24日、20数年ぶりにオーチャードホールで東京バレエ団の「ザ・カブキ」を見た。ベジャールがこのバレエ団のために振りつけた作品で86年初演。音楽は黛敏郎さんの現代曲と浄瑠璃がうまくつながって、美しいコラボレーションを聞かせてくれる。忠臣蔵を元にゲイシャ、ハラキリと日本色満開の舞台。日本趣味のコンテンポラリーといってもクラシックバレエそのものの”パ”が多く、大石内蔵助役にはかなりの技量が求められる。24日はスタミナ不足でキレがなく、ちょっと残念だった。若干20歳というので、これからの活躍に期待しよう。
大石内蔵助というどっちに転んでも正真正銘の日本人。いくらベジャールの作品であろうがカリスマ性が必要であろうが、(昔の)パトリック・デュポンまたは生身のジョルジュ・ドンが踊る姿は想像に難い。西洋人ダンサーがちょんまげ(実際はちょんまげで踊るわけじゃないけど)を演ずるのは、明治維新後100年以上かけてやっと靴に慣れた日本人が王子様を演ずるよりも難しいのじゃないかな?(トムクルーズはやったけど・・・)。やはりここはひとつ日本人(もしくは東洋系)ダンサーに頑張っていただきたい。特に第1部は振付が美しいので、これを踊りきれるソリストが同時期に片手の数くらいは登場することを願う。第2部の男性群舞、日本人に適した良い意味での”マスゲーム的”な振り付けはさすが。群舞だけでなく、四十七士の数人が途中短いソロを踊るが、これも大変よかった。
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