2010年1月22日金曜日

22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語

大林宣彦監督、2007年公開。

インフルエンザで起き上がれず、目だけ開いていたので、たらり~んとケーブルテレビをつけていたら、2日続けて大林監督作品を見ることが出来た。「22才の別れ」とオリジナルの「時をかける少女」(なつかし!)。

「22才の別れ」は1975年の風の同名曲をモチーフにしたお話。子孫が残せないと宣告された40代の主人公、ひとりで気楽に孤独に生きている。しかし、彼には子どもを残すことと同じぐらい大切な出会いがあり、それによって昔の思いが甦る。しかしそこがロマンチストな大林監督、とつとつとつと静かに話が進んでいく。40代を中心に10代から70代までの世代が静かに交差、どの世代もどの登場人物にも、感情移入してしまい胸がパンパンになってしまう。・・・病気になると神経過敏になるのかなぁ。

幾つも印象に残ったシーンはあるけれど、その中のひとつ。主人公のかつての恋人の娘、華鈴(かりん)のボーイフレンドは21歳、年収100万円で食事にも事欠く生活を続けている。バイトで配達に訪れた初老の女性(南田洋子さん)が、彼を見て「息子は安保闘争に奪われてしまった」と、寂しそうに語る。受け取り伝票にまるで重要書類に署名するかのように丁寧にサインし、『若い人たち、がんばってね』と一言(この南田さんのお顔が、また胸に迫る)。かすかに触れ合うものがあるのだけれど、若者の苦悩が、老婦人の寂しさが、平行線を漂う。しかし、映画はこんな世代の隙間を少しづつ何かで埋めていき、だれも見捨てない。

・・・本当にそう。勿論、人間努力や勉強で道が開くことは絶対ある。一方、どうにもならない時代の流れというものがある。でも「22才の別れ」は終わりじゃない。・・・あんまり書くと、お局様の説教みたいになってくるから、この辺でやめておこうと思う。

懐かしい「22歳の別れ」が素敵なアコースチックギターで流れる。(寝言ででも歌えるよね?)それから清水美砂さんがとってもいい。
今は更新されていないようだけれど、この映画についてかかれた監督のブログを見つけた(タイトルをクリック)。

2 件のコメント:

  1. アレックス2010年1月23日 5:51

    あらまあ、インフルエンザだったんですね。
    たらり~ん と見るには思い映画でしたね・・

    私はNYの人混みにあんなに出かけているのに、いまだインフルになりません。
    ○歳以上は免疫がある という話はウソではないんだわね。

    お大事に~

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  2. Alexさん、海の向こうからありがとうございます。簡易テストでは新型だか季節性だかよく分からないけれど、インフルエンザはそこいらの風邪とは一味違いますね。強力。最近はかなり認知されてきたから、出社停止扱いになるけども、たぶん昔は高熱出しながら、インフルエンザと知らず出社したモーレツ社員がたくさんいたことでしょう。

    MTVで若い歌手の歌聞いてみたり、ディスカバリーチャンネルで整形手術の番組見たり、アニマルプラネットでライオンのクリスチャンを見たり、ケーブルを見まくりました~♪。

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