2010年7月30日金曜日

下村脩博士

7月の「私の履歴書」はノーベル化学賞を受賞された下村脩博士。戦争でほとんど勉強できなかった中学生時代を過ごし、何もかもなくなった長崎の原爆跡で研究を始められた。環境が悪かったから何もできなかった、という言い訳はこの方の前では通用しない。与えられたものを真摯にこなし、あきらめない姿に毎日感服しながら読んでいる。

7月28日はノーベル賞受賞について書かれていた。
「嬉しかったことは、息子の努から電子メールで「おめでとう」というメッセージが入っていたことである。息子は独り立ちして久しいが、そのころは長く消息を聞かず、どこに住んでいるかも知らなかった。」

・・・そんなこともあるのかぁ、なんだか時代劇に出てきそうな親子だ。実はこの息子さんは私が知らないだけで、アメリカ史上最悪のハッカー、ケビン・ミトニックを逮捕に追いつめ、のちに映画「ザ・ハッカー」(見てないけど)のモデルになった有名な方だった。下村家は一家総出で朝6時からクラゲ取り、そのあとはクラゲの発光部分を採取、午後はそこからイクリオンというものを抽出し、夜は夜でまたクラゲ取りという一日15時間労働の生活をしていたそうだ。博士のお子さんたちは3,4歳くらいからクラゲ取りをしていたというから、小さな努少年も網を片手に頑張っていたにちがいない。

おそらく父親の研究中心で全てが回っていたのだろう。平凡な我が家からでは想像ができない”特殊”な 環境で育ったということは想像に難くない。しかし努さんの活躍を見れば、子どもは親の背中を見て育つ、それに蛙の子は蛙。何よりも博士が息子を誇りに思っている気持が文章から垣間見えるのがほほえましい。
2人も天才を世に送り出した下村夫人とはどんな方なのだろう。

2010年7月27日火曜日

ミヒャエル・ゾーヴァ

絵本の世界に出てきそうなエリリンさんの写真を見てふと思い出したのが右のミヒャエル・ゾーヴァ氏の絵。

1945年ベルリン生まれ、在住の画家・イラストレーターで、1993年『ちいさなちいさな王様』の挿絵が注目を浴びる。最近は絵にとどまらず、オペラ「魔笛」(1998年)の舞台 美術・衣裳、映画「アメリ」(2001年)では絵と小道具を制作、さらに映画「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」(2005年)で は背景のイメージを提供。

で、興味深いのは「緑の党」の初期選挙ポスター(80年代)を描いていたこと。「緑の党」は学生運動の流れを組む新左翼色の濃いエコロジー政党、90年代には「ドイツ社会民主党」と連立を組み与党となった。昨年、銀座松屋で展示されたものを見たけれど、韻を踏んだキャッチコピーといい、風刺のきいた上質なイラストといい、見たものの心わしづかみ。もし私がドイツ人だったら、ポスターを見ただけで思わず票を入れてしまったかもしれない。というよりも選挙ポスターだって気が付かなかったかも。当時、緑の党はまだ学生運動に毛が生えた程度のグループで、その友人のために一肌脱いだのであるが、今は党とは距離を置いているそうである。

私はゾーヴァ氏の絵を見ると、子どものころ読んだグリム童話が頭に浮かぶ。深い緑や青やグレーが私の心の中のドイツの森そのものだからかもしれない。

2010年7月26日月曜日

インセプション

クリストファー・ノーラン監督・脚本。

夢が題材なだけに荒唐無稽。見終わっての感想は、いいのか悪いのか好きなのか嫌いなのかはっきりしない。目新しいシーンもあったけれど、どの場面もどこかで見たようなアクションやら崩壊シーンで既視感はぬぐえない。が、この既視感とはまさに以前どこかでもしくは夢で見た、と感じること。ココまでどこかで見た映像のオンパレードが続くと、観客にわざと既視感(夢)を”実感”させる狙いがあったりして、と考える。

主人公のドム・コブはレオナルド・デ・カプリオ。彼の顔の演技があまり好きでなく、今回も眉間に皺が寄ったらどうしようかと思っていたら、やっぱり皺は寄ったけどなんとなんと、落ち着きのあるいい男っぷりだった。彼の妻役マリオン・コティヤールは大変美しくしかもコワイ。見るまではこの2人が夫婦役なのがピンと来なかったけれどかなりしっくり、またコブがいつまでも妻に執着する気持ちも痛いほど伝わってきた。劇中、エディット・ピアフの「水に流して」が不協和音のように大変美しく使われている。コティヤールの夢にうなされたのはコブでなくて、「エディット・ピアフ」でコティーヤールに一目ぼれした監督だったりして。

ケン・ワタナは結構出ずっぱり。トム・べレンジャー様はミッキー・ロークほどではないけれど、不気味さを増して登場していたので、ケン・ワタナもさらに見た目を重くしたら良かったかも。しかしトム・べレンジャー様、あの姿が役作りであってくれていたら嬉しいのだけれど・・・。

500日のサマー」のジョセフ・ゴードン・レヴィットがキアヌ・リーブスタイプの細い骨太を演じていてかっこいい。地味ながら目を引いたのがイームス役のトム・ハーディ。調べてみたらイギリスの舞台俳優らしい。なるほど。アドリアネ役エレン・ペイジは主人公コブの夢の核を見届ける重要な役どころ。見た目はJUNOと基本的に変わらないけれど、大きな商業映画でしかもレオナルド・デ・カプリオ相手に堂々と会話の歯車をかみ合わせて立派。

上映時間が長いので、居眠りをして夢でも見たらもっと臨場感あふれる映画になったかな。・・・そんなこともなく148分しっかり目を開けて夢を見た。思わせぶりなエンディングは想定内で今一つ。

2010年7月20日火曜日

ウィーンの森の・・・

ワカ様、ピアノの発表会が無事終了。
さて、上級生の上手な演奏を聴いて一言、
「ウィーンの肉祭(”やきにくまつり”と発音)の曲がよかったねぇ・・・」
シューマン作曲「ウィーンの肉祭の道化芝居」のことだろう、と思う。

そう言われてみたら、昔、百科事典を見ていたらシューマンとシューマイが隣り合わせになっており、図書館で大笑いしそうになったことがあった。

2010年7月15日木曜日

涙をこえて

ワカの学校での合唱音楽会の課題曲が「涙をこえて」と聞いたとき、また新しい歌なのかな?と思っていた。YOUTUBEで聞いてみたいというのでクリックしてみたら・・・、し、知ってる、それに全部ソラで歌える。懐かしい友人に出会ったような嬉しさ。
 
ワカはといいますと、この歌詞を聞いて一言、「僕の中間テストの歌だね」。
涙をこえて、期末がんばるって?

さて、この作詞は「かぜ耕士」さん。あの頃毎晩、ニッポン放送で「あおいくんと佐藤くん」→かぜ耕士さんの「たむたむたいむ」→(元気があったら)「コッキーポップ」を聞いていた。今に比べるとずいぶんと夜更かしをしていたようだ。たむたむたいむでは「茶色の少年」がいまだに記憶に残っている。後で「各駅停車の青春に」を買って何度もけらけら笑った。

たむたむタイムでのCMかどうかあまり記憶が定かではないのだけれど、所ジョージがこれまた面白い曲を歌っていた。
♪足を冷やせば寒さが増すよ、寒さが増せば寝るしかない、寝てはいられぬ受験生、となりで起きてる下宿のおばさん、 (記憶欠落) むーあなぱるのなしょなるのぱなーむ~♪と最後はどうしようもない回文で終わっていたような…。

TV見ている時間がもったいないって子どもには言っておきながら、かなり長い時間ラジオを聞いていた私の中学高校時代。おそらく今若い人の間ではラジオがネットにとって代わられている。パーソナリティーがどんどん新しい文化を発信しながらも、節度をもった交通整理をしてくれていたあのラジオという形態が、なんでもありのネットの世界にはないのが残念だ。

2010年7月12日月曜日

トイ・ストーリー3

 いつの間にか時は過ぎアンディは17歳、捨てるに捨てられない大事なおもちゃは箱に入れられて置きっぱなしになっている。大学に進学するため部屋のかたずけ&おもちゃの選別をするアンディ。ウディだけ一緒に大学へ、バズをはじめとした他のおもちゃは屋根裏へ。・・・であったはずが、ちょっとした手違いとおもちゃの自らの意思で全員”サニーサイド”と呼ばれる保育園行きに。ウディは1人アンディのもとに帰ろうと保育園から脱出を試み、ボーニーという女の子に拾われる。バズをはじめとした仲間は期待に胸を膨らませ保育園に残ったものの、まだおもちゃを丁寧に扱えない低年齢児ルームに隔離されてしまう。そして、トイ・ストーリー1、2に続き3度目のおもちゃたちの脱出劇が始まる。

1995年の第一作から15年。「ああ、これでホントに最後の最後、完結しちゃったんだ」と涙したファン(Wally Bオーナー)もいれば、私なんぞはワカとアンディの成長を重ね合わせて思いっきりたそがれた。子どもが見てももちろん楽しい映画だけれども、ストーリー、脚本、グラフィック、音楽、どれをとっても大変完成度が高く、大人がみたら何十倍も楽しめる。これはピクサー全作品にに共通するのだけれど、実にカシコイ映画であるのにもったいぶっていないところが大好きだ。

今回もファンの心をくすぐる小さな演出がイッパイ。初見で見つけただけでもカーズの登場車、ピザプラネットのデリバリー車、大きくなったシド等。話題の友情出演トトロは、控えめに、でも結構しっかり登場。私は見つけられなかったけどモンスターズインクのボーやニモもいたとか。一度見ただけではあれこれ発見するのはムリなので、DVDが出たらコマ送りで探さなくっちゃ。

ミセスポテドヘッドの片目のストーリーにはう~んとうならされたし、バズのスペイン語、ミスターポテトヘッドのトルティーヤには大笑い。字幕の”かりんとう”の訳はベーリーナイスだった。最後にランディ・ニューマンの曲をジプシーキングスがカバー、これも新鮮でよかった。DVDがたのしみ。

2010年7月6日火曜日

選挙 びっくり・・・

駅前にドクター中松の選挙カーが止まっていた。大音量で歌が流れている。

「ド」は努力のド~
「ク」は工夫のク~
「ター」は楽しく~
「な」は何でも
「か」は考える~
「ま」は魔法のように
「つ」はつくります~
ドクター中松~♪

これを「ドレミの歌」のメロディーで歌うので、歌詞が曲にちゃんと収まらず字あまりになる(特に「な」と「ま」)。ドレミの歌が終わったら、今度は突然ラップ調で「ドクター!ドクター!ドクター!中松♪」

なんだかびっくりしたなぁ・・・・。

2010年7月5日月曜日

甘いもの

甘いものが大好きなオット、最近いろいろ作ってくれる。私は甘いものはあれば食べるけどわざわざ買いに行かないし、ましてや作るなんてことは全然しないので、オットの作品を見るたびに「すご~い」を連発し呆れられている。

右のはチョコレート&ドライフルーツ。チョコレートにミルクだかクリームだかバターだか砂糖だか(よくわからない)をとかして、お好みの味にしてピザ生地のように円く平たく成形(どうやったか知らない)。その上にピスタチオ、アプリコット、ベリー類、干しブドウなどを細かく刻んでお好み焼きのように振りかける。最後はホワイトチョコとダークチョコをこれまたお好み焼きにソースをかけるように散らす、らしい。

家族だけで全部食べるとカカオとナッツで鼻血が出そうだけど、お客さんが来てくれたので、皆でパリパリわりながら食べた。ちょっと濃い目のコーヒー、大人はブランデーも一緒に。とってもおいしかった、ごちそうさま。