2010年7月26日月曜日

インセプション

クリストファー・ノーラン監督・脚本。

夢が題材なだけに荒唐無稽。見終わっての感想は、いいのか悪いのか好きなのか嫌いなのかはっきりしない。目新しいシーンもあったけれど、どの場面もどこかで見たようなアクションやら崩壊シーンで既視感はぬぐえない。が、この既視感とはまさに以前どこかでもしくは夢で見た、と感じること。ココまでどこかで見た映像のオンパレードが続くと、観客にわざと既視感(夢)を”実感”させる狙いがあったりして、と考える。

主人公のドム・コブはレオナルド・デ・カプリオ。彼の顔の演技があまり好きでなく、今回も眉間に皺が寄ったらどうしようかと思っていたら、やっぱり皺は寄ったけどなんとなんと、落ち着きのあるいい男っぷりだった。彼の妻役マリオン・コティヤールは大変美しくしかもコワイ。見るまではこの2人が夫婦役なのがピンと来なかったけれどかなりしっくり、またコブがいつまでも妻に執着する気持ちも痛いほど伝わってきた。劇中、エディット・ピアフの「水に流して」が不協和音のように大変美しく使われている。コティヤールの夢にうなされたのはコブでなくて、「エディット・ピアフ」でコティーヤールに一目ぼれした監督だったりして。

ケン・ワタナは結構出ずっぱり。トム・べレンジャー様はミッキー・ロークほどではないけれど、不気味さを増して登場していたので、ケン・ワタナもさらに見た目を重くしたら良かったかも。しかしトム・べレンジャー様、あの姿が役作りであってくれていたら嬉しいのだけれど・・・。

500日のサマー」のジョセフ・ゴードン・レヴィットがキアヌ・リーブスタイプの細い骨太を演じていてかっこいい。地味ながら目を引いたのがイームス役のトム・ハーディ。調べてみたらイギリスの舞台俳優らしい。なるほど。アドリアネ役エレン・ペイジは主人公コブの夢の核を見届ける重要な役どころ。見た目はJUNOと基本的に変わらないけれど、大きな商業映画でしかもレオナルド・デ・カプリオ相手に堂々と会話の歯車をかみ合わせて立派。

上映時間が長いので、居眠りをして夢でも見たらもっと臨場感あふれる映画になったかな。・・・そんなこともなく148分しっかり目を開けて夢を見た。思わせぶりなエンディングは想定内で今一つ。

0 件のコメント:

コメントを投稿