舞台で各賞を受賞しているヤスミナ・レザの”Carnage”をロマン・ポランスキーが映画化。原題を直訳すると、殺戮とか、大虐殺とか、ちょっとマイルドにしても修羅場とか。
ナンシー(ケイト・ウィンスレット) とアラン(クリストフ・ヴァルツ)の11才になる息子ザカリーが同級生のイーサンと「こどものけんか」をして枝で殴ってケガをさせてしまう。二人はイーサンの親ペネロピ(ジョディ・フォススター)とマイケル(ジョン・C・ライリー)から、平和的解決を図るためアパートメントに招かれる。
しかしペネロピは平和を装いながらも毒のある言葉をチクリチクリ。丸く収めようとするマイケルがズルズルとナンシーとアランを引き止め、やがて4人それぞれが自分以外の全員を攻撃し始め修羅場と化していく。
既に完璧なる脚本がある上に、芸達者の4人、これだけそろえばハズレない。子供の喧嘩に大人が顔を出し、本題そっちのけでアサッテ方に話が飛んじゃったように見える。しかし、登場しない2人の「こども」がいるからこそこうなっちゃうのだろう。代理戦争は本質の解決を遠ざけるばかりか、あれこれ色々吸い寄せて問題を膨らませてしまう。
夫婦でも親子でも分かり合えない部分に蓋をして生活をしてきているが、そんなこんながねちねちと頭をもたげやがて大爆発。その爆発への導火線=セリフがなんとも素晴らしい。そしてセリフがないときも、沈黙が語る4人の俳優の顔、動作!!俳優であるということはこういうことなのだろう。俳優と脚本に安心して任せていられる監督の余裕を感じる映画だった。
苦笑いと大笑い、「おとな」におすすめ。クリストファー・ヴァルツはほんとにオモシロイ。
これだけ役者が揃っていては
返信削除絶対に見なきゃ損!でしょうか?
ああ〜〜みたいです。
先週の新聞の映画評欄で見て
チェックしていたんだけど
Angelaさんの評を読んでますます
観たくなりました♪
大人げないとはこの事だと思うのですが、ある意味自分の譲れない一点を守って生きている大人たちが何とも愛おしくも感じられます。こどもは未熟、という事は全くないですものね。子どもの方が高潔な事だってある。本当にいい脚本です。是非、映画館にいらしてくださいね!
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