2009年6月30日火曜日

プロデューサーズ

メル・ブルックス監督、2005年。
飛行機の中で見始めて十数分、あまりのドタバタぶりにつかれちゃってギブアップ。今回やっと全編通して鑑賞した。この作品は映画(68)、その舞台化(01)、それまたその映画化(05)と、メル・ブルックスが3作品を作っている。(詳しくはタイトルをクリック)

アメリカ生まれのポーランド系ユダヤ人移民出身の彼、ギャクの連続でおバカな笑いも満載だけれど、ナチの描き方は実に辛辣。やるんだったらとことん悪趣味を貫くその姿には敬服。もともと脂っぽいネイサン・レイン、目が飛んでるウィル・フェレル。一番すごいのはヒトラー役のゲイリー・ビーチ。”プリシラ”のテレンス・スタンプにも目を丸くしたけど、こちらはなんというか、ま、百聞は一見に如かず。この人たちが、最初から最後までテンパったままこの世に降りてこず、しかも歌も踊りも最高。伝書鳩・アドルフまで”ハイル ヒットラー!”。

さて、ヒットラー本人が万歳をするときは?”ハイル マイセルフ!”。このセリフのオリジナル、記憶は定かではないけれど、エルンスト・ルビッチの”生きるべきか死ぬべきか”(1942)からだったと思う。この作品を、メル・ブルックスは83年にリメイクしている(邦題は”メルブルックスの大脱走”)。ルビッチに敬意をはらっているのはわかるけれども、私は断然オリジナルのほうが好きだ。

話が脇道にそれてしまったが、中年になってしまったマシュー・ブロデリックが達者な歌と踊り、バービー人形のような完璧な肢体で、役にはまっているユマ・サーマン。この2人は他の出演者の毒気にあてられつつも、あおられることなく独特のムードを醸し出している。それにしても、配役にピアノがない、役者全員がフォルテッシモだ。
実はふか~い、ふか~い問題をはらんだテーマ。タブーの言葉@Germany満載。激しい悪乗りにどうやってオチを付けるのか、こちらが見ながら心配してしまう。ここまでドギツク貫けばドイツ人も笑ってくれるかも。ン、なことないか・・・。

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