韓国、2006年、ポン・ジュノ監督。何とも面白い映画を見た。
貧困や不衛生はリアルに映され、見ている者の漠然とした不安を煽る。
アメリカの発言を鵜呑み、外面や学歴で人を判断する社会。
しかし小市民は警察も軍隊も頼らず自分の家族を守ろうとし、学生は反政府のデモを行う。
そんな社会をボッシュの絵を彷彿とさせる怪物が、体操選手のようにぬらりぬらりと動く。
とてつもなく強い怪物に、火炎瓶やらアーチェリーやら道路標識やらで立ち向かう人間が、哀れでもあり愛おしくもなる。
無知、いい加減さ、下品さのブラックユーモアに笑わされたと思いきや、容赦なくバッサリと恐怖が襲う。恐怖の真っただ中においてさえ、滑稽さを引きずる人間たち。このアンバランスな世界は、素晴らしい俳優陣による演技があってこそと思う。俳優陣に拍手。
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