2006年11月29日水曜日

ビリー


11月28日火曜日 東京ドーム 夜7時、ビリー・ジョエルのコンサートが始まった。NY出身、NYにはまだ特別な響があった17の夏、その頃写真で見た彼のあの射るような風貌は、すっかり変わってしまったけれど、大きな瞳と鼻にちょっぴりかかった美しい声は変わっていない。

懐かしい曲が続く。”オネスティー”、”素顔のままで”はやっぱりビリー以外は歌えないし、歌ってはいけない。”イェスタディ”をポールしか歌えないように。「日本だけですよ。」のナマ”ストレンジャー”。ソニーのコマーシャルだったかな、女の人がスプリンクラーの下にいる白黒の映像だったと思う、そのバックに流れていた”ストレンジャー”。そしてまずドーナッツ盤レコードを買って、ピアノマンのアルバムを買って。

指は迷いもなく鍵盤を縦横無尽に駆け巡り、お尻までつかってピアノがメロディーを奏でる。鍵盤上の指だけでなく”ビックショット”では、持っているマイクを如意棒のようにくるくる回してステージ上を闊歩。失敗してマイクをぶつけないかと、 実はちょっと心配した。

最後の”ピアノマン”。あ・・・、みんな口ずさんでいる、静かに、でもしっかり聞こえてくる。そしてその静かなドーム観客の歌声に、ビリーが伴奏を付けてくれる。なんて、なんて、贅沢な瞬間。悪名高い東京ドームの音響もこうなったらどうでもよろしい。「このドームの音響も変わらないね~」とチクッと皮肉を言っていた彼も、これで帳消しにしてくれたらよいのだが。でももしかしてドームがちゃんとした会場であったら、きっともっと来てくれたに違いない・・・。

そして私は10代のときのように再び、彼に完全にを奪われてしまいました。ありがと。ビリー。

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