2010年3月22日月曜日

NINE

ロブ・マーシャル監督。
フェリーニによる自伝的映画『8 1/2』を、1982年ブロードウェイでミュージカル化。主役のグイドを演じたラウル・ジュリアはこの舞台でメジャーになった。

才能豊かな女優達に驚かされる。★ぺネロぺ、難解な振り付けではないものの、柔軟性はもちろん、かなりしっかり踊りをしていないとつかめないポーズをばっちり決める。プラス、歌とあの美しい顔。★ ジュディ・ディンチ、フランス語訛の英語を操り、且つ腹のそこから歌う。いやはや、この人はすごい、ただのお局様ではない、貫禄勝ち。 ★ケイト・ハドソン、なんてキュート。実の父親から歌の才能は受け継いだのだろうけれど、あの踊り・・!★ファーギー、体重を増やしてどっしりと存在感。「キャバレー」の”Mein Herr”のような振り付けと小道具なので、その迫力満点の歌声はライザ・ミネリを髣髴とさせる(方向が違うけど)。そして、★マリオン・コティヤール。グイドとの冷めた関係をしっとりと歌った場面では、思わず泣かされてしまった。★ニコール・キッドマン、見せ場が少なかったかな。

グイド役のダニエル・デイ=ルイス、歌も歌えるのだ。しかし、イタリア語訛の英語を楽しそうに話すし、主役と言っても映画のミュージカル、彼にとってはカル~イ仕事だったかも。 一時期俳優業を休業して、靴屋になるためにイタリアで修行していたというのもイガイ。歌って靴を作れるアカデミー俳優というのは彼だけだろう。

私はマーシャル監督の前ミュージカル作品「シカゴ」よりも好きだ。ミュージカル好きでも、オットにはイマイチだったみたい。舞台だったらいいけれど、映画になってしまうとフェリーニの映画が脳裏をよぎるのか・・。比べちゃだめ、「8 1/2」にインスパイアーされた作品として、あくまでも踊りと歌を楽しむべし。残念なのは一曲終わるたび、劇場みたいに拍手できなかったことかな?

2 件のコメント:

  1. 観たんですね!!
    NINE絶対に私も観たいと思っている作品です。
    ダニエル・ディ・ルイスのファンなんです。
    「存在の耐えられない軽さ」を観て以来の。

    それにしてもNINEは素晴らしいキャスト陣ですね。
    マリオン・コティヤールもペネロペも大好き。
    ミュ−ジカルはどちらかと言うと苦手な方なのですが
    「シカゴ」の女性たちの格好良さ!にはしびれました。

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  2. エリリンさん、私も「存在の耐えられない軽さ」、本も映画も大好きです!

    「NINE」のキャストは豪華ですね~。ハリウッドで生き残る、というのはちょっとしたタレントだけではだめなのだ、とつくづく思います。

    ロブ・マーシャル監督は振付師だけあって、踊り好きのツボを抑えたカメラワークが素晴らしい。1994年に彼の振付の「くたばれヤンキーズ」をNYで見たのですが、ボブ・フォッシーもきっと満足したであろう、という出来ばえでした。

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