2009年10月25日日曜日

パイレーツ・ロック

1966年、BBCラジオから流れるロックは週にたったの2時間、政府はロックを快く思っていない。そんな時代に公海に船を浮かべ24時間ロックを流す海賊ラジオのDJたちのお話。

監督はリチャード・カーティス。「ラブ・アクチュアリー」の手法をそのままに、舞台をロンドンから船上に移し、その時代の一こま、日々のエピソードの連続でこれといったストーリがあるわけではない。ロバート・アルトマンが思い浮かぶけれど(「あの頃ペニーレインと」もちょびっと思い出した。)、あれよりも軽く、イギリス人お得意の政治風刺が効いていて、それでいてLOVEと人情にあふれている。誰もが知っているクラッシック・ロックをバックに、底の厚いイギリス人俳優陣が、軽くツボをはずしたジョーク(ボケというべきか)を連発。タイタニックを鼻で笑ったようなアクションも登場。見ているものを悲しませないところが好きだ。

俳優ではケネス・ブレナーのコンサバ政治家が意地悪いのであるが、笑える。しかし、彼の奥さんがもっと面白い。なんという女優さんなんだろう・・・。アメリカ人DJ役のフィリップ・シーモア・ホフマンは、暑苦しくて、熱い中年男を痛快に演じている。ノッティングヒルでは変な人、Jの悲劇では怖い人を演じたリス・エバンスはいつもと同じ顔で登場。役によって顔の変わるカメレオン俳優でなく、同じ顔で幅広い役がこなせる不思議な俳優さん。エマ・トンプソンもちらりと登場。

政治家に頼っているようじゃあ国が傾く、民衆よ愛でつながろうではないか!と、あくまでも明るいのりの映画を見つつ、口だけ達者な一庶民は思った次第。

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