2013年3月13日水曜日

旅立ちの春

ワカの高校受験が終わり、なんと3月も既に半ば。進学先も決まりほっと一息、来週は義務教育最後の卒業式。思い起こせば産婦人科の先生と助産婦さん、保育園の保育士さん、小学校と学童保育の先生、ピアノの先生、中学校の先生、塾の先生と、なんと多くの人たちに見守られながら大きくなってきたことか。地域の皆さんに育てられて、無事に義務教育を終えることができた。感謝、感謝である。

そして、そんな春の一日、ワカの小さな友達との別れがあった。ワカが私のお腹にいた春の日、近所で野良猫が赤ちゃんを産んだ。ある日母猫はいなくなり、一匹だけ子猫がおいてけぼりされていた。子猫の頭の上の電線にはカラスが「カ~!」。見るに見かねて母が拾ってきたのがミミちゃん。ワカと同い年15歳のミミちゃんは、名前と同じ3月3日の夜、静かに眠りについた。

一週間ほど前から食べ物を受付なくなり、それでもよしよしするとゴロゴロと喉を鳴らし、決して辛い顔を見せない。何度も猫ちゃんを看取ってきたけれど、その度に動物の安らかで静寂な最後には尊敬の念さえ覚える。まるで木の葉が落ちるように自然の一部となり、人間もこのように落ち着いて、美しく最後を迎えられるのだろうかと。

「何も心配いらないよ」と言うように、仲良しで大好きなワカの新たな旅立ちを見届け、静かに行ってしまった。たくさんの思い出を本当にありがとう。ミミちゃんは古い毛皮を脱ぎ捨てて、今頃、新しい毛皮を探していることだろう。また生まれてきたらうちにおいでよね。それまでちょっとの間だけさようなら。


2 件のコメント:

  1. ワカ君おめでとうございます♪
    ご家族みなさんでほっとされている事でしょう。

    春がめぐって来ましたね。

    ミミちゃんはワカ君の成長を見守って来たんですね。
    またいつか姿をかえてやって来ますように。

    今月の21日はうちのクララの命日なんですが
    先日夢に現れました。
    今回は思いっきり手を噛まれました。
    毎年夢の中に帰って来ます。

    返信削除
    返信
    1. エリリンさん、こんにちは!
      ありがとうございます。息子は全く普段と変わらず明るい受験生だったのですが、親は落ち着かないものですね〜。第一志望は残念でしたがそれも良くある話、これからの3年間を有意義に過ごしてもらいたいものです。

      実家が近いので、週に何回か訪れて少年と猫は友情を育んでいました。いつかは訪れる別れとはいえ、ミミちゃんに静かに手を当てて涙ぐんでいる息子をみて、こちらもボーボーです。実家の母はすっかり気落ちしてしまいこちらも心配ですが、時間の流れが良い思いでだけを運んでくれるようになるまで、もうちょっとの辛抱です。

      削除