BS黒澤映画トップ5の第3位「用心棒」。「ボディガード」のフランク(=ケビン様、確か23回?)ほどではないけれど、幾度となく見てきた映画。昨日の夜も新たな感激の嵐。
もしこの映画がカラーだったらと想像する。たとえば仲代達矢さん(新田の卯之助)が切られてその血だまりが地面にじわ~っと広がるシーン、・・・白黒だとおびただしい血が広がるのに生々しくない、しかも赤が石炭のような黒に見えることにより迫力も増す。脂の乗り切った監督と俳優たちのみなぎるエネルギーを、白黒のカラー映像(?)が絶妙な塩梅に落ち着かせる役割を果たしている。
一方で、カラーにはない陰影のあでやかさにも目を見張る。空の色だの着物の色だのあれこれ想像を巡らせるのも楽しみの一つ。宿場も人間の心も天気さえも荒む灰色の世の中、その中で妙に色彩を感じさせる司葉子さん(小平の女房ぬい)と仲代達矢さん。色なき世界で色鮮やかに輝いている。
登場人物の中では、あのちょっと頭の弱い眉毛がつながった加東大介さん(新田の亥之吉)が好きだ。そして真っ当な一庶民の東野英次郎さん(居酒屋の権爺)。それにしても三船敏郎さん(桑畑三十郎)のかっこよさと言ったら、ダニエル・ボンド様もびっくり。
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