薬屋さんに促されるまま、通りの向かい側にあるクリニックにとりあえず行ってみた。ヘルペスではなく、アレルギー性のものだろうということで、痒み止めの飲み薬(アレグラの後発薬)と塗り薬を処方され、3日後の金曜日にまた来るように言われた。さて、病院も薬も苦手な私、金曜日はちょっと忙しくてパスしてしまった。
月曜日、赤みも収まっていたので、もうお医者さん行かなくてもいいかなと思いつつも、なぜかちょっと気になってクリニックへ。すると、「ちゃんと金曜日に来なくちゃダメでしょ、ステロイド出してるんだから。」とこの年になって先生に怒られてしまう。私の顔を覚えているくらい、患者が少ないのか?と別な意味で不安になった。しかし、なぜかちょっと気になってお医者さんを訪れた、その予感は正しかったようだ。
湿疹は一か所腫れが引くと別の場所にでてくる。顔にあとが残らないように、反応を見ながら薬を塗る場所、期間を丁寧に指示してくれる先生、2回”出頭”する週もでてきた。1か月経つ頃、なんと腕にまで湿疹が表れ始め、涙目・・・。友人は医者を変えろというが、とにかく続けて通ってみることにした。腕用には別のステロイドが出る。顔の薬は弱すぎて四肢には効き目がないそうだ。へえ~、同じ肌でも違うのだな、と感心。やがて発疹は、おなか、腰回りにも現れ始める。ここで白状すると、腕までは先生に見せていたけれど、おなかと腰回りは黙っていた。これに全部薬を塗ることを考えたらぞっとしてしまったからだ。
つらいのが、なんといっても夜、お布団に入って寝ようと思ったとたん、あちこちが熱を持ち始めてかゆい、かゆい、とってもかゆい~。昼間も下着やらストッキングも刺激になるみたいだし、ウールがじかに触れるとそこもかゆくなる。夜は安眠できないし、このまま治らないのかとかなりユーウツな気分になった。その間に受けたアレルギーと肝機能の血液検査結果、問題はなし。いったいぜんたい・・・。
転機はそのユーウツな気分が最高潮に達した時訪れた。ついに勤務時間に夜のようなほてりとかゆみが襲ってきたのだ。とにかく体を冷やそうと500ccの水をがぶ飲みした。すると、するとですよ、な、な、なんと、まるで潮が引いていくようにかゆみが収まっていくではないか!!これには驚いた。ためしに寝る前にお水を飲んでみた。するとあの熱を持ったような痒みは起きない。まだちょっとかゆかったけど。乾燥した体が悲鳴をあげていたのだな。
で、先生に体の発疹を黙っていたことがばれないように、吸水のことをそれとなく聞いてみた。すると冬でも昼間1リットルは飲んだ方がいいとおっしゃる。ついでに有効なお肌ケアを聞いてみた。まず保湿が大事。それから肌は排泄機能はあるけれど、たとえばコラーゲンなんかを吸収することはありえないとのことだ。コラーゲンは水分蒸発を抑える保湿効果は期待できても、コラーゲンという細胞が吸収されることはない。先生に「ブタ(コラーゲンは牛や豚や鶏から抽出されている)のコラーゲンを肌に塗って吸収されるということは、君の肌がブタさんになるということだよ。」と言われ、小学生のようにうなずいた。とにかく肌には保湿、口からは吸水。で、お茶ならまだしも、水1リットルは結構きついと思っているみなさん、大丈夫よ、1週間ほどで慣れるから。
12月に入りステロイドに替わってプロトピックという薬を処方された。塗ること約2週間、ついに最後まで残っていた目頭の湿疹も無くなり、年越しを待たず先生から終息宣言。プロトピックについては説明書にちょっとコワイことが書かれているけれど、私には結構有効だった。あんまり嬉しくて「お世話になりました、来年もよろしくお願いします」と言ってしまいそうになった。
そんなこんなでもう発疹が再発することもなく、さわやかに新年を迎えることができた。
今年も皆様にとって、幸せで、健康で、とびっきり愉快な一年になりますように。
「水を飲もう!」