2012年6月8日金曜日

人間―なぜ特別か?

毎朝「ダーウィンが来た」のショート版「あにまるワンだ~」を見ているのだけれど、これがとてもオモシロイ。本能と片付けてしまうには余りにもカシコすぎる動物の進化に、毎朝びっくりしたり笑ったり。
そんなこともあり、東京大学名誉教授の和田昭允さんが書かれた日経夕刊のコラム、「明日への話題」(6月7日)を大変興味深く、感じ入りながら読んだ。

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 生物は”単なる物体”ではない。40億年の進化が育てた”特別な物体”で、地球環境を生き抜く知恵(遺伝情報)の塊である。
 では同じ生物でも、人間だけはなぜ特別か?構造の違いなどを言い出したらキリがないが、そんなのは程度問題に過ぎない。決定的な違いは、「世代間の情報伝達」が人間だけ”複雑”になっているのだ。これは”ヒト能の特異能力”の結果だが、その複線構造こそが人類の未来を覆う暗雲だ、という私の杞憂?を聞いていただきたい。


 生物は、親から子への情報伝達を40億年間、遺伝という”単線”にひたすら頼ってきた。ところが人類はもう一本「記録と教育」という強力な情報伝達ラインを発明し、知識を子々孫々に伝える。つまり伝達ラインをダブルにしたのだ。しかし世の中万事、ダブルスタンダードになるとロクなことはない。
 2本の経路が独立ならよかったのだが、伏線を使う近代科学文明は、地球環境を変え、また、遺伝情報の書き換え(遺伝子操作)もする。これで人類は、2本路線間に”強い干渉”を複雑に持ち込んでしまった。


 この両者の情報伝達の速さと量の圧倒的な違いが、冒頭の”暗雲”だ。なぜなら遺伝情報だけに頼る生物は、環境変化への順応が遅い。片や人口情報は、記録と教育にハイテク技術が拍車をかける形で、モノ・コトをめまぐるしく変える。生命進化は、その無定見な鑑賞の圧倒的な量と速さにとてもついていけず、破滅の道に向かう。


 この破局から人類を救えるのは”教育の全力投球”しかない。初等教育から全教科で、総合的に「近代科学文明の知恵と責任で地球を救おう」と条理を尽くして教えよう。これが暗雲を払う唯一で無二の道だ。

1 件のコメント:

  1. 『ダーウィンが来た』面白いですね♪
    『あにまるワンだ〜』は知りませんでした。
    気になるけど朝は観る時間がないわ、きっと。

    ゆっくり読んでみますね,ありがとう。

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