お気に入りの長めのくず真珠のネックレスのチェーンを椅子の袖にひっかけて切ってしまった。
自分でも修理できるかとおもいつつ、近所のジュエリーショップに修理のほどを聞いてみることに。一件目は本体の購入価格と同じくらいの修理代で、断念。修理には溶接が必要とのことで、自力ではできないことはわかったので、更にお店を探すことに。
次に立ち寄ったのは昔から気になっていたお店。何が気になっていたかというとジュエリーではなく、いつも入口にデーンと大型犬が寝転がっているからだ。出入口のガラス戸にもたれてとうせんぼ、別の意味で敷居が高い。しかし意外と簡単に入場させてくれて、しかもたっぷりなぜなぜさせてもらった。何よりもその素敵な店主とあれこれお話がすっかり盛り上がり、「簡単に治せますから!」の一言に、見積もりも取らず預けてきてしまった。ま、気分は上々、少々お高くてもいいっか。
さて2日後もう修理完了の連絡が来て、しかも修理代は最初に行ったお店の見積もりの約三分の一。そうだ、40年前に作ってもらって大切に使ってきた金のピアス、金具が取れたのでそれも直してもらおう!こちらもほどなく修理完了、おまけにキラキラに磨いてくださって!そして最後はこうなるまで、考えてもみなかった真珠のネックレス。いくつ壊れてほっとかれたジュエリーがあるのやら、だが・・。
この真珠は30年程前に母からのプレゼントで大切にしていたもの。かれこれ10年ほど前糸が切れバラバラになったものの、いろいろと心に余裕がなかったこともあり当時の私には手にあまり、そのままずっと引出しの中で眠っていた。そしてようやく糸替えをお願いしようと重い腰をあげた。が、けんもほろろに「偽物ですがそれでも直しますか?」と!・・・そのまま3年も引出しにしまったままだったのは、相当のショックだったのだと思う。何よりも母に言えない。今回は偽物でも大切いしていたものだし、こんな素敵な方に直していただけるのならと修理してもらうことにした。
今回も半日で修理が終了し取りに行くと、「本物ですし、しかも上等なものですよ」って。心の奥のつっかえが取れた。こうして真珠をめぐる長ーい時間の小さなあれこれは一応終わり。
そしてふと思った、この話、こうも言える。くず真珠のネックレスは捨て身の戦略で自らのチェーンを切って、私が宝飾店を探すように仕向け、お友達の金のピアスと、真珠のネックレスを修理させ、しかも汚名返上迄手伝った。
だって、タンスの中でアクセサリー同士がお話をしていたとしたらおもしろいもの。
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