しか~し、心ほど踊らない体。まず脚が上がらなくなった。特にアラベスク(後ろに足を上げる)というポーズがあるのだが、これがああミゼラブル。それから回転。目が回らないように、一点を見つめながら回るのだけれど、まったくカンが戻らない。
とは言えよくなったところもある。バレエは脚を常にターンアウトする。ターンアウトとはウチマタの反対、でもガニマタではない。正しくは脚というよりもおなかの中から開く、そうすれば股関節も膝も足首も炒めない。これが以前より楽になり、1番から5番までの基本ポジションが決まりやすくなった。そして、「気持ち」。技術的なこと、例えば、脚を高く上げるとか、たくさん回るとか、高く跳ぶとか、は求めない。脚を高く上げなければ、回転が少なければ、音楽が長く使えるわけで、その分丁寧に動くことができる。そこに”できているつもり”という「気持ち」をプラスする。イメージトレーニングみたいなものかな?
若いころはこの「気持ち」、がいつも前のめりになっていたなぁ。体と気持ちがぎくしゃくしてね。今はなんと楽しく踊れることか。自分が唯一自由に使える身体、しかし、思うように動かすのがなかなか難しい。ン十年を経てもまだまだ自分の体から学べることはいっぱい。好きだから続けられる、これからもずっと。
現在沢山の素晴らしい日本人ダンサーが世界中で活躍している。その中の一人金子扶生(ふみ)さん、昨年度末の英国ロイヤルバレエ「くるみ割り」で大抜擢。添付の動画はリハーサル風景。