2009年2月26日木曜日

ヒース・レジャー

アカデミー賞助演男優賞は下馬評通り、ヒース・レジャー。バットマン・ダークナイトは彼の映画だった。

彼主演の”ブロークバック・マウンテン”を久し振りに見た。作品賞の前評判が一番高かったのに、ふたを開けてみるとオスカーは”クラッシュ”で、アカデミー協会は保守的だからと監督は批判したそうだ。それを聞いたとき、少なからず同調したものだったけど。

しかし、あれからしばらくたってもう一度見て見たら、ヒース・レジャーがいなかったら、はたしてここまでの作品に仕上がったかどうか、とふと思う。俳優の演技が押しつけがましくなりそうな役がらを、あそこまで自然に他人に納得させる人物像を演じた彼に舌を巻く。それもまた監督のなせる技、と言えなくはないものの、やはりこれはヒース・レジャーの映画だった、と私は思う。彼は自分の演じる人物についてどうこう言わせない、その人物を”存在”に変える、「ああ、こういう人もいるのだ」と感じさせる、天賦の才能をもった俳優だった。本当に惜しい人を亡くした。

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