2011年4月27日水曜日

原発反対運動と政治@ドイツ

現在17基ある原発を段階的に廃止し最後の稼働は2021年迄としていたドイツ。メルケル政権は2010年に発電所の稼動停止を平均12年間延長した。3月末のドイツ南部の州議会選挙では原発が争点に。今回の福島原発の事故をうけ、政府は1980年以前に建設された原発を一次停止。にもかかわらず国民の反原発の突き上げは激しさをます。メルケル首相率いるCDUは大敗、緑の党は大躍進を遂げる。


さかのぼってみると、ドイツはもともと環境問題の意識が高く、チェルノブイリ事故への反応は激しかった。私は1987年から3年ほどドイツに滞在していたので、チェルノブイリの事故がドイツに与えた影響を覚えている。例えばお肉屋さんには放射線検査機が置いてあったり、放射線が集まりやすい木の実や穀類は食べるなと言われたりした。


1998年4月、電力自由化により大手電力会社の地域独占体制が崩れ始める。同年秋、社会民主党と連合を組んだ緑の党の主張を元に、与党は原発廃止計画に合意、2002年法制化。原発に対する地域住民からの突き上げだけでなく、電力会社の本音「建設運用コストの高い原発から手を引きたい」が一致した結果とも。それでも2009年時点ドイツの原子力発電量は総発電量の23%。


4月に入りドイツエネルギー・水道業界団体(BDEW)は、3月の原発の一時停止措置により、電力の純輸入国になったことを明らかにする。主な調達先はフランスとチェコ。ちなみに両国の原発による発電率は約80%と25%。陸続きの隣国の原発までは廃止できないし、エネルギーが足りなくなれば輸入、そしてどこの国も原発の政治的な側面はいろいろ。


「緑の党」はさておき、ドイツ国民の原発廃止への動きには賛同していた私。しかし、今回のドイツメディアの福島原発の報道記事にはかなりの違和感を覚えた。そんな中、ある記事に心が救われた。素晴らしい日本語訳のブログがあったので添付する。涙がでてしまった・・・。


クリックー>ドイツ『週刊経済』誌 編集長 Roland Tichy氏のメッセージ

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