2009年2月18日水曜日

松田道雄

NHK、今日の「私の一冊、日本の百冊」大阪大学総長の鷲田清一 さんが選んだ松田道雄さんの「育児の百科」。=戦後家族の在り方だけでなく、民主主義教育の大切さをも説く“思想の実践の書”と言える1冊= まさにおっしゃる通り・・・。

毎日の生活に追われ、すっかり私の記憶の片隅に追いやられていた一冊。子供が生まれてからの1年365日、ページを開かなかった日はなかった。赤ちゃんの個性は十人十色であるが、
動物としての成長は1歳まではほとんどみな横並び。自分の子供の月齢の章だけを読めばよい。先のことは思い煩うことなかれ、その日その日の子供の様子のみを見ていればいいのだ。まるで生物の観察実験のようだ。病気の発見から事故の予防まで、ありとあらゆる心得が愛情をこめてユーモアを交えながら読みやすく書かれている。

人間の子供は頭が発達しすぎたので、未熟なまま生まれてくると読んだことがある。少なくとも2本の足で歩きだすまでは、母親とは見えないへその緒で繋がっているのは実感できた。母親以外の人が育児ができないというわけではない。自分自身が”動物としての母性”を実感できるのである。入学前までの成長について書かれているが、誕生から1年が大部分。本が終わりに近づく寂しさを感じながら、1歳の誕生日のページを読み、先生の言葉に涙が流れた。

カンガルーの親子のように一緒だった子供を預けて社会復帰をする、これは勇気がいった。いよいよ育児休暇もおしまいというときに、ぺちゃんと陽だまりに座ってニコニコこちらを見ている息子を見ると、うるうるして何とも言えない罪悪感にさいなまれた。しかしここでも、また、松田先生は見守っていてくれる。集団保育の大切さ。両親の深い愛情と集団が、子供を思慮深く他人と協力できる人間に育ててくれるとおっしゃる。決死の覚悟!で会社に戻り、それからは毎日が大騒ぎ。・・・今となって言えることだが、未熟な母親と24時間2人っきりで生活するより、保育園はどれだけ子供を成長させてくれただろう。

これからも迷いながら子供の成長に寄り添っていくのだろうけれど、松田先生にはその勇気を与えていただいたと心から感謝している。
私にとっての聖書のようなものだ。おそらく日本中に私のような親がいるに違いない。鷲田清一さんの一言一言に、朝から膝を打ちまくりの私であった。

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