2012年2月21日火曜日

TIME/ タイム In Time

人類は遺伝子操作で25才以上年を取らなくなったかわりに、腕に寿命の時間表示が表れ、それ以降は稼いだ分が時間として加算されていく。通貨のかわりにその時間で物を買い、数字がゼロになると命を落とすことになる。体内にある時間は、貸し借りもできるし、高利ローンだって可能、もちろん盗んだってちゃんと使える。

日雇労働でその日その日をギリギリ生きながらえている貧困層のウィル・サラス(ジャスティン・ティンバーレイク)は、スラム街を訪れたある富裕層の男をギャングから救う。その男から有り余る時間で死ぬ事のできないむなしさを、そして貧困層が時間を搾取されている事を聞かされる。その男は、スラム街においては破格の長さである117年を、ウィルに残し自ら命を絶ってしまう。

人々は経済的なクラスで住む場所を割り当てられ、他のゾーンに行く場合は高い通行料を払わねばならないが、ウィルは手にした時間でスラム街を出て、富裕層の住む地区を訪れる。そこでは生活も時間も全く次元が違っていた。

ウィルは自殺した男から時間を盗んだ罪で、時間を管理するタイムキーパー(キリアン・マーフィー)に時間をとりあげられ、スラム街に送還されそうになる。実際はウィルが盗んだかどうかはどうでもいいことで、スラム街の人間はいくら時間を持っていようが、富裕層には決して上がれないと言うことなのだ。ウィルは彼に興味をもった富裕層の箱入り娘シルビア(アマンダ・サイフリッド)を人質に、タイムキーパーから逃走する。

字幕を見ている限りはそんなに気がつかないけれど、ワカ様曰く「アイデアはいいけれど、セリフが良くないし演技がちょっとねぇ」(うわっ、カラクチ)。オットの感想に至っては、「なぜアマンダ・サイフリッドはあんなに高いヒールの靴で逃げるのだ!」。たしかに逃げているとき、私も転ばないかと足元ばかりが気になった。


アンドリュー・ニコル監督1997年作品の「ガタカ」のように、遺伝子操作、美しい若者、社会のシステムに挑む主人公。そこに経済の問題を絡ませた着目点は面白い。数パーセントの人に富が集中する社会システムへの批判、永遠に生きながらえるよりも今の一瞬を生きろ、という生き方論も見て取れる。でも「ガタカ」を見たときのような、「オオ~」っと言うような印象は残念ながらなし。途中からは「俺たちに明日はない」が頭に浮かぶけど、あれほどのインパクトもなし。いろいろ詰め込みすぎたのだろうか。

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