2011年3月7日月曜日

アレキサンドリア AGORA

レイチェル・ワイズは美しい
あらすじは史実なので(もちろん脚色されてますが)、ネタばれでもお許し。

 4世紀、エジプト、アレクサンドリア。聡明で美しいヒュパティア(レイチェル・ワイズ)は 数学、天文学、哲学を教えていた。平民や奴隷を中心に新興宗教であるキリスト教やユダヤ教が各地で勢力を伸ばし始め、多神教徒の治めるここアレクサンドリアも例外ではなかった。ついに、多神教徒は自分たちの神を愚弄されたことに腹を立て、キリスト教徒への襲撃を計るが、予想外に勢力を増していたキリスト教徒の反撃にあい、図書館に籠城することになる。

ローマ帝国により多神教徒はおとがめなしになるものの、図書館を明け渡すことになり、それまでのすべての知的財産はキリスト教徒により破壊されつくすことになる。 ユダヤ教徒とキリスト教徒の中で、異教徒となってしまった多神教徒。あるものは改宗し、しばらくは平和に共存する。そんな激動の時代にヒュパティアは結婚もせず、全てを哲学にささげる。しかしキリスト教徒とユダヤ教徒の争いが始まり、ユダヤ教徒がアレクサンドリアを追われ、ついにキリスト教徒が街を征圧する。女性が社会的に地位を持つこと、例えば教師になったり政治に口をはさんだりすることは、キリストが禁じている。この教えを元に、ヒュパティアは魔女とされてしまう。

アレキサンドリアの街の様子が、CGではあるけれど大変よく映されていて、まるでグーグルアースで実際の建物を見るようで感心した。戦争の描写は残酷でちょっと気持ち悪いところもあるけれど、争いの無意味さを伝えるのには効果がある。

ヒュパティアは実在の人物でいくつかの書簡と彼女の言葉(として)が残されている。
「信じる神は違っても、私達は兄弟です」
「あなたの考える権利を守りなさい。何も考えないより、まだ誤ったことでも考えていた方がよいのです」
「人は真実より迷信のために戦います。迷信は実態がつかめないので反論のしようもないけれど、真実は考え方であり、変えることもできます。」
こんな言葉がキリスト教徒を激怒させてしまったのだろう。

宗教や思想が実社会と深くかかわっている限り、それらに関心が無くても目をつぶっていてはいけない、しっかり物事を考えなくてはいけないのだと反省した。

2 件のコメント:

  1. 新聞の紹介蘭を見てぜひとも見なければと思った映画です。レイチェル・ワイズ痩せましたね。美しい女優さんです。

    魔女狩りの芽はもうこの頃からあったんですね。

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  2. レイチェル・ワイズはとってもきれいです。
    哲学、宗教という分野は、私の知識のなかでぽっかりと抜けている部分です。世界は広いし歴史も長い・・・。

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