリズム高等学院に学び、2002年に来日。05年からル・モンド記者。※撮影:吉野純治
(聞き手:松崎泰弘 =東洋経済オンライン)
政府に情報を上げなかった東電の初動に疑問――フランス高級紙ル・モンドは大震災をどう伝えたか、駐在記者に聞く
電力の約8割を原子力発電で賄う「原発大国」のフランス。同国のジャーナリストは東日本大震災や東京電力の福島第一原子力発電所の事故に遭遇し、いったい何を伝えたのか。長年にわたり日本で取材を続ける仏高級紙『ル・モンド』のフィリップ・メスメール記者に聞いた。
――東日本大震災について、どのような記事を書いたのですか。
災害の警報システム、東電の原発、NHKの災害報道に関するものなど、さまざまな記事を執筆しました。広島へ足を運び、被爆者にも会いました。震災や原発事故の報に接し、いったい何を感じたのか。あるいは原発に対して抱く不安などについても話し合いました。
神戸へ出向いて1人の男性にも会いました。彼は1995年の阪神・淡路大震災で被災し、それをきっかけに災害の被災者などを助けるためのNGO(非政府組織)を立ち上げ、今回の震災では宮城へ行っています。
原発の賠償問題、さらには原発事故を受けて、「関東から離れるべきか、とどまるべきか」迷う日本人をテーマにした記事も書きました。
――東京電力の原発の問題については、具体的に何を伝えたのでしょうか。
東電の隠蔽体質を指摘しました。同社はこれまでも情報隠蔽を繰り返してきた。新潟の柏崎刈羽原発のデータ改ざんなどにも触れました。東京電力は世界レベルでも優良企業だとされてきましたが、その一方で、特に原子力に関する情報を隠す傾向があるのも事実です。
――同社が現在、発信している原発関連の情報も疑っていると。
信用はしていません。なぜならば、過去に情報を隠蔽していたからです。
それに、社長も最近、公の場に姿を現しませんよね。コミュニケーションをしようとしない。彼はいったい何をしているのでしょうか。東電の対応には首を傾げざるをえない点が多々あります。何も問題が起きていないときには「良い会社」なのですが、原子力についてはいつも問題を隠そうとする。それが個人的な印象です。
――日本政府の対応についてはどう見ていますか。
政府は始めのうち、東電のことを信用しすぎたのではないでしょうか。東電は危険の影響度やリスクの大きさをうまく推し測ることができなかった。結局、3日間で3つの原子力発電所が爆発してしまった。それは大変なことです。
菅首相が東電本店に乗り込んで怒りましたね。それが結果として情報の透明性をある程度は高めたと思います。東電は事故の発生当初、自分たちだけですべて解決できると考えたのでしょう。その結果、報告が遅れた。
これに対して菅首相が怒ったのは、誤った行動ではなかったと思います。これが対応のよくない政府であれば、「ひとまず待ちましょう」となります。でも、今回は急を要する、非常に危険な状況でした。
「菅首相が怒ったことで東電が萎縮した」などと批判するのは簡単です。菅首相は先頭に立って災害に対処しなければならない。そして、原発の危機に素早く反応し、成果を挙げることが大事なのです。
――現段階では政府の危機管理能力を評価するのは難しいのでしょうか。
そうですね。やれるだけのことはやっていると思いますが、状況があまりにも複雑ですから。菅首相も原子力のエキスパートではありませんし…。
ただ、首相が東電に対して怒ったのは、自分への報告が遅すぎたからです。東電はすぐに情報を上げなかった。現在は国家の危機。そうしたときに政府は、最初に情報を知っていなくてはならない立場です。国民よりも前に…。
それなのに、テレビを見たら煙が上がっていた。それで原発の爆発がわかり、東電は「爆発しました」と連絡を入れた。これでは首相が怒るのも無理はないでしょう。
首相はすべての国民の健康状態に責任を負っている。政策の責任者なのです。当事者の東電がきちんと仕事をしなかったのが問題なのです。
■日本には再建に必要な頭脳、才能、想像力がある
――NHKの災害報道に関する記事の内容は。
津波のような災害における情報提供という面で重要な役割を果たしていることに触れました。津波がいつ到達する可能性があるのか、それは視聴者にとって重要なことです。災害時には絶えず、そうした情報を流すことが大事なのです。教育番組などを削って津波情報に関するメッセージを流す。それが公共放送の重要な使命です。
非常時には24時間放送を実施。それも、センセーショナルではなく、ニュートラルなトーンで伝えました。それに比べると、民放はややセンセーショナルに取り上げている面があった。NHKはシンプル。悪くないですね。
気象庁の情報をそのまま視聴者に伝え、官庁の情報もダイレクトに発信する。このため、視聴者は必要な情報を素早く得ることができる。ライフライン関連の情報を得るためには多くの人たちがNHKを見ていますね。有用かつ、重要な役割を果たしています。
――海外では被災された方々の冷静かつ秩序ある行動に対する称賛の声が多いですね。
米国ではニューオーリンズなど、大型ハリケーンのカトリーナに見舞われた地域で盗みや略奪が横行した。日本ではそのような行動をほとんど見ない。私は長く日本に住んでいるので驚きませんが、西洋の人々にとっては驚くべきことなのです。
ですから、私はその質問をしばしば受けます。それに対する答えとしては、「学校における教育の充実」を挙げています。グループ学習などを通じて社会倫理などが培われていく。独りひとりが「公」のモノに対する尊敬の念といったものも抱いています。ちょっと説明するのは難しいのですが、そのように感じています。
――今回の震災で、外国人の間にあった日本の「安全神話」が崩壊してしまったのではないでしょうか。
強い余震が繰り返し起きていますが、多くの建物はしっかりしている。建造物が崩壊したのは主として津波による影響が大きかった。だから、建造物に対する信頼が揺らぐことはありません。被害は甚大で、想像できる範囲を超えていた。安全な国であるというイメージが変わってしまったとは思いません。
もっとも、原発の問題は別です。安全基準に対して疑念があるのは事実です。
――日本は立ち直ることができると思いますか。
はい。むろん、時間は少々かかるでしょう。でも、必ず立ち直ることができるはずです。日本には再建のために必要な頭脳、才能、想像力がある。だから、まったく心配していません。
率直に言えば、唯一の心配は原発の問題です。
復興や経済再建への道のりはおそらく長いものになるでしょう。今、世界にも厳しい状況に直面する企業が数多く存在します。でも、それは日本でしか作ることのできない部品が手に入らないからです。日本の中小企業には独自のノウハウがあります。
たとえば、「iPad2」のディスプレイ用ガラスは日本製ですよね。製造に必要とされる高度なノウハウを持つのは、世界でも日本の企業しかない。現在は苦境に立たされていますが、日本には潜在力があります。「日本経済が崩落した」などとは思っていません。ただ、漁業、農業などで栄えてきた地域の一部に関しては、放射能物質による汚染などの被害が心配です。
――震災や原発事故の発生直後に、在日フランス人の一部が東京や関東エリアから素早く退避しましたが。
フランス大使館は放射性物質による汚染の可能性やヨウ素剤使用の注意点などの情報を在日フランス人に対して的確に伝えたと思います。何も言わなければ手遅れになってしまうこともありえます。
「関東から離れなければリスクがある」といった趣旨の表現を用いていましたが、慎重であり、決して退避を強制したり、あるいは扇動したりするようなものではなかった。極めて理性的でした。
これに対する日本のフランス人社会の反応ですが、原発問題の拡大を恐れて素早く退避した人もいれば、まったく怖がらずに残っている人もいます。
ただ、「逃避」した人のなかには、仏企業の責任者クラスがいました。これが日本を見捨てたかのような印象を与え、多くの問題を引き起こした。(日本社会との)信頼関係を壊してしまいました。その関係を再構築するのは簡単でありません。
恐怖感を抱いているのは日本人も同様。だから、いち早く退避した人の行動は、やや軽率だったかもしれません。ただ、なかには家族のことを心配していた人もいます。フランスで生まれて日本に住んでおり、家族がフランスにいる場合、「原発の問題があるから戻ってこい」と電話をもらった人もいます。
――原発に関してフランス人は日本人よりも敏感なのでしょうか?
フランス人も日本人も敏感なのは同じです。日本人はあえて表に出さない面がありますが、実際に話しをしてみたら、非常に心配だと言っていました。フランス人はフランスへ戻ることができるが、日本人は戻る場所がないという単純な問題ではないのでしょうか。
ただ、1986年に起きた旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の「トラウマ」が今も残るフランス人がいるのは確かです。
それから、日本人はフランス人と比べると、政府(の発信する情報)を信頼しているようにも思えます。フランス人だけでなく外国人全体と比較しても日本人にはそうした傾向があるといえるでしょう。
――今回の原発問題がフランスにエネルギー政策の変更を迫る可能性はありますか。
それが今日、実現するとは思いません。政策変更には強い大衆の「圧力」が必要でしょう。でも、今のところ、反原発の動きはさほど強くありません。
ドイツは現在、脱原発の動きを奨励しています。一方、フランスではそうした機運が盛り上がっていません。福島の原発事故が一石を投じた面はあるでしょう。ある程度は議論が活発化するかもしれませんが、やがては終息すると思います。
フランスでは原子力関連業界の力が非常に強い。ロビー活動にも熱心です。それゆえ、議論の広がりにも限界があります。それに、多くのフランス人は、今回の福島原発の事故が自分の国の問題だとは思っていません。それがたとえ風力であっても、太陽光であっても、原子力だとしても関係ないと…。
フランス政府は政策変更を望んでいません。実際、閣僚からもそうした趣旨の発言が聞かれます。
Philippe Mesmer
仏トゥールーズ大で学士号取得(歴史学)。その後、パリのジャーナリズム高等学院に学び、2002年に来日。05年からル・モンド記者。※撮影:吉野純治
(聞き手:松崎泰弘 =東洋経済オンライン)
2011年4月17日日曜日
バランスのいいねこ
腹筋、背筋、脚力、首筋がピシーっ、その割には肩の力が抜けている。ちょっとヨタットするのもご愛嬌。普段着(?)なので見間違いかもしれないけれど、もしかしてあなた様はジブリの「耳をすませば」に出てなかったですか?
2011年4月15日金曜日
2011年4月14日木曜日
放射能汚染を巡る日本人の誤解と政府の説明責任
原子力に関しては私のような素人には到底理解できない。文系のマスコミもそうだと思う。政府の言うことを信じる信じないが論点になってしまうと、全ての分析が泡と化してしまう。今は、計測結果や情報が専門家に伝わっていることを前提に、それを分析できる人の意見を聞くように心がけたい。安全と安心は似て非なるもの。
そういえばNHKの”あさイチ”の情報は、自分を落ち着かせるのにかなり役に立った。平常業務時間に戻ってからは視聴していないけど、おそらくあの路線は変わってはいないと思う。不安になる記事はみなさん山ほど読んでいるだろう。下記の記事を原発が安全か否かの観点ではなく、今現在においての被爆治療からの観点で参考にした。長いけれど是非読んで!
DIAMOND ONLINE 2011/4/6
放射能汚染を巡る日本人の誤解と政府の説明責任
―チェルノブイリの惨状を知る被曝治療の権威ロバート・ゲイル博士に聞く
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ロバート・P・ゲイル(Robert P. Gale) 白血病および骨髄ガン治療を専門とする医師。分子生物学および免疫学からのアプローチで知られる。放射線生物学にも詳しい。 ニューヨーク大学バッファロー校で医学学士号、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で微生物学および免疫学の博士号取得。1973~1993年までUCLA医学部で教壇に立ち、その間1986年にはチェルノブイリ原発事故後の被曝治療にあたる。薬品会社の研究所などを経て、2007年からセル ジーン社の血液学および腫瘍学の臨床実験担当エグゼクティブディレクター。 福島第一原発で復旧作業にあたっている作業員を診る医師らと会い、作業員を隔離治療する決断をどのような時に下すのかといった点について話し合った。また、東電関係者と被曝のレベルや作業員の保全についても懇談した。消防士や自衛隊、作業員、医師らが待機する事故対応拠点も訪れ、意見交換を行った。さらに、首相官邸では福山哲郎官房副長官と面談し、放射線のリスク、またそれを国民にどうわかりやすい方法で伝えるかについて話し合った。
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1234放射性物質が広範囲に拡散し、予断を許さない深刻な状況が続く福島第一原発。4月4日には、東京電力は国の基準値の約100倍に相当する濃度の「低レベル」汚染水約1万1500トンを海に放出する異例の措置に踏み切った。タービン建屋地下などに滞留するさらに高濃度の汚染水の回収先を確保するための応急措置であり、放出による人体への影響はないと東電・政府側は説明しているが、事態悪化を招いた両者への不信感は根強く、放射性物質の大気中への拡散や土壌汚染リスクがさかんに報じられるなかで、国民の不安は拭えない。はたして現状の放射線は本当に心配のないレベルなのか。陸海の多様な生物も汚染される中で、長期的に見た場合、放射線の累積量に本当に懸念はないのか。1986年のチェルノブイリ原発事故でソ連政府(当時)に依頼されて現地で救命活動に従事した放射線被曝治療の専門家、ロバート・ゲイル博士に話を聞いた。ちなみに、ゲイル博士は、福島原発事故後も日本を訪れ、事故対応について政府関係者らと意見交換をしている。同氏の結論を最初に伝えれば、現状の放射線量は心配のないレベルであり、そのことを説得力をもって国民に説明できる人間が政府内にいないことが問題だという。
(聞き手/ジャーナリスト、瀧口範子)
――今回の来日の目的は何か。
福島第一原発で復旧作業にあたっている作業員を診る医師らと会い、作業員を隔離治療する決断をどのような時に下すのかといった点について話し合った。また、東電関係者と被曝のレベルや作業員の保全についても懇談した。消防士や自衛隊、作業員、医師らが待機する事故対応拠点も訪れ、意見交換を行った。さらに、首相官邸では福山哲郎官房副長官と面談し、放射線のリスク、またそれを国民にどうわかりやすい方法で伝えるかについて話し合った。
――福島第一原発における作業員の作業環境や、日本政府の対応をどう評価しているか。
医学的な観点から見て、作業員の安全確保は基本的に適切に行われていると考える。被曝線量限度もかなり保守的な目安に従っている。体内被曝、外部被曝を測定する各種計測器をつけて被曝量の管理を適切に行っている限り、そして想定外の爆発事故が起こらない限り、短期的にも長期的にも健康に影響が及ぶことはない。
その一方で、日本政府は非常に難しい立場に置かれている。損なわれた信頼を取り戻すため、頻繁に放射線データを発表し透明性を確保しようとしている様子がうかがえるが、政府内に放射線に詳しい専門家がいないため、かえって混乱を招くだけの結果になっている。国民が理解できるような方法でデータを噛み砕いて伝えることができていないのだ。
――どのように噛み砕くのがいいのか。
たとえば、(日本政府は)現在、飲料水では放射性ヨウ素が1リットルあたり300ベクレルを超えると好ましくないというメッセージを国民に伝えている(乳児の規制値は100ベクレル)。しかし、この数値は何も目の前のコップに入った水を飲むと危険だということを示しているのではない。
20杯飲んでも大丈夫なはずだ。その値以上の飲料水を5リットルほど毎日1年間飲み続けたら、ガンになる確率が1万分の1上がる可能性がわずかにある、ということだ。そういう説明を、自信を持ってできる人間が政府内にいないことが問題なのだ。
――放射性物質を含む大量の汚染水が海に放出されたことで、魚介類への影響も懸念されているが。
それについても、同じことだ。
もちろん、放射性物質を含む汚染水を海に放出せずに済めば良かった。だが放射線が最も危険なのは濃縮した状態だ。広い海に流せば、希薄化する。海への放出は、現状で考え得る最善の選択肢なのだ。
また、魚介類に対する放射性物質濃度の基準も、他のものを食べず、その魚だけを一生食べ続けたら、ガンになるリスクがわずかに増えるという程度ものだ。そもそも海には以前から放射性物質が含まれている。1994年まで海底での核実験が行われていたし、原子力潜水艦や核弾頭なども海底に沈んでいるからだ。海水の放射能汚染は何も新しいことではない。
むしろ今後の問題は、人々が怖れるあまり近海の魚が売れなくなり、経済的な打撃を受けることだろう。だが、それは無知に基づいた反応以外の何ものでもない。政府は、専門家による委員会を組織し、そうした説明を国民に向けて行うべきだろう。今からでも決して遅くない。
――福島第一原発の周辺地域および住民はこれからどうすればよいのか。
おそらく最もあり得るシナリオは、こうだ。原発の状況は改善しているが、完全に制御できるようになるまであと数ヵ月かかる。1号機から4号機は廃炉が決定的となったが、その方法が石棺(コンクリートで固める)であれば2~3年はその作業に必要だ。解体撤去には、さらに数十年単位の歳月が必要だ。
現在避難している周辺住民は、環境を注意深く調査してからの話だが、場所によっては、1~2年のうちに元の住まいに戻ることができるだろう。チェルノブイリでも、立ち入り禁止区域に指定されている30キロ圏内で現在生活している人たちもいる。
――住民が戻ったとして、長期的に見て健康に影響が出る可能性はないのか。
住民が放射線量の高い雲の中をくぐるようならば話は別だが、それは今回現時点では起こっていない。では、一定期間が経って、保守的な被曝線量限度の目安を超えた場合はどうなのか。むろん、土壌の放射能汚染がどの程度かによって、外部被曝だけでなく体内被曝のリスクも継続的に検査する必要があるのはいうまでもないが、たとえば70歳の高齢者でこれまでタバコを吸い続けてきたような人ならば、現状のレベルの放射線によるガンのリスクは微々たるものに過ぎない。若年層には勧められないが、高齢者ならば、場所によっては住み続ける選択肢もあり得るだろう。
繰り返しになるが、より深刻な事故を起こしたチェルノブイリの30キロ圏内にも、今では住める場所はある。問題は細やかな環境調査に基づいて「ここはいいが、あそこはダメだ」といった区分けが徹底できるかということと、食糧確保など生活のためのインフラが本当に確保できるかということだ。チェルノブイリの半径30キロが原則立ち入り禁止区域に指定されている背景には、そうした区分けやインフラ確保が難しいからという事情もある。
――土壌の放射能汚染についても、われわれは適切に理解していない可能性はあるか。
放射性セシウム137の半減期(放射線量が半分になるまでの期間)は30年だが、これはいわば実験室のガラス瓶の中での話だ。現実の自然界では雨や浸食によって、もっと速く減っていく。ただし、水道管の中に入り込むと危険なので、厳しくモニターする必要がある。
放射能汚染が懸念されているホウレン草やミルクも、先ほど言ったようにその汚染されたものだけを一生飲食し続けた場合に危険だという値だ。現在、アメリカの各機関が、魚介類やコメへの影響についても計算しているところだ。
――チェルノブイリ事故直後の惨状を知る立場から、今回の状況をどう見ているか。
チェルノブイリは、福島第一原発の現状とは比べものにならないくらいの大惨事だった。放射線量も多かったが、事故をさらに悲惨なものにしたのは他の要因にもよる。たとえば、事故直後現場に駆けつけた消防士らは、放射性物質が飛散していることをまったく知らされていなかった。防御服もなく生身で放射線にさらされながら、消火活動を行っていたわけだ。
また、20年以上前のソ連では、住民に政府の情報を伝達するのは簡単なことではなかった。教育レベルも低く、政府の言うことに従おうという意識もあまりなかった。
(チェルノブイリ事故の影響で)6000件の甲状腺ガンが報告されているが、これは子どもたちが放射性物質に汚染されたミルクを飲み続けていたからだ。周辺は農村地域で、当時は食糧の流通システムも発達しておらず、住民たちは地元農村で採れたものを口にしていた。こうしたことに加えて、(放射性物質が甲状腺に害を与えるのを防ぐ)ヨウ素剤も十分に行き渡らなかった。つまり、原発事故直後に本来取られるべき措置のすべてが取られなかったのだ。
これに対して、福島原発事故では、日本政府の説明下手という問題はあるが、放射能汚染リスクへの対処はきちんと行われていると私は考えている。
2011年4月13日水曜日
桜
2011年4月12日火曜日
GLEE "Forget You" Gwyneth Paltrow
グリー シーズン2。グィネス・パルトロウがCee-Lo Greenをカバー。放送禁止用語はForget Youに。オットの友人曰く、彼の息子が放送禁止用語に驚くだろうと思って原曲をかけたけど、逆に気に入っちゃったと。で、もちろんオットとワカも好き。でも肝心のところは声を出して歌えなかったので、今回の一部替え歌で、正々堂々と歌えるようになった。グリーさまさま。アメリカンアイドルの予選でも結構使われていた。
Cee-Lo Greenは”Songs for Japan”で”It's OK”という歌を出してくれている。
グィネス・パルトロウは補助教員として学校に来るのだけれど、オレ様(私様?)パワー全開。先生であろうが誰であろうが、ディーバの地位を譲れないレイチェルは仏頂面。
Cee-Lo Greenは”Songs for Japan”で”It's OK”という歌を出してくれている。
グィネス・パルトロウは補助教員として学校に来るのだけれど、オレ様(私様?)パワー全開。先生であろうが誰であろうが、ディーバの地位を譲れないレイチェルは仏頂面。
2011年4月11日月曜日
新宿御苑
2011年4月10日日曜日
サムウェア SOMEWHERE
前作「マリー・アントワネット」に続く、ソフィア・コッポラの最新作。イタリア・ベネチア国際映画祭で、金獅子賞を受賞。有名人の華やかな仕事の世界と退屈な私生活を若い女性との心のつながりを通して淡々と描く手法は、その前の作品「ロスト・イン・トランスレーション」を髣髴とさせる。
ジョニー・マルコ(スティーブン・ドーフ)は売れっ子のハリウッド俳優、表向きは華麗な生活を適当に流している。でも、私生活ではセレブ後用達のホテルでポツリと寂しく身の置き場もない感じ。別れたガールフレンドのもとで暮らす娘のクレオ(エル・ファニング;ダコタの妹)が画面に登場するまで、このつまらなそうな彼の生活が、長くセリフもなく淡々と続く。おそらくそれまで娘のクレオにもそれほど関心がなかったのだろう。しかし11才になったクレオのスケートをする姿を見て、娘の成長に目を見張る。父とは別居、またそれほど家庭的ではなさそうな母と暮らすクレオは、決して幸せいっぱいの子どもではない。
そんな親子が感傷的にならず、相手を傷つけることもなく、一歩引いて穏やかな大人の付き合いをしている。クレオが徐々に自立する姿は、料理をするほほえましい姿から優しく読み取れる。
淡い光の中、透き通るような少女の白い肌と金色の髪は、まるで絵画のよう。ソフィア・コッポラの描く少女達は、「ヴァージン・スーサイズ」から一貫してはかなげだ。かったるい無味乾燥な堕落した生活を送るジョニーを、娘の存在がかろうじて”まとも”な人間に引き止めてくれる。子どものもつ崇高な美しさは何よりも雄弁である。対照的に言葉が飛び交う虚栄の世界(記者会見のように)。切実な思いを胸にジョニーはクレオの母に電話する。しかしその声はまるでホテルのレセプションと変わらない。
これと言って大きな事件が起こるわけでもないけれど、ソフィア独特のジョークの世界は健在。ジョニーとクレオが授賞式に参加するためにイタリアへ行くくだり。イタリアにはイタリアのショウビズの世界があり、それが結構笑える。
2人が車に乗っているシーンを見て、ヴィム・ヴェンダースの「都会のアリス」を思い出した。
ジョニー・マルコ(スティーブン・ドーフ)は売れっ子のハリウッド俳優、表向きは華麗な生活を適当に流している。でも、私生活ではセレブ後用達のホテルでポツリと寂しく身の置き場もない感じ。別れたガールフレンドのもとで暮らす娘のクレオ(エル・ファニング;ダコタの妹)が画面に登場するまで、このつまらなそうな彼の生活が、長くセリフもなく淡々と続く。おそらくそれまで娘のクレオにもそれほど関心がなかったのだろう。しかし11才になったクレオのスケートをする姿を見て、娘の成長に目を見張る。父とは別居、またそれほど家庭的ではなさそうな母と暮らすクレオは、決して幸せいっぱいの子どもではない。
そんな親子が感傷的にならず、相手を傷つけることもなく、一歩引いて穏やかな大人の付き合いをしている。クレオが徐々に自立する姿は、料理をするほほえましい姿から優しく読み取れる。
淡い光の中、透き通るような少女の白い肌と金色の髪は、まるで絵画のよう。ソフィア・コッポラの描く少女達は、「ヴァージン・スーサイズ」から一貫してはかなげだ。かったるい無味乾燥な堕落した生活を送るジョニーを、娘の存在がかろうじて”まとも”な人間に引き止めてくれる。子どものもつ崇高な美しさは何よりも雄弁である。対照的に言葉が飛び交う虚栄の世界(記者会見のように)。切実な思いを胸にジョニーはクレオの母に電話する。しかしその声はまるでホテルのレセプションと変わらない。
これと言って大きな事件が起こるわけでもないけれど、ソフィア独特のジョークの世界は健在。ジョニーとクレオが授賞式に参加するためにイタリアへ行くくだり。イタリアにはイタリアのショウビズの世界があり、それが結構笑える。
2人が車に乗っているシーンを見て、ヴィム・ヴェンダースの「都会のアリス」を思い出した。
2011年4月9日土曜日
警察犬
昼休みに警察犬「フィン号」にあった。一般の家庭で訓練を受けているそうだ。いつ命令されても反応できるように、全身全霊、毛先の一本一本までご主人様に神経が向いている。「早く命令して!次ぎ何やるの?ほめてもらいたい~!!」の警察犬オーラ全開。「そこにある電信柱など私にはかんけな~い!」
号令と共にパイロンの間をスキーの大回転のようにするすると走り抜けたり、どんなによだれがたれてもくわえたものは決して話さない。指を3本立てると「ワン、ワン、ワ~ン」 7本立てると「ワンワンワンワン・・(ちょっと息切れして)・・ワンワンワ~ン」。驚いた。「すごいですね」と感心していると、上には上がいるとのこと。警察犬の大会があり、その上位犬はとてつもなくすごいらしい。・・・どんなにすごいんだろう。笛を吹きながら追いかけるとか・・?前足で敬礼とか?
ものすごく忠実なので、ご主人様以外の人が「フィン」と呼んでも決して反応しない。そして、いつも張り詰めていると思いきや、いやいや、やっぱりどこかお茶目。自分の足を気に入った人の足の上に乗せたりして、ひそかにご主人様以外の人ともコミュニケーションをとっている。ご主人様曰く、こうやって普通にいろいろな人に触れ合うこともとても大切なんだそうだ。あまりの賢さに、ワカが小さかったら、フィン号にしつけてもらったのに、と思った。
ご主人様を穴の開くほど見つめながら わたしのお友達の足の上に ひそかに座るフィン号 |
号令と共にパイロンの間をスキーの大回転のようにするすると走り抜けたり、どんなによだれがたれてもくわえたものは決して話さない。指を3本立てると「ワン、ワン、ワ~ン」 7本立てると「ワンワンワンワン・・(ちょっと息切れして)・・ワンワンワ~ン」。驚いた。「すごいですね」と感心していると、上には上がいるとのこと。警察犬の大会があり、その上位犬はとてつもなくすごいらしい。・・・どんなにすごいんだろう。笛を吹きながら追いかけるとか・・?前足で敬礼とか?
ものすごく忠実なので、ご主人様以外の人が「フィン」と呼んでも決して反応しない。そして、いつも張り詰めていると思いきや、いやいや、やっぱりどこかお茶目。自分の足を気に入った人の足の上に乗せたりして、ひそかにご主人様以外の人ともコミュニケーションをとっている。ご主人様曰く、こうやって普通にいろいろな人に触れ合うこともとても大切なんだそうだ。あまりの賢さに、ワカが小さかったら、フィン号にしつけてもらったのに、と思った。
2011年4月7日木曜日
桜
認知的不協和 cognitive dissonance
人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語。アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された。 人はこの不快感を解消するために、自身の態度や行動を変更すると考えられている。
疑いなく確信している人、逆になんでも疑ってかかる人は、どこから情報を得ているのか常々不思議に思っていた。そんな時オットから聞いた用語「認知的不協和」。興味を持ち、ちょっと調べてみたことがある。
今まさに、外資系企業では「現地スタッフをほったらかして逃げた、逃げない」で会社の中がぎくしゃくしている。放射能が怖くて東京から離れた人は、だんだんオーバーリアクションだったかもしれないと言う気持ちを持ち始める。しかしその矛盾した考えは当然心の中に不快感として現れる。そして、自分の東京から離れた行為を正当化する情報ばかりを集めるようになる。逆に東京に残った人も、当初は情報の少なさから、心のどこかに「もしかしたら」と不安を抱え、東京の放射能の値が飛行機に乗った時の値とは比べ物にならないくらい低いという記事を見て安心する。私も最初の一週間は被害の大きさと情報の錯綜でかなり慌てており、思考を纏めるのに必死だった。
そんなことを思っていたら、池上彰(ジャーナリスト)のコラムを見つけた。
今回の事故の報道内容を見ていくと、「本当に恐れなければならないこと」と、「それほど心配のいらないこと」が、一緒くたにされているきらいがあります。その2つをしっかり分けて理解すること。この大切さを痛感します。「正しく恐れる」ことが必要なのです。
さすが”お父さん”、悲観的になったり、楽観的になったりする前に、しっかりとした理解と裏付けを持つよう頭を冷やそうと、もう一度肝に銘じた。あくまでも仕事上では。
一方家に帰り仕事が頭を離れると、どうも事情が違う。昨日の夜NHKのSongsで被災者に向けての「桜」を聞いたとき、今まで目頭で止めていた涙がポロポロとめどなく流れてきた。止まらないから声を出して泣いた。冷静さだけではどうにもならないこともある。
疑いなく確信している人、逆になんでも疑ってかかる人は、どこから情報を得ているのか常々不思議に思っていた。そんな時オットから聞いた用語「認知的不協和」。興味を持ち、ちょっと調べてみたことがある。
今まさに、外資系企業では「現地スタッフをほったらかして逃げた、逃げない」で会社の中がぎくしゃくしている。放射能が怖くて東京から離れた人は、だんだんオーバーリアクションだったかもしれないと言う気持ちを持ち始める。しかしその矛盾した考えは当然心の中に不快感として現れる。そして、自分の東京から離れた行為を正当化する情報ばかりを集めるようになる。逆に東京に残った人も、当初は情報の少なさから、心のどこかに「もしかしたら」と不安を抱え、東京の放射能の値が飛行機に乗った時の値とは比べ物にならないくらい低いという記事を見て安心する。私も最初の一週間は被害の大きさと情報の錯綜でかなり慌てており、思考を纏めるのに必死だった。
そんなことを思っていたら、池上彰(ジャーナリスト)のコラムを見つけた。
今回の事故の報道内容を見ていくと、「本当に恐れなければならないこと」と、「それほど心配のいらないこと」が、一緒くたにされているきらいがあります。その2つをしっかり分けて理解すること。この大切さを痛感します。「正しく恐れる」ことが必要なのです。
さすが”お父さん”、悲観的になったり、楽観的になったりする前に、しっかりとした理解と裏付けを持つよう頭を冷やそうと、もう一度肝に銘じた。あくまでも仕事上では。
一方家に帰り仕事が頭を離れると、どうも事情が違う。昨日の夜NHKのSongsで被災者に向けての「桜」を聞いたとき、今まで目頭で止めていた涙がポロポロとめどなく流れてきた。止まらないから声を出して泣いた。冷静さだけではどうにもならないこともある。
2011年4月6日水曜日
ニジマス
ワカの中学校では秋から冬にかけて、なんとプールでニジマスを飼育する。冬の終わりに地域の人たちを招いて、釣り大会を催す。今年は25メートルプールに300人の釣り人が集まったそうだ。
それでもまだたくさんのニジマスがまだプールに残っていて、学校の先生が残りのニジマスを釣って、生徒や親にくれたりする。
ワカが釣れたばかりのニジマスを6匹ももらってきた。嬉しかったけど、はらわたを奇麗に取れるような包丁が無い。しかし、すごい、先生はちゃんとはらわたを始末しておいてくださった。
ワインビネガー、ハーブ、ニンニク、玉ねぎを入れたオリーブオイルに半日ほど寝かせて、シイタケとパプリカとネギと一緒にオーブンで焼いてみた。今朝まで生きていたと思うと、ありがたみがちょっと違う。お魚に「いただきます」と言って美味しく食べた。
それでもまだたくさんのニジマスがまだプールに残っていて、学校の先生が残りのニジマスを釣って、生徒や親にくれたりする。
ワカが釣れたばかりのニジマスを6匹ももらってきた。嬉しかったけど、はらわたを奇麗に取れるような包丁が無い。しかし、すごい、先生はちゃんとはらわたを始末しておいてくださった。
ワインビネガー、ハーブ、ニンニク、玉ねぎを入れたオリーブオイルに半日ほど寝かせて、シイタケとパプリカとネギと一緒にオーブンで焼いてみた。今朝まで生きていたと思うと、ありがたみがちょっと違う。お魚に「いただきます」と言って美味しく食べた。
2011年4月4日月曜日
2011年4月3日日曜日
わたしを離さないで NEVER LET ME GO
美しい自然の中にたたずむ寄宿学校ヘールシャム。そこで学ぶ子ども達は一歩たりとも学校の敷地外へ出ることを許されていない。洗脳に近い教師からの言葉を信じる子ども達、ギャラリーに飾る目的に子ども達の創作作品を取りに来る”マダム”と呼ばれる婦人、壊れたおもちゃの配給、毎日の健康診断など、牧歌的な中にたたずむ学校とは違和感のある日常がそこにはあった。キャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)は幼い頃から仲良し、利発で思慮深いキャシーは個性的なため友達のいないトミー(アンドリュー・ガーフィールド)に淡い恋心を抱いていた。そして彼らは自分に課せられた”使命”を知り、それを全うするため18歳からは学校を離れコテージに移り、徐々に社会の空気に触れ始める。ルースとトミーは恋人同士になり、キャシーはトミーへの気持ちを抑えながら"介護人”として仕事に励むようになる。やがて過酷な”使命”の通達が3人にも届けられる。
普通の若者であれば、3人の恋は「青春の苦い思い」で済むかもしれない。しかし本来どこに向かうか分からない青春ではなく、彼らの行き着くところは定められてしまっている。助かる側の喜びもあるはずだけど、それを完全に無視して、助ける側の苦悩のみを描いている。私は幼児が教えられないのに思いやりをもっているのを見て、本来人は「善」として生まれてくると思っているのだけれど、この映画をみると人間もしくは社会に非常なまでの冷淡さや無関心が厳然とあることを否定できない。「ソイレント・グリーン」、「侍女の物語」、「ダカタ」、「ブレードランナー」などちょっと思い出しただけでも、近未来のマイノリティーがマジョリティーのエゴの犠牲になっている映画が幾つもある。
いずれは人生は”完結”するのであればどのように生きるべきか、なすすべもなく運命を受け入れる若者達に一種の驚きを感じる。その素直な姿勢は、生物学的な問題なのか教育の問題なのか、もしくは達観しているのか。若者が犠牲になる社会だけにはなって欲しくない。
原作はカズオ・イシグロの同名小説。
普通の若者であれば、3人の恋は「青春の苦い思い」で済むかもしれない。しかし本来どこに向かうか分からない青春ではなく、彼らの行き着くところは定められてしまっている。助かる側の喜びもあるはずだけど、それを完全に無視して、助ける側の苦悩のみを描いている。私は幼児が教えられないのに思いやりをもっているのを見て、本来人は「善」として生まれてくると思っているのだけれど、この映画をみると人間もしくは社会に非常なまでの冷淡さや無関心が厳然とあることを否定できない。「ソイレント・グリーン」、「侍女の物語」、「ダカタ」、「ブレードランナー」などちょっと思い出しただけでも、近未来のマイノリティーがマジョリティーのエゴの犠牲になっている映画が幾つもある。
いずれは人生は”完結”するのであればどのように生きるべきか、なすすべもなく運命を受け入れる若者達に一種の驚きを感じる。その素直な姿勢は、生物学的な問題なのか教育の問題なのか、もしくは達観しているのか。若者が犠牲になる社会だけにはなって欲しくない。
原作はカズオ・イシグロの同名小説。
2011年4月1日金曜日
ファンタスティックMr.Fox FANTASTIC MR.FOX
ロイヤル・テネンバウムズとなんだか似てる |
泥棒が家業のMr. Fox(ジョージ・クルーニー)と妻フェリシティ(メリル・ストリープ)は罠に掛かり絶体絶命。そんなときに妻から妊娠を告げられたMr. Fox、もし助かったら足を洗うと約束する。それから2年後、約束通り泥棒から足を洗い、新聞記者として妻と12歳の息子アッシュ(ジェイソン・シュワルツマン)と平凡ながらもシアワセな家庭を築いていた。しかし、42歳のMr. Foxは安全な穴の生活を抜け出しもっといい暮らしをしたいと、アナグマの弁護士バドガー(ビル・マーレイ)の忠告も聞かず、3人の悪徳農場主の敷地そばにある大きな木に新居を構える。新しい家には、父親が病気のためMr.Fox家族を頼って甥のクリストファーソン(エリック・チェイス・アンダーソン)がやってくる。クリストファーソンはハンサムで頭も性格もよく、背が低くて運動神経が鈍いアッシュは面白くない。
一方、今までおとなしくしてきたMr, Fox、悪党農場主の敷地にある獲物を目の前に、野生の血が騒ぎ始める。周到に計画をたて、妻と子どもにナイショで子分のモグラのカイリー(ウォレス・ウォロダースキー)を引き連れ、喜々として泥棒を始める。農場には用心棒のネズミ(ウィレム・デフォー)、や狂犬病の番犬がいるけれど、3農場とも略奪制覇。さて、怒ったのが3悪徳農場主、あるもの全てを総動員して、手加減なしの狐捕獲作戦に乗り出す。どんどんエスカレートする追跡は、やがて他の野生の動物達にも影響を与え始める・・・。
動物占いというのがあったけれど、このキャラクター達はそれぞれの人間を野生動物のキャラクターに当てはめたよう。犬やニワトリなどの家畜は言葉を話さず動物のままなので、人間の言葉で話す野生動物はますます人間のように見えてくる。原作は子ども向けでも、農場主のコワイ執念深さ、ちょっと残酷なシーン、ブラックユーモア、プラス豪華絢爛な俳優人のアテレコが、大人向けのファンタジーを作り上げている。
ミドルエイジクライシスのお父さん、自分を見ているような・・・。何度も襲ってくる危機を家族で知恵と勇気を振りしぼって乗り切っていく。あきらめちゃだめ、家族のためにがんばるそれぞれの家族のみんな、そして友情。・・・そうだよね、何があってもみんなで乗り切らなくっちゃ。
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