2012年4月20日金曜日

英雄の証明   Coriolanus

冒頭、廃れた街の中に軍隊と群集、迫力ある顔の俳優がなんだか古めかしい言葉で仰々しくセリフを言う。ちゃんと下調べしていなかったのでなんだろうと思っているうちに、すぐにシェイクスピアであることが分かった。悲劇「コリオレイナス」(ゼンゼン知らなかった)を、レイフ・ファインズ”監督”がローマ時代を現代に置き換えて映画化。

中世の芝居がかったセリフ(芝居だからしょうがないのだけれど)が、今の社会にそのまんま通じるシェイクスピアの普遍性に今更ながら感服。邦題からみて「英雄とはどうあるべきか」がテーマなのだろうけれど、コリオレイナスを取り巻く政治のあり方、政治の事務方や民衆のエゴイズムの描き方に興味が持てた。私自身、無関心であることへの罪を感じる今日このごろだけれど、一方で、衆愚政治も困ったものだなぁ、と。この地味な(?)作品をテーマに、現代の問題を鋭く見つめたレイフ・ファインズの慧眼に拍手。

舞台俳優であるラルフ・ファインズの怪演には驚くばかり。また、老いてなお美しいヴァネッサ・レッドグレイヴの凛とした姿は必見。イギリスの俳優は本当にステキだ。

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