2010年11月15日月曜日

ノーウェアー・ボーイ

1950年代のリバプール。青年ジョン・レノン(アーロン・ジョ ンソン)は幼い頃から伯父と伯母ミミに育てられていた。やがて、優しい伯父が心臓発作で急死する。葬儀の後、実の母親ジュリアが歩いて行ける距離に住んでいることを知ったジョンは家を訪ねる。

ジュリアは再婚し新しい家庭を持っていたが、ジョンを大歓迎。ミミは過去のいきさつからジョンがジュリアと会うことをよしとしない。反抗期まっただ中のジョンは厳格なミミに内緒で、根っから自由人の母と時間を過ごすようになる。しかし、ジュリアを慕いつつも、どこか釈然としない。

エルヴィス・プレスリーやジェイ・ホーキンズなどのアメリカン・ロックの影響を受け、同級生をかき集めて”ザ・クオリーメン”結成。そこにたどり着くまでの彼の音楽環境は、これだけ?と驚くくらい何にもない。グループで演奏してもギターのコードを知っていたわけではない、独学というより我流なのだ。若き日のポールが彼に与えた音楽的影響は計り知れない。ジョンはその複雑な家庭環境から若くして人の真髄を突いた美しい詩を数々生みだし、そこに美しいメロディーをポールが紡いでいく。

母は自分を捨て、叔母は母から自分を奪い、父もどこかへ行ってしまったとジョンは思っていた。でも実際は3人の大人の心がばらばらになってしまっただけで、ジョンは誰からも見捨てられていない。全員がジョンのことを心から大切に(異常に?)愛していたのだ。ああ、良かった、ほんとに。

伯母のミミ役、クリスティン・スコット・トーマスはオバサンになってしまった!が、さすがイギリス人女優、年の重ね方にスキなしヌカリなし。どうにかしてほしいのは、副題の「ひとりぼっちのあいつ」・・。

P.S.
映画はジョンがハンブルグへ行くところで終わるのだけれど、その先は「バックビート」(1994年)を見ると面白いかも。ビートルズの初期メンバーのスチュアート・サトクリフ(スティーブン・ドーフ)が主人公で、恋人のアストリットをツインピークスのローラ・パーマーもとい、シェリル・リーが演じている。

2 件のコメント:

  1. ああ〜^もう観たんですね!
    こちらにはまだやってきません。

    ジョンが大好きのうちのエムも観たいと言っている
    映画なんです。
    ミミおばさん役がクリスティン・スコット・トーマスなんて〜〜!私も絶対に観たいです♪
    彼女は美しいですね。そうですか、やっぱり年には勝てませんね。
    伝記本などを読むとミミおばさんは厳しかったけどジョンをとても愛していた人だと言う気がします。

    そうなのよね、副題気に入りません。

    「バック・ビート」は観ました。
    アストリッドは素敵な人だったみたいですね!
    ジョン役は影が薄かったですね。

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  2. エリリンさん、こんにちは。
    実母役のアンヌ=マリー・ダフという女優さんもとっても良いです。どこかで見た、と思ってググったら”トルストイ”に娘役で出演していました。

    監督のサム・テイラー・ウッドは、オノ・ヨーコに作品を認められジョンの曲を使う許可を得る、という難しそうな仕事をこなしただけでなく、昨年、主役のアーロン・ジョンソン(19)と23歳の年の差を超えて結婚して一女をもうけたというから、才能のみならずかなり魅力的な女性と見ました。

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