2009年12月21日月曜日

Capitalizum : A Love Story

マイケル・ムーア監督。
いつもとても深いテーマを取り上げているのであるが、おどろおどろしくならない。彼が真面目になればなるほど、過激な行動に出れば出るほど、見ているほうは不謹慎にも笑ってしまう。オモシロイことに、笑い=怒りなのだ。

で、怒ってばかりかと言うと、そうではない。資本主義と民主主義が相反するものなのか、社会主義的な民主主義は存在しないのか、キリスト教はどこに位置しているのか。釈然としない彼の心のベクトルはは怒りではなく理解へと進む。ここで私はとっても感心したのだけれど、原点に戻って考え直してみる。一挙にアメリカ独立宣言まで遡ったのだ。そこには『平等』が謳われていて、「これって、なんだか”民主主義”というよりも別の主義のようだ」とこぼす。『デリバティブ』だって、何だかちゃんと知ろうと専門家に聞いてみる。説明を受けているときのムーア監督の"???顔"には笑ってしまった。彼は実はウディ・アレンなみの役者なのではないか、と思ってしまう。

彼は資本主義者ではないけれども、社会主義者かと言われるとそうとも思えない。そんなものあるかどうかわからないけど、資本至上主義でない民主主義ってゆうか。ただ、はっきりしているのは敬謙なキリスト教信者であること。歪んだ民主主義から生まれた支配階級による、市場経済の規制や福祉国家の成立に疑問持っている。そして、制度だけではなく、もっと個人的な、他人に対する思いやりのようなものを大事にしているのではないか、と思う。1人1人が足るを知って、良心に従って行動できる社会があればいい、そんなふうに考えているように、見える。・・・もっとラディカルだとは思うけどね。わたし、政治・経済には疎いし、ましてやアメリカ市民ではないし、よくわからない。

金融機関の人たちがみんな悪人だとも思わないし、政治家も恐怖心をあおっているのではなく本当に怖がりなのかもしれない。でも、わたしもちゃんと考えなくっ ちゃ。彼のような視点で物事を捉え、自らの耳で確かめるという姿勢を見習わなくては。文句を言っているだけでなく、風評に流されず、しっかり自 分の選挙権を行使すること、これが大事なのだ。


>>大真面目なムーア監督

ウォール街に警察が使う『犯罪現場 立ち入り禁止』と書かれた黄色いテープを貼りめぐらし、旧式拡声器で「市民が逮捕しに来た、出てこーい!」と1人で叫ぶ監督。おまけに公的資金を受けた金融機関には、「この袋に税金返せ」と$マーク付きの布袋を持って参上。

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