2009年4月21日火曜日

クィーン

2006年作品。ヘレン・ミレン(エリザベスII世)がその年のありとあらゆる賞を総なめにしたこと、記憶に新しい。素晴らしい職人芸である。

女王の孤高を描くため、メタファーを実に美しく挿入し、登場人物をデフォルメさせた”フィクション映画”である。しかし、現職の人々が実名で登場してくるもんだから、単純な私はドキュメンタリーを見ているような錯覚に陥ってしまった。登場人物はそれぞれ立ち位置が明確なだけに、性格が単純、誇張されている。ご本人たちはそれぞれに言いたいことはあるだろうけれど、女王が納得できる形で描かれていれば、特に王室の方々は納得いくのだろう。

女王は国民がタブロイドに踊らされることなく、冷静に自分のことを理解してくれる、と最後まで信じている。並々ならぬ重圧を背負い、真摯に職務をこなし、国民を信じている女王を理解するのはトニー・ブレア。私はこの”登場人物としての”ブレア首相に、大いに共感。このブレア首相を演じるのは、”フロストXニクソン”でフロストを演じたマイケル・シーン、いいですヨ、また何ともいえぬ”小物”ぶりが。

まるで”時代劇”を見ているような世界が脈々と続く王室。予行演習済みで国葬にぴったりと、自分の葬儀プロジェクトをダイアナに取られてショックが隠せない王太后。ショックを和らげようと、もっと滅入りそうな鹿狩りにウィリアムとヘンリーを誘い出すエディンバラ公。シニカルなユーモアが漂うコメディ要素も随所にみられる。

そして他人(国?)事とは思えない、王室の意義に付いて真面目に考え込まされた私であった。

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