2012年11月20日火曜日

アルゴ    ARGO

1979年11月4日、イラン革命真っ最中、アメリカ大使館に暴徒化したイラン法学校の学生らがあれよあれよと言う間に乱入してくる。大使館員は慌てて大使館員名簿やら機密情報などを、片っ端からシュレッダーにかけたり焼却したり。そんな混乱の中6人の大使館員は大使館を脱出したはいいものの、あちこちの同盟国に断られた挙句、カナダ大使の私邸に匿われる。(残った52人の大使館員は人質となり、結果的に444日拘束されることになる。)

人質を盾にホメイニ師らのイラン新政府は、アメリカ政府に「癌の治療のため」アメリカに滞在中の前国王パーレビの引き渡しを要求する。街頭にはクレーンに吊るされた死刑囚、むくつけき男衆のデモ隊、その中にはブブカをかぶり銃を持った怒りに震える母親の姿も見られる。とにかく街中に抑えようのない怒りが渦巻いているのがコワイ。大使館のシュレッダーにかけられた書類は現地の子供たちがジクソーパズルのようにつなぎ合わせる人海戦術で、次々に復元されていく(すごい・・・)。名簿が復元されれば脱出した6名の存在が明らかになり、捕まれば処刑されてしまう。

アメリカでは人質奪還を幾度となく成功させてきたCIAのトニー・メンデス(ベン・アフレック)が国務省の会議に呼ばれていた。八方手詰まり感が漂う中、ふと、6人を映画のロケに来たカナダの映画クルーに見せかけて出国させるという作戦を思いつく。彼はあくまでも真面目である。トニーは特殊メイクのジョン・チェンバース(ジョン・グッドマン)に相談。太っ腹なジョンはハリウッドの大物プロデューサーのレスター(アラン・アーキン)に協力を求める。レスターもすっかり乗り気、映画より面白そうだと思っている様子。イランがロケ地になりそうな見るからにダメダメ脚本『アルゴ』を選び出し、どうせ偽物とハッタリだらけのハリウッド、スポンサーはCIA、怖いものなし。堂々と事務所を立ち上げ、大々的な記者発表を開き、イラン側に作戦だと気づかれないように既成事実を作り上げていく。

1980年1月25日、トニーはカナダ人プロデューサとしてイランに入国、文化・イスラム指導省で撮影許可をもらうことに成功。カナダ大使公邸に潜伏中の6人に計画を持ちかけるが、そんな怪しげな計画に乗れないと反対する職員もいる。しかし、国に(別居しているものの)家族を残し、自らの命をも賭けるトニーに全てを託し、カナダの撮影クルーに化けることを全員が承諾。

いよいよ作戦開始というとき、アメリカ本国から軍による人質奪還作戦への変更を告げられる、すなわち映画クルー作戦は中止。航空券は取り消され、ハリウッドの事務所は閉鎖を告げられるものの、現地の事情をよく知るトニーには映画クルー作戦しか脱出の道は見えてこない。トニーは独断で6人を自分の計画通り出国させると上司に宣言する。そこから始まる手に汗握る脱出劇・・・。

ベン・アフレック、「ザ・タウン」では彼にいちゃもんつけちゃったけど、今回は良い、良い。俳優としてだけでなく、監督としてもあっぱれ。クライマックスはかなり脚色をしているとは思うけれど、映画はこうでなくてはいけない。時代だけではなく、映画自体のつくり方もあの時代風で好感度大。

プロフェッショナルが最大限にそのスキルを発揮し、いかに相手の仕事に敬意を払うか。映画人は映画人として、大使は大使として、メイドはメイドとして、仕事に忠実であること。そのあたりが見ていて爽快だ。事の発端には一言では語れない歴史があるけれど、どちらの国が良い悪いではなく、娯楽映画として割り切って見るのはどうだろう。

この映画を見ると「日本の嫌われ方」なんて、比べ物にならないわ・・・。外交って本当に大変。

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