人間だけでなく馬も頑張っている |
行く先は過酷な自然のみならず、最低限度の人権しかない無法地帯。マティの頼みの綱であるはずのルースターは、働き盛りはとうの昔に過ぎ、のらりくらりの大酒飲みで、しかも片目で射撃の遠近感もとれない。経験だけは豊富で、高みから人を眺めるルースターは、マティやラビーフのアオサを小ばかにする。しかし、観客の期待通り、マティの勇気にいやいやながらも正義感を呼び覚まされていく。西部劇や時代劇の醍醐味だ。
「ファーゴ」でもそうであったけれど、ただただ単純に生きる人間の姿が滑稽で哀れ。それでもちっぽけな存在の人間が見せる勇気や信念はあっぱれ。それは雨や星や森や川の流れのように、まさしく自然の姿そのものなのだ。何よりも悲しいのは流した血や涙ややさしさを、あっという間に時がまとめて遠い彼方にもっていってしまうこと。
俳優陣の馬術には見とれてしまう。それにしてもジョシュ・ブローリン、またまた新しい顔を見せてくれた。この人はいったい何人いるのだろう?と思ってしまう。
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