久し振りにBSで。
ストーリーはアメリカ人学生ジェシー(イーサン・ホーク)と、フランス人学生(ジュリー・デルピー)が電車の中で知り合い、ウィーンで1日を過ごす。以上。と、いうと~ってもシンプルなあらすじなのだけれど、その1日にとにかくいろんなことがぎっしりと詰まっている。
夏なのに哀愁を帯びたウィーンの街角が、若い2人のたわいもない人生観-実はとても哲学的であるのだが-が、そして惹かれあう姿が目を釘付けにする。恋するとこうなっちゃうのはわかるんだけど、この2人を見ているとこそばゆくなって、オットとふたりしてテレビの前でテレまくる。きっと誰もがこの映画のいくつかの場面を、自分の経験と重ね合わせながら見ているに違いない。忘れていた胸の痛みがよみがえるのだ。ふ~ぅ。
そして数年前、この出会いから9年後の2人を描いた続編”Before Sunset”を見た。続編でも彼らはとっても素敵なのだけれど、時の流れは2人の風貌も生活も確実に変えてしまっている。悲しいことであるが。会話も甘酸っぱさからほろ苦さに変わり、あの時の希望の未来であるはずの現在は、生活に追われる現実となってしまっている。
しかし過ぎてしまった一瞬の輝く過去は、どこかで自分の未来を希望やら情熱やらに変えることができるのではないかという期待を感じさせる。今度は大人の胸を締め付けるような一篇になっている。私はこの続編がとても好きだ。
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