2011年8月30日火曜日

ハンナ   HANNA


ハンナ(シアーシャ・ローナン)は16歳。フィンランドの人里離れた山小屋で父エリック(エリック・バナ)と二人、文明の利器を全く使わないサバイバル生活を送っている。父は、狩り、武術、語学などあらゆる知識を容赦なくハンナに仕込む。
父親の教えを習得したハンナは「用意が出来たと」して、父に森を出ることをせがむ。父は隠し持っていた装置のスイッチを押せば外の世界へ出られること、そしてそれが戦いのはじめであることを告げる。目的はただ一つ、米国CIAエージェントのマリッサ・ウィーグラー(ケイト・ブランシェット)への復讐。
ハンナがスイッチを押した瞬間から、マリッサは2人を抹殺するために大量の部下を差し向ける。1日もあれば完了する仕事と思っていたが、ハンナもエリックも簡単には捕まらない。焦るマリッサ。ハンナは逃走を続けるうち、自分がどうも他の人とは違う(アブノーマル)、ということに気がつき始める。その裏にはCIAのある実験が絡んでいた。

シアーシャ・ローナンは「つぐない」で見ていたけれども(「ラブリー・ボーン」はパス)、今回のハンナ役は新鮮で、「レオン」のナタリー・ポートマンが登場した時のような印象。根性と感性とそれを表現する身体能力を兼ね備え、ハンナになりきっている。超人的な身体能力でバッタバッタと追っ手をなぎ倒す姿は、「ボーン」や「ソルト」のように爽快感がある。何をやってもこなしてしまうケイト・ブランシェットのマリッサは怖さ爆発。ここまでワルモノが徹底すると、これもまた爽快。

子供が主人公だし、後半に登場する「グリムの家」などは少々キッチュ、しかし大人子供の垣根を超えた硬派な流れは、「グロリア」「レオン」の系統かな。特に、音楽や効果音が最高。荒涼とした雪原、殺伐とした都会、ポーカーフェイスの少女、容赦ないCIAという冷めた世界に潜んだ熱いエネルギーを、ケミカルブラザーズの音楽が十二分に聞かせてくれる。
予告編でもちらりと聞ける。

2 件のコメント:

  1. あの繊細で揺らめく少女を演じた
    シアーシャ・ローナン♪
    予告編を見たらぜひとも見たくなりました。

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  2. イギリス人俳優は一線を画していますね。ここのところオーストラリアの台頭も目覚しいモノがあります。日本人もいい作品、いい監督の下ではいけていると思うのですが。

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