バージナルの演奏会に行ってみた。チェンバロより小さくて長方形の箱型をしている。当時公共の場で聞くものと言えば、教会のオルガン。バージナルは家庭用の楽器だったらしい。フェルメールなどが絵画の題材にしているが、かなり裕福な家庭にしか置かれていなかったそうだ。チェンバロ(ハープシコード、クラブサン)用に作られた曲はたくさんあるのだが、バージナル用はあまりない。パーティや家庭で、民謡や即興曲を弾いて楽しんでいたのではないか、ということらしい。
弦を弾くことで音が出るので、ピアノのように打鍵が強ければ強い音が出る、というのはなく音量は一定、そのために音色に変化を与える技術が発達したそうだ。音域は男声の一番低いところから女声の一番高いところまでの45鍵盤(?うろ覚えで・・・)。音域が広い新しい曲は弾けないが、バッハのメヌエットは大丈夫、なんとも可憐な響き。
その音色たるや、ひとっ飛びでシェークスピアの世界(行ったことないけど)。奥ゆかしくて、繊細で、透明で。演奏会の後フェルメールの絵を見た。あの澄み切った空気の中にバージナルの音が聞こえてくるような気がした。
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