2009年4月15日水曜日

フロストXニクソン

主演は舞台と同じ、ニクソン役を演じたフランク・ランジェラとフロスト役のマイケル・シーン。まさしくアメリカがお題の映画であるが、”ヒーローX悪者”的なこれまたアメリカ特有の押しつけがましさがない。監督はロン・ハワードなんだよね~、これが、新鮮な驚きだった。

フランク・ランジェラあっての作品。舞台と映画では当然演技も変わってくるが、舞台俳優はやはりすごい。ニクソンのカリスマ性、うっ屈した性格、懺悔や後悔、闘争心、プライド、満たされない心、ひとつ漏らさずその声、顔の皺一本に刻みこむ。もちろん素晴らしい脚本あっての作品ではあるが、ニクソンがなぜ大統領になり、そして失脚したのかをナットクさせずにはいられないフランク・ランジェラの力量がものを言う。

また”小物”を演じるマイケル・シーンは、不自由のない家庭で育ちケンブリッジを卒業、その軽さ、真面目さ、人好きのするテレビ業界の人間を嫌みなく演じている。ニクソンにお上品にノックアウトされる表情、大統領とテレビ司会者の重さの違い、一瞬の隙をついたインタビュアーとしての”正義”を嫌みなく演じている。

最終的には”性格”が全て、ってことか。大統領からだいぶ身近な話になっちゃうけど、リーダーの条件とは、って最近職場でまさしく"人格”について考えさせられることが多い。
そして、
視聴者は話の内容ではなく、一瞬の映像だけで物事を判断するのくだり。2者のガチンコ勝負、実は視聴者との三つ巴だったわけでもある。軽いのはTVを信じる私たちでもあるのね。


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