2012年4月16日月曜日

スーパーチューズデー  The Ides of March

実際の選挙に着想を得て書かれた戯曲 「Farragut North」を原作にジョージ・クルーニーが監督、脚本、制作、出演をこなす。原題の 「The Ides of March」はシーザーが暗殺された3月15日を意味するものでJ.クルーニーが名付け親。

まさしく「ブルトゥスお前もか」の世界。政治は難しくて複雑なものであるけれど、究極は人間の根本的な「思い」で動いているのだとつくづく思う。主役ではないけれど、その核の人物である大統領候補モリスをJ.クルーニーが演じていて、これがなかなかいい。魅力的であるが故に、モリスの選挙マネージャーであるスティーブン(ライアン・ゴズリング)がモリスへの信頼をバッサリと切り捨てられず、しかし後に可愛さ余って憎さ百倍になってしまうその流れに大いに納得する。私なぞこんな大統領候補がいたらコロリと騙されてしまうだろう。

その他フィリップ・シーモア・ホフマン、ポール・ジアマッティは絶対ハズさないし、マリサ・トメイの不可思議なジャーナリストは最高だ。特に冒頭モリスに心酔する若いスティーブンに言った「どんな人物であれ、政治家というものには必ず失望させられる」(うろ覚え)には、トメイの説得力ある言い回しに脱帽。モリー役のエヴァン・レイチェル・ウッド(アクロス・ザ・ユニバース」)は美しさと技量を備えている。

もちろん21世紀の映画ではあるけれど、どこか70年代のルメットなどの映画を彷彿とさせる。ノスタルジックで熱すぎない、でも言いたいことがストレートに伝わってくる。政治の善悪を解いているのでは無く、それぞれの譲れない一線を描いている。その琴線に触れたときの力関係の駆け引き、自分の大義のためにどこで一線を譲るか。正義とは「あるかないか」ではなく、「信じるか信じないか」なのだわ・・・。

あのデカプリオが制作に関わっている。

2 件のコメント:

  1. あきざくら2012年4月18日 8:24

    あんこさんお元気でしたか?
    もしかしてワカ様お受験学年??
    間違えたらごめんなさい。
    我が家はすっかり大学生活を楽しむ三男に楽しく振り回されています。夜の一人時間が増えて、父とのデートも増えました。私より家事が上手いような・・・。(汗

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    1. 元気でしたよ~!と、言っても地震を皮切りにこの一年、思ったよりテンパっていたようで、どこかが疲れていたのでしょうか・・。日記を書く気が起きなかったのです。短くてもそれなりに頭を使っているみたいです。
      息子さんは人生の春を謳歌しているんですね。明るいエネルギーの発信源が家にいるというのはいいですね。私も吸い取り(?)に行きたいです。
      ワカ様は今年中学三年生になりました。今のところ、まだ言う事聞いてくれるし、カワイイです。

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